アマゾンで、過去の記録を上回る高さ88.5メートルの巨木が発見される(ブラジル)

10月12日(土)16時30分 カラパイア

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 世界一の高さと推定される115.55メートルの樹木は、アメリカのカリフォルニア州で確認されているが、ブラジルのアマゾンでは、これまでその地域の過去の記録にはなかった高い樹木が発見された。

 ブラジルおよび英国からの研究者たちは、アマゾン東部にある森林地域で、アマゾンでは最も巨大とされる高さの樹木を発見したことを、今年8月29日の『Frontiers in Ecology and the Environment』に掲載された論文の中で報告した。

 発見された樹木は、Dinizia excelsa(ポルトガル語でangelim vermelho)と呼ばれる種で、過去の高さの記録を30メートルほど更新した80メートル以上のグループだ。更に一番高い木は、88.5メートルにもなることが確認されたという。

 研究者たちは、来年も引き続きこの高い木の調査を行うことを明かし、この発見が環境保全における重要な役割を果たすと述べている。

Jari journey - Fabiano Moraes climbing a tall Dinizia excelsa tree

・別のプロジェクト中に偶然発見された高木

 ブラジル大学で森林工学を研究しているエリック・バストス・ゴーゲンス教授率いる研究チームは、2016年〜2018年の間、ブラジル国立宇宙研究所(Inpe)で衛星を利用して、アマゾンの850のランダムな土地のスキャンを広範囲にわたり行い、熱帯雨林の遠隔地をマッピングするというプロジェクトに従事していた。

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 この時、チームはスキャン中に登録された複数のエリアの樹高が、予想よりも遥かに高いことに目を留めた。

 最初はスクリーン上だけの数字だったために、チームは「飛んでいる鳥か、センサーのエラーでは」と思ったという。

 ところが調査を始めてみると、エラーではなくDinizia excelsaという種の樹木がギアナ高地の一部であるアマゾン東部のパラ州とその近隣のアパマ州との境界に沿って流れる、アマゾン川北部の支流ジャリ川を取り囲むように巨大に成長していることがわかった。

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・チームは現地へ赴き測定を試みる

 そこでチームは、これら巨木の詳しい測定をするためInpeのデータから樹木の正確な位置を特定し、慎重に多くの計画を立てた後、5日かけてボートで川を遡上し徒歩を重ねて240kmもの距離を遠征し、ついに巨木に辿り着いた。

 80メートル以上にもなる樹木のグループを発見した研究者らは、2日間かけてサンプルを収集。

 また、木登りの専門家にロープと一緒に可能な限り高く登ってもらい、木の上から地面に落とされたロープでその高さを測定するという方法を取った。

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 チームが測定した最も高い木は82メートルのものだが、衛星スキャンでは88.5メートルの木が記録されている。

 その木は、チームが辿り着いた場所から更に3〜4km離れた厳しい熱帯雨林の中にあるため、今回は断念し、来年改めて調査を行うことにしたようだが、チームにとっての収穫は大きく、「私たちが今回見たものは、これまでの記録には全くなかった新発見です」とゴーゲンス教授は述べている。

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・推定樹齢は400年〜600年か

 Dinizia excelsaは、しばしば角材として使用される熱帯雨林では一般的な樹木だそうだ。

 その木が、何によってこのような高さになるまで成長したのかは現時点では不明だという。

 しかし、都心や工業地帯から遠く離れた土地に生えていたために伐採を免れた他、アマゾン西部と比較して東部にあるこの地域は、安定した土壌で強風や嵐の通過が少ないことから、偶然と幸運が重なって長く生き延びた可能性があるとみられている。

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・環境保全において非常に重要な発見

 イギリスのリーズ大学で熱帯雨林の生態学と保全を教えるティモシー・ベイカー准教授は、この巨大な樹木の発見は、環境保全において重要なものであると述べている。

この木1本で、通常の森林にある小さな木500本分の炭素を貯蔵することが可能です。つまりこの1本が、1ヘクタール(1万平行メートル)分の森林に相当する炭素貯蔵の価値があるということなのです。

 既存のデータ資料によると、ギアナ高地の森林にはアマゾンの森林の中でも最も多くの炭素が蓄積されているという。

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 これら森林の木には、通常1ヘクタールあたり200トン以上の炭素が貯蔵されている。

 今後研究者らが、発見された巨木をマッピングし、世界的な炭素循環における役割を研究することは、環境保全において必要不可欠なことなのだ。

 近年、アマゾンの熱帯雨林は違法な採掘や伐採、農業によって引き起こされる森林破壊と汚染の脅威により、危機状態が続いている。

 観測史上最大規模の森林火災の増加も、環境保存の重要性について注目を高めるひとつとなっている。

人間によって著しく妨げられない限りは、この地域の森林は特に炭素が豊富である可能性はあります。そしてそれは、保全への重要な役割となるのです。(ベイカー准教授)

References:Smithsonianmag.comなど / written by Scarlet / edited by parumo

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