時間も食費も節約できる料理革命「塩フリージング」の基本

10月12日(土)16時0分 NEWSポストセブン

「塩フリージング」であらゆる食材がを美味しく冷凍保存!

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 実りの秋到来! 旬の魚や野菜をついたくさん買いたくなる季節。そんな時は、「塩フリージング」の出番。冷凍する前に塩を使ってひと手間かけると、あらゆる食材がおいしく長く保存でき、調理が断然ラクになるという。


◆塩で余計な水分を排出してから冷凍する


「そもそも、冷凍保存をすれば食材を長持ちさせられます。しかし、塩ゆでや塩もみをするなど、塩を食材に加えてから冷凍した方が、よりおいしく保存できるんです」と言うのは、塩フリージング考案者の濱田美里さんだ(以下、「」内同)。


 肉や魚、野菜の細胞内に水分が多いと、冷凍した時に氷の結晶となる。この状態で解凍すると、水分とともに旨みや栄養まで流れ出てしまう。しかし、塩で下ごしらえしてから冷凍すると、食材の余分な水分が抜けた状態で冷凍されるので、解凍時に食材が受けるダメージが減り、風味が落ちにくいのだ。


「塩をふって冷凍した鶏肉で作る唐揚げは、ブロイラーでも地鶏みたいに旨みが増し、水っぽさがなくなるんです」


 野菜も冷凍すると繊維が壊れて火の通りが早くなり、味が染みこみやすくなるので、調理の手間が省け、時短になる。さらに、色みやシャキシャキとした食感が損なわれにくいのも特長だ。お買い得な時に食材を大量に買って塩フリージングしておけば、食費の節約にもなる。


◆かさばる食材ほど塩フリージングが便利


 このように、さまざまなメリットがある塩フリージング。具体的にどのように食材に塩を加えたらいいのだろうか。


「基本的に食材の重量に対して1%の塩を使います。少ない塩分でも、冷凍することで食材の内側まで下味がしっかりつくので、調理時に新たに下味を加える必要がなく、無理なく減塩できるのもメリットですね」


 これからの季節は、数種類のきのこを交ぜた「きのこミックス」や、鍋や煮物に活躍する大根を塩フリージングしておくと便利だという。冷蔵庫内で場所を取るきのこや大根も、塩フリージングするとかさが減るからだ。また、にんじん、玉ねぎなどの使い道の多い野菜は、「塩ゆでして加熱してから冷凍」すると煮物に、「塩でもんで生のまま冷凍」すると炒め物や和え物に向き、2通りで保存すると幅広い料理に使える。


◆塩フリージングの基本法4


●塩ゆでする


 ほうれん草などの葉物野菜やれんこんなどの根菜、煮魚にするような魚の切り身は、さっと塩ゆでしてから冷凍保存すると煮物向けの食材として保存できる。枝豆やとうもろこしなど、解凍後に調理せずにそのまま食べるものは、塩気を少し強めにし、食べ頃の硬さになるまでしっかりゆでてから冷凍する。


・適する主な食材

ほうれん草、れんこん、にんじん、大根、ごぼう、いんげん、アスパラガス、かぼちゃ、じゃがいも、きのこ、ブロッコリー、煮魚にする場合の切り身魚など


【1】鍋にたっぷりの水を入れて煮立たせたら、湯量の1%の塩を加える(1リットルの湯の場合、塩は10g)。


【2】食材を少しずつ湯に入れ、10秒ほどさっとゆでたら、穴のあいたお玉で引き上げる。火の通りにくいじゃがいもなどは長めに約30秒ゆでる。


【3】食材をザルに上げて水気を切る。冷めたら冷凍用保存袋に入れ、重ならないように平らに並べる。ストローを入れて空気を抜いてから袋を閉じ、冷凍庫へ。●塩でもむ


 きゅうりやキャベツ、大根など、水分が多く冷凍保存に向かないとされている野菜も、塩を使って余分な水分を抜くことで冷凍保存ができる。炒め物やスープにそのまま入れたり、解凍して和え物やサラダにするのもおすすめだ。ただし、生で食べる場合は2週間以内に使い切ること。


・適する主な食材

きゅうり、にんじん、かぶ、セロリ、玉ねぎ、なす、大根、キャベツ、白菜など


【1】薄切りまたは千切りにした野菜に重量の1%の塩をふる。塩が全体に行き渡るように、やさしく混ぜ、5分ほどおく。


【2】野菜がしんなりして水気が出てきたら、両手で挟んで軽くもみ、水気を絞る。力を入れすぎないようにすること。


【3】きゅうりは1本ずつ、大根やキャベツなどは100gずつなど、使いやすい分量ずつラップに包んでから、冷凍用保存袋に平らにして入れる。ストローを入れ、袋の空気を抜いてから閉じて冷凍庫へ。使いたい分だけ取り出して解凍する。



●塩をふる


 肉や切り身魚はそのまま冷凍すると、たんぱく質や脂質が変質し、風味が落ちやすい。塩をふることで劣化が抑えられ、下味がついて旨みも増す。厚切り肉や脂の多い肉などは、塩分が行き渡りにくいので塩を1.5%程度に。この方法で冷凍保存した肉や魚は焼き、煮込み、揚げ物などさまざまな料理に使える(ただし、切り身を煮魚にする時だけ、塩ゆで処理をする)。


・適する主な食材

鶏肉、豚肉、牛肉、切り身魚(ぶり、鮭など/煮魚以外の調理をする場合)、すりおろした長いも、果肉をペースト状かサイコロ状にしたアボカドなど


【1】食材の重量の1%の塩を全体にまんべんなくふり、約5分おく。薄切り肉やこま切れ肉、ひき肉はバラさずに重ねたまま塩をふる。出てきた水分はキッチンペーパーなどで吸い取る。


【2】薄切り肉やこま切れ肉は、使いやすい分量ずつラップに包んでおく。冷凍用保存袋に重ならないように入れ、塩が食材の表面全体に行き渡るよう、袋の上から軽く押さえてなじませる。ひき肉は冷凍する前に、袋の上から菜箸を押しつけて、使いやすい分量ずつ小分けしておくと解凍時に手で割って使いやすい。


【3】ストローを入れて袋の空気を抜いてから閉じ、冷凍庫へ。



●塩水に漬ける


 丸ごと1尾の魚やいかなどの魚介は新鮮なうちに表面をよく洗い、内臓やうろこ、ゼイゴをつけたまま冷凍保存する。1%の塩水を食材がひたる量用意し、その中に魚介を入れる。内臓を取り除いて塩水につけると水っぽくなるので、下処理された魚の場合は切り身魚と同様、塩をふって保存を。この方法で保存すると2週間は刺し身などの生で食べられる。


・適する主な食材

丸ごと1尾の魚(いわし、あじ、さんまなど)、いか、あさりなどの貝類(砂出しして、殻をこすり洗いしたもの)など


【1】尾頭付きの魚やいかは、内臓やゼイゴ、うろこをつけたまま、表面を洗う。


【2】濃度1%の塩水を作る(500ccの水の場合、塩は5g)。


【3】塩水を冷凍用保存袋に入れ、魚介を入れる。魚介が塩水でひたひたになる状態で平らに置き、ストローを入れて袋の空気を抜いてから閉じ、冷凍庫へ。


イラスト/うえだのぶ


※女性セブン2019年10月24日号

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