福岡政行氏 がん闘病中に見舞いに来た教え子・中畑清の配慮

10月12日(木)16時0分 NEWSポストセブン

「孫のためにも死ねない」という気持ちが強かったという

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 選挙報道に「選挙予測」という手法を確立した政治学者・福岡政行氏(72)は、2007年8月に大腸がんの宣告を受けた。


「宣告の半年前から便に血が混じっていましたが、“痔かな”と、気にも留めていなかった。心配した妻の勧めで精密検査を受けたら、医師に『大腸がんです。切ります』と告げられ、開腹手術になりました」


 大腸がんで命を落とす人は年間5万人にのぼる。だが福岡氏はショックを受けなかったという。


「私のがんはステージIIIbでかなり深刻な状態でした。しかし妻と医師が示し合わせて、病状を私には伏せていたのです。そのおかげで前向きに手術に臨めた。その1か月前に初孫が生まれたばかり。“孫のためにも死ねない”という気持ちが強かった」


 手術は成功し、大勢が見舞いに来た。そのひとりが駒澤大講師時代の教え子だった野球評論家・中畑清氏だった。


「私が水しか飲めない時に、中畑は病院のルームサービスでビーフシチューを頼んで、目の前でガツガツ食べていた(笑い)。“早くこれくらい元気になれ!”という彼なりの励ましだったようです」


 当時、福岡氏が自分のことより心配していたのは、同時期に肺がんを患っていたジャーナリストの故・筑紫哲也氏だった。


「筑紫さんは早大政治経済学部の先輩で、私の唯一の師匠。筑紫さんに『お前は手術できたからいいね。俺のがんは切れない』と言われたことがあった。そう考えると、私は運が良かったのかもしれません」


 現在、福岡氏は月4〜5本の講演や、客員教授を務める大学での講義など多忙な日々を送る。


「最近のテレビは本質をつかないつまらないコメントを求められるばかりで出る気がしない」とテレビ出演には距離を置いているという。福岡氏は来たる解散総選挙をどう予想するのか。


「私は“ブラック総選挙”と名付けています。安保法制や森友・加計問題など安倍政権は問題だらけですが、小池新党(希望の党)を中心に野党が共闘すれば自公を過半数割れに追い込める可能性がある。選挙後の日本をブラックな国にしてはいけないと思います」


 切れ味鋭い政治批評は健在だ。


●ふくおか・まさゆき/政治学者。1945年東京都生まれ。メディアで選挙予測を行なった先駆者として知られる。白鴎大学などで教授を歴任。近著に『ジリ貧大国ニッポン』(毎日新聞出版刊)。


※週刊ポスト2017年10月13・20日号

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