タカミクリニック副院長に聞く! 40代のための“正しいリップケア”の方法
2024年10月6日(日)20時45分 All About
唇の乾燥や荒れだけでなく、くすみや縦じわにも悩む40代。ケアの方法に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、タカミクリニック副院長の山屋先生に悩みの原因と正しいケア方法、リップケアアイテム選びのポイントについて伺いました。
そこで今回は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋雅美先生に、40代が抱きがちな唇の悩みの原因や若い頃とは異なる正しいケア方法、リップケアアイテム選びのポイントについて伺いました。
取材にご協力いただいたのは…
美容皮膚科タカミクリニック 副院長 山屋雅美先生
埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科、三井記念病院皮膚科勤務を経て、2011年美容皮膚科タカミクリニック入職。2021年より副院長に就任。ニキビ、毛穴などの美肌治療から、シミ、しわ、たるみなどのエイジング治療まで幅広く診療を行う。
Q1. 唇が他のパーツと比較しても乾燥しやすく、荒れやすいのはなぜでしょうか。
顔にある唇は皮膚の一部のように思われがちですが、医学的には粘膜に分類され、皮膚とは異なる構造を持っています。唇には皮脂腺や汗腺がほぼなく、皮脂膜(表皮を守る保湿成分)が形成されません。そのため、唇は保湿機能やバリア機能が非常に低いパーツといえます。顔の皮膚に比べて角質層が薄いため、顔の中でも特に乾燥しやすく、デリケートなパーツです。
さらに、唇は飲食や会話などで日常的に刺激を受けることに加え、紫外線などの外的刺激に対する防御力が弱いことも、唇が乾燥しやすく荒れやすい原因と考えられます。
Q2. 唇の皮がむけてしまった場合どうすればよいのでしょうか。
皮むけが気になるからと無理に皮をむくのは避けましょう。出血したり、傷をつくってしまう恐れがあります。皮むけやゴワつきが気になる場合は、リップパックを試してみましょう。粘膜を修復する効果のあるビタミンB6、新陳代謝を促すビタミンE、セラミドなどの保湿成分、グリチルレチン酸ステアリルやアラントインなどの抗炎症成分が配合されたリップ美容液を使用し、唇をラップなどで覆ってください。
ほどよい湿度があり、血行がよくなる入浴中におこなうのが効果的です。
唇のターンオーバーは約3〜4日のため、まずは3〜4日ほど正しいケアを続けてみましょう。
Q3. リップクリームを使用しても乾燥や荒れが止まらず、リップ美容液のほうがコンディションを整えるのに効果的な印象を受けます。考えられる原因について教えてください。
スティックタイプのリップクリームは、唇の表面に油膜を張り、疑似的なバリアをつくることで唇の乾燥や荒れを予防、改善することができます。一方でリップ美容液は、保湿成分や修復成分、エイジングケア成分などが豊富に配合されているものが多く、唇の内側から潤いを与え、コンディションを整えることが主な目的です。
つまり、リップクリームは日中の乾燥予防や紫外線予防(日焼け止め効果のあるものの場合)に適しており、リップ美容液は荒れてしまった唇の修復や、唇のエイジングケアに効果的といえます。
一般的に、リップ美容液のほうが保湿効果や修復効果の高い成分を含み、さらに浸透しやすいテクスチャーであるため、効果的に感じる人が多いのではないかと考えられます。
Q4. 唇の縦じわやくすみが気になる人が多い40代は、どのようなケアをすればよいのでしょうか。若い頃とのケアの違いや、リップケアアイテム選びのポイントもあれば教えてください。
顔の皮膚と同様、唇も年齢とともに乾燥やくすみ、縦じわ、ボリュームの低下などのエイジング症状が出てきます。若い頃は薬用リップクリームだけで唇の悩みを解消できていたと思いますが、40代以降は今までのリップケアに加えて、唇のエイジングケアも必要です。日中はUVケアができるスティックタイプのリップクリームを使用して、紫外線による色素沈着(くすみ)を予防しましょう。そして夜は、エイジングケア成分が配合されたリップ美容液で乾燥や縦じわに対する集中ケアをしてください。
また、摩擦による刺激が唇のくすみを招くこともあります。ティントリップなど落ちにくいアイテムを使用している場合は、専用リムーバーを使って優しくメイクオフするなど、唇への摩擦にも注意しましょう。
Q5. リップケアアイテムの正しい塗り方を教えてください。
リップクリームは横に塗りがちですが、しわは縦に刻まれているため、縦にも塗るようにしましょう。遠藤 幸子プロフィール
美容雑誌、Webメディアを中心に活動する美容ライター・研究家。2011年にアットコスメ公認ビューティストに認定されたことを足掛かりに活動を開始し、美容コラムを執筆する傍ら、テレビやラジオなどへのメディア出演、コスメブランドの広告制作にも携わる。All About 化粧品・コスメガイド。(文:遠藤 幸子(化粧品・コスメガイド))