【閉店】旨い店はタクシー運転手に訊け! 板橋区・大山の隠れた名店『路三』の絶品「味噌ラーメン」が美味しい理由

2019年10月12日(土)12時0分 食楽web


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【編注】本記事でご紹介した店舗はすでに閉店しています

 地味で目立たない。でも、気になる。そして知れば知るほど “味”がある。こういう面白い人物にときどき出会いますが、飲食店でもそういうお店があります。今回紹介する板橋区大山の『麺屋路三』というラーメン屋さんがまさにそのタイプ。

 大山といえば、『ハッピーロード大山商店街』という東京の中でも活気のある大きな商店街があって、平日休日問わず賑わっています。しかし、その裏通りにあるこのラーメン店は、その喧騒に埋もれているのか、いや、あえて身を潜めているかのようにひっそりとした佇まいなのです。

 ちなみに “ろさん”ではなく、「ロロロ」と読みます。オープンは今から8年前の2011年だそうです。

 友人に「なかなかの名店だよ」と教えられて、初訪問したのは5年前。そのときは、スタンダードに「らーめん」(750円)を注文しました。この出会いは非常に印象的でした。


「らーめん」(750円)

 スープはクリーミーな豚骨スープ。臭みは一切なく、非常にまろやかな味で、中太のムチムチとした麺によく合います。チャーシューもホロホロと柔らかく、友人の言っていたとおり、相当にレベルが高い一杯だと思いました。

 しかし、ふと疑問が湧いたのです。「これ、ひょっとして味噌らーめん?」と。つまり、お店の方が「醤油らーめん」と「味噌らーめん」を間違えたのではないかと思ったんです。なぜなら、深いコクと優しい甘みがあって、醤油のトゲトゲしい感じが全くといっていいほどありません。それが、“味噌”のごとく穏やかな味だったのです。念のためお店の方に聞いてみると、やっぱり醤油ダレを使用した「らーめん」とのこと。

 じゃあ、味噌は一体どんな味なんだ!? と気になりすぎて、後日「味噌らーめん」を食べてみることにしたのです。


「特製味噌らーめん」(950円)

 上の写真を見てもらうとわかるように、味噌らーめんのスープは、非常にクリーミーで、まるでカフェオレのような色。味わいも独特でした。醤油ダレの「らーめん」もまろやかな味でしたが、それよりも格段にまろやかさ度が上なのです。聞けば、「白味噌」を使っているそうです。この味は、最高に私の好みでした。


ニンニクもほどよく効いて美味

「味噌ラーメン」といえば、以前紹介した江戸川区船堀の北海道味噌らーめん『大島』も大好きですが、ここはここで、非常に面白い味なのです。

 そして、醤油と味噌の両方を食べてみてわかったのですが、やはり、ベースとなるスープの煮出し方が個性的なのだということ。ご主人に聞いてみると、謙虚に「豚骨、鶏がら、野菜を使っています」と言葉少なにおっしゃっていました。火加減、時間、などの手のかけ具合なのでしょうか。料理の世界の難しさを改めて感じます。

 最近「つけ麺」を始めたというので、そちらも食べてみたら、これも素晴らしかった。


「特製つけ麺」950円

「つけ麺」は、ベースの豚骨スープに、魚介系のスープを合わせたダブルスープだそうです。煮干しのバランスもよく、エグミもなくて非常に食べやすく、なんども言いますが、やはり、非常にまろやかなのです。

 カウンター8席の小さな空間には、これといった装飾もなく、ご主人も1人で、いつも静かな、大山の隠れた名店。ぜひ行ってみて下さい。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:麺屋路三

住:東京都板橋区大山町15-11 MHKビル1F
TEL:非公開
営:火〜土11:00〜15:00 18〜21:30 日11:15〜15:00
休:月

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。

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