パートタイマーの厚生年金加入はお得?

10月13日(金)11時30分 All About

パートタイマーも条件によっては厚生年金などの社会保険に加入できます。法律上、正社員の約4分の3以上働いていれば「強制的」に加入することになるのです。社会保険料を払うのと扶養の範囲内で働き続けるのとでは、どちらが得でしょうか?

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パートタイマーも厚生年金に加入できるの?

会社の社会保険担当の方からパートさんの社会保険の加入についての質問が来ることがあります。

「パートさんから、社会保険に加入させてほしい、と言われたのですが、どうすれば良いでしょうか?」あるいは、「パートさんに、社会保険の加入手続きをします、と言ったら、入りたくないと言われたのですが、どうすれば良いでしょうか?」

そもそも、「パートタイマーって社会保険の対象だったの?」という疑問を持つ方も少なくないかもしれません。

現在の規定では、パートタイマーであっても、正社員のおおむね4分の3以上勤務している場合は社会保険(厚生年金、健康保険)に加入しなければならないことになっています。例えば正社員の週所定労働時間が40時間ならば、週30時間以上勤務しているパートタイマーは、社会保険に加入することになっています。

2016年10月からは、501名以上の会社に勤務し、勤務年数1年以上のパートタイマーについては月額8万8000円(年間106万円)以上、週20時間以上勤務」で社会保険に加入することになりました。

ここでのポイントは、上記の条件に該当すれば本人の意思は関係く(法律上は)加入させる義務が会社にあります。逆に、上の条件に該当しなければ、いくら本人に加入希望があっても、加入させることはできないということになります。

しかし、現状は先ほどの条件を上回る勤務をしている場合であっても、社会保険に加入していないケースが少なくないようです。その理由は「会社」と「パートタイマー」の双方の事情にあります。

会社がパートタイマーを加入させたくない理由

加入をしていない理由は一体何なのでしょうか。社会保険の加入手続きをするのは会社ですが、会社がパートタイマーを社会保険に加入させなければならないこと自体を知らないというケースもあるかもしれません。

しかし、それ以外の理由で、会社にとってパートを社会保険に加入させにくくする理由があります。従業員を社会保険に加入させると、本人と同額の社会保険料を会社自体が負担しなければならないのです(=労使折半)。たくさんのパートタイマーを雇っている会社はこの負担がかなりの額になります。

また、パートタイマー側でも「入りたくない」と考えている方が少なくありません。

手取りが減るから、夫の扶養に入ったほうが得!?

パートタイマー側についても厚生年金に加入したくないと考えてしまう事情があります。夫が会社員である場合、年収130万円までの妻は「第3号被保険者」となり、国民年金の保険料を払わなくてもいいことになります。しかし厚生年金に加入すると、厚生年金の保険料を支払わなければならなくなるのです。

例えば時給1000円で週30時間(月125時間)勤務すると、1カ月の給料は「1000円×125時間=12万5000円」です。この給料に対する厚生年金の保険料は1万1529円(平成29年9月〜)です。

この保険料が高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれだとは思いますが、いずれにしても手取りが減ってしまうのは事実です。また、社会保険に加入することで厚生年金に加え健康保険料、介護保険料(40歳から65歳まで)が天引きされてしまうので、手取りは大きく減ってしまいます。

一方、会社員、公務員の被扶養配偶者(第3号被保険者)ならば、厚生年金はありませんが、保険料を払う必要がないわけで、手取りが多くなります。「将来の年金よりも、今の手取り」と考える方も少なくないのでしょう。

国民年金を払っている人にとっては「お得」!

しかし、独身の方や、夫が自営業者である方のように、今国民年金の保険料を払っている人にとっては、厚生年金加入は「お得」だといえます。現在の国民年金の保険料は1カ月1万6490円(平成29年度)です。

厚生年金の保険料を支払うことで、国民年金も払ったことになりますので、先ほどの厚生年金の保険料1万1529円と比べるとどちらがお得かは「一目瞭然」ですよね。

なぜ、こんなにも厚生年金の保険料が割安なのかと驚くでしょうが、これは既に説明したとおり、会社が同額の保険料を負担しているお陰でもあります。「割安の影に、会社の負担あり」ということですね。

法律の観点で言えば、社会保険加入に損得を論じるのは間違いです。ただ、社会保険に入ることで、老後の年金が増えるメリットがあるだけでなく、今より保険料負担が少なくなることもあることも知っておきたいところです。
(文:和田 雅彦)

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