「民意を直接聞いて修正するのが民主主義」伊藤真弁護士、安保法めぐり政府を批判

10月6日(火)11時14分 弁護士ドットコム

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日本弁護士連合会は10月3日、法の役割や重要性を考える「法の日週間」の一環として、イベント「戦後70年 今こそ憲法・平和を考えよう」を東京・霞が関の弁護士会館で開催した。



イベントでは、5月に大腸がんで亡くなった俳優・今井雅之さん主演の映画「ウインズ・オブ・ゴッド」を上映。終了後は、同作品に出演し、俳優としても活躍する野元学二弁護士、伊藤真弁護士、経済アナリストの森永卓郎さんが登壇し、平和への思いを語った。



●「立憲主義をまるで無視した議論が展開された」


伊藤弁護士は、このほど衆議院で可決・成立した安保法について「政治家たちは、憲法を脇に置いて、『日本を取り巻く安全保障環境が急速に変化しているから、こういう法律を作らないといけない』と政策的な必要性ばかりを強調して、立憲主義をまるで無視した議論を展開した」と批判した。



また、世論調査などで、国民の理解が十分に得られていないことを示すデータもある中で、与党が安保法案を成立させたことについて、次のように述べた。



「もし、選挙で勝ったら何をしてもいいというのが民主主義なら、国会はいらない。選挙で政策を掲げて、選挙で勝った瞬間に何をやってもいいなら、それは専制政治だ。いくら国民から選ばれたとしても、審議をし、討論をして、民意を直接聞いて修正していく過程こそが民主主義だ」



●「今井さんの平和に対する思いは大きかった」


野元弁護士は、今井さんとともに「ウィンズ・オブ・ゴッド」の海外公演をした際の思い出を振り返り、今井さんの平和への思いを語った。



「(海外で『ウィンズ・オブ・ゴッド』を公演した際に)今井さんは最後にいつも『No more war』と言っていた。今井さんの平和に対する思いは相当大きかったのだと思う。『今の平和に対する感謝を忘れたときに、もう、戦後の現代ではなく、戦前にもどってしまう』と話していた。



私の祖父は戦争で亡くなった。私が『ウィンズ・オブ・ゴッド』で演じるに当たって、祖父の話を母から聞いた。(戦争を体験した世代が)自分の身近にいる、戦争体験を聞くという機会が減っていく状況の中で、どうやって、そうした経験を忘れないでいくかが大切だ」



また、森永さんは、バブル崩壊が世界中で繰り返されていることに触れ、政治の世界で「同じことが起こっている」と指摘した。



「経済の世界では、60年くらいのタイムラグをおいて、バブルが起きている。それは、世代が入れ替わって、(バブルの崩壊で)どれだけひどい目にあっても、体験をした人の声が届かなくなるからだ。今の政治もまさにそういう状況だ。戦中派の人たちが全員引退して、戦後に生まれた、戦争を知らない人が、威勢のいいことをいっている。その中でずるずると、戦争をしやすい仕組みに代わってきた」



(弁護士ドットコムニュース)

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