あんことチーズケーキの衝撃の出合い! 『銀座立田野』の「シベリアンバスキー」が美味しすぎる

2020年10月4日(日)10時50分 食楽web


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 先日、荻窪駅で友人と待ち合わせをしていると、ルミネの入り口に、「Siberian Basque シベリアンバスキー」と書かれたでっかいポスターが置いてありました。ポスターに載っているのは、チーズケーキらしき写真と、「シベリアチーズケーキ」、「銀座立田野」という文字だけ。シンプルなだけに気になりました。

『銀座立田野』といえば、あんみつ、みつ豆などを代表とする甘味処の名店です。その老舗が、シベリアンハスキーならぬ「シベリアンバスキー」というダジャレのようなネーミングのケーキを出している……。ちょっとニヤけてしまいましたが、待て待て、そもそも「シベリアチーズケーキ」って何だ?  スマホで調べてみても、そんなものはシベリア地方にはありません。


ルミネに置かれていたポスター

 でも、「シベリア」というケーキはよく知っています。カステラの生地に羊羹を挟んだ三角形のケーキで、昔、パン屋や和菓子屋でよく見かけました。しかも「シベリア」はルーツ不明のお菓子ということでも有名です。ロシアのシベリア地方にはそんなケーキはなく、あんこが入っているので日本発祥らしいと推測されてはいますが、いつ、どこで生まれたのかも、誰が作ったのかも、さらに名前の由来も全くわからない、謎のお菓子です。


シベリアは、昭和レトロなお菓子として有名

 また、「バスキー=Basque」といえば、最近、一大ブームを巻き起こしたスイーツ「バスクチーズケーキ」を思い出します。あれの本家は、スペインのバスク地方・サンセバスチャンにある老舗のバル『ラ・ビーニャ』に代々伝わる秘伝レシピのチーズケーキです。

 なので、バスクチーズケーキも、“バスク地方で食べられているチーズケーキ”ではなく、バスク地方にある1軒のバルで誕生しただけのものなのです。追記しておくと、その門外不出のレシピを世界で初めて、東京・白金高輪にあるバスクチーズケーキ専門店の『ガスタ』のパティシエだけが継承し、日本初上陸させたことがきっかけで「バスクチーズケーキ」ブームが起きたわけです。


白金高輪『ガスタ』の伝統のレシピを継承した「バスクチーズケーキ」

 すなわち、「シベリアンバスキー」は、シベリア地方ともバスク地方ともなんら関係がないはず。また、見た目も「シベリア」とも違うし、「バスクチーズケーキ」とも全然違う。だいたい、チーズケーキとあんこを合わせるなんて謎すぎます。

 これはダジャレで笑って済ますことができなくなりました。大袈裟は重々承知で、一体、何を企んでいるのだろうと考えずにはいられなくなり、ルミネに入店して買ってみることにしました。

めちゃくちゃ美味しい“あんこ&チーズケーキ”


シベリアンバスキー1296円

 自宅に戻り、「シベリアンバスキー」を開けてみると、写真の通り、下には粒餡生地と上にはチーズケーキの二層。何ら不審な点は見当たりません。強いていうなら、ただドカンとした洒落っ気もない長方形のケーキで、印象としては朴訥で正直な体育会系といった感じがします。


サイズは高さ4cm×横6cm×長さ15cm。1食50gあたり145kcal

 ナイフでカットして中を確かめてみることにします。しかし、どこをカットしてもひたすらチーズケーキと餡子の二層。

 そこで上から食べてみると、チーズケーキはねっとりしていてかなり本格的な濃厚具合。そして下は粒あん生地で、これまた小豆を丁寧に炊き上げ、ギュッと濃縮した上品な羊羹のような味わい。

 その両方が口の中で出会うと、チーズケーキとあんこの、それぞれ違うコクがクリーミーに一体化し、後からチーズのクセや塩気が追いかけてきて、「え、これ、めちゃくちゃ美味しいじゃん」と思わず言葉が漏れ出てしまいました。


めちゃくちゃ美味しいです

 ダジャレのような名称を笑い、シベリアもバスクも関係ないと知ったかぶり、あんことチーズケーキが合うのかよ、と疑っていた数分前の自分が恥ずかしくなるくらい美味しいのです。「あんこに塩」の相性の良さは想像がつくと思いますが、「あんこにチーズ」を合わせるなんて眼からウロコ。正直言って、美味しいだけではなく、これはワインや日本酒にも合いそうな大人の味。

 繰り返しますが、シベリアともバスクとも何ら関係ないとは思いますが、美味しいスイーツであることは事実。まだ食べたことがない方は、ぜひ『銀座立田野』の「シベリアンバスキー」を試してみてください。きっと驚くと思いますよ。

(撮影・文◎土原亜子)

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