ナポリタンやプリンアラモード発祥の地・横浜ニューグランドの魅力とは?

2023年10月6日(金)10時50分 食楽web


食楽web

●「日本一パンケーキを食べる男」として知られるミスター黒猫が、年間1000店以上カフェや喫茶店を訪問した中から、一人でも楽しめる“癒し系カフェ”と必食グルメをご紹介! 〜ミスター黒猫の孤独のカフェめぐり〜

 喫茶店・カフェ・スイーツのお店を、年間約1000軒めぐっているミスター黒猫です。ひとり気ままなカフェめぐりで発見した、おひとり様でも気兼ねなく楽しめるお店をピックアップ。その魅力をお伝えしていきたいと思います。

山下公園前にある1927年開業のホテル


『ホテルニューグランド』

 今回、黒猫がおすすめするのは、横浜・山下公園前にある1927(昭和2)年開業の『ホテルニューグランド』。日本の激動の歴史と共に歩んできたクラシックホテルです。実はこのホテル、今では誰もが知っているメニューの発祥だというのを知っていますか? そこが今回の黒猫的なおすすめポイントです! 歴史の出来事と共に紹介しますね。

『ホテルニューグランド』は、関東大震災後の復興のシンボルとして、横浜市の財界の応援と市民の熱意により誕生したそうです。ホテルのシンボルマークの“フェニックス(不死鳥)”は、そんな復興への願いが込められています。


ひとつひとつ歴史を感じることができるホテル内は、どの場面を切り取っても絵になる素敵な雰囲気

 本館は、銀座和光などを設計した渡辺仁氏によるもので、ほぼ開業時の状態を保ち1992年には横浜市認定歴史的建造物、2007年には、経済産業省が選んだ近代化産業遺産にもなっています。第二次世界大戦後にはGHQに接収され、マッカーサー元帥も滞在されていました。マッカーサー元帥専用室に当てられた部屋は、今も“マッカーサーズスイート”として使用されています。


明るく広々とした店内は、木のぬくもりを感じる居心地良い空間

 そんな歴史ある本館1Fにあるのが『コーヒーハウス ザ・カフェ』です。ここでは、『ホテルニューグランド』発祥と言われるメニューが、いまも味わうことが出来ます。

お客様の要望から誕生した「ドリア」!


「シーフードドリア」3162円

 実は、ドリアは日本発祥。その考案者は、1927年の『ホテルニューグランド』開業の際にパリから招かれた初代総料理長のサリー・ワイル氏。宿泊者から「体調が良くないので、何かのど越しの良いものを」との要望を受けて、バターライスに海老のクリーム煮を乗せ、グラタンソースにチーズをかけてオーブンで焼きあげ提供したそうです。その後レギュラーメニューになり、ホテルの名物料理の一つになったそうです。

 ひと口味わうと、その味わいの深さと具の多さに驚きます。当時は、シュリンプドリアでしたが、後に帆立も加わりシーフードドリアとなりました。味わいの深さの秘密はソース。実は、ベシャメルソース、ニューバーグソース、オランデーズソースの3種類のソースが使われていて、深みがありコクのある美味しさに仕上げられています。

 ベシャメルソースなどの基本レシピは当時のままで、時間をかけて丁寧に作られています。お客様を思い作り上げた料理が、日本全国に広がり受け継がれているのは素敵ですね!

米兵の食べ方をホテル流にアレンジした元祖「ナポリタン」


「スパゲッティ ナポリタン」2277円

 終戦後7年間GHQ将校の宿舎として接収されていた『ホテルニューグランド』。諸説ありますが、2代目総料理長の入江茂忠氏が、当時の米兵が軍用保存食のスパゲッティとトマトケチャップを和えて食べているのを見て、ホテルメニューに相応しく生のトマトとトマトペーストで作ったソースに玉ねぎやハムを合わせ作り出したのがナポリタンの始まりとされています。つまりこのホテルは、ナポリタンの発祥でもあるんです。

 アルデンテではなく、もちもち食感が嬉しいナポリタン。もちもちの秘密は、茹でた麺を流水で引き締めオイルにまぶしてから一晩寝かせることだそうです。寝かすことにより、もちもち食感になるそうです。程よい酸味のソースと、もちもちの麺の相性はぴったりで大満足の美味しさです♪

器も発祥の「プリン・ア・ラ・モード」


「プリン・ア・ラ・モード」2024円

 そして「プリン・ア・ラ・モード」もニューグランド発祥と言われるメニュー。GHQに接収されていた7年間、宿泊していたのは進駐軍の将校と夫人方々。ホテル内のボールルームでは、アメリカから送られてきた最新の映画が上映され、まるで外国のような特殊な場所でもありました。

 そのため当時のパティシエが、デザートもボリュームあるアメリカのデザートに負けないように、別々で出していたプリンとアイスクリームに、アメリカから送られてきた缶詰の果物などを加え“コルトンディッシュ”という別の料理に使っていた器に盛り付けて提供しました。将校夫人にも大変好評で、「プリン・ア・ラ・モード」と呼ばれるようになったそうです。


器もそのまま“コルトンディッシュ”が使われています

 黒猫も大好きな「プリン・ア・ラ・モード」。全卵使用の固めのプリンとアイスクリーム、添えられるフルーツは、りんご、チェリー、キウイ、プルーンなど。お話を聞いたところ、フルーツの種類は当時と変わらないそうです。当時これだけのものを作り上げ進駐軍の将校に提供したパティシエの矜持を感じます。

『ホテルニューグランド』発祥と言われる3つのメニュー。ぜひ味わってみてくださいね。

●SHOP INFO

店名:ホテルニューグランド コーヒーハウス ザ ・カフェ

住:神奈川県横浜市中区山下町10番地
TEL:045-681-1841
営:10:00〜21:30(L.O.21:00)
休:なし

●著者プロフィール

ミスター黒猫
カフェ・純喫茶・パンケーキ・スイーツの店を年間1000店以上訪問。特にパンケーキは雑誌で「日本一パンケーキを食べる男」と紹介される。SNSで8万人を超えるフォロワーに毎日情報発信のほかに、テレビ・ラジオ・webメディアでも活躍中。
Instagram:https://www.instagram.com/mr_kuroneko/

食楽web

「魅力」をもっと詳しく

「魅力」のニュース

「魅力」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ