病院で自分の痛みを的確に伝えられていますか?

10月13日(金)12時0分 ビーカイブ

自分の痛みは本人にしかわからないものです。どのように痛みを具体的に表現し伝えるのか、その伝え方ひとつで診断の助けになり、適切な検査も行うことができます。ここでは、病院にいった際に是非使っていただきたい的確な痛みの伝え方をご紹介します。





自分の痛みをうまく伝えるには


痛みについて具体的に伝えてもらうと診断の助けになります。
参考になるのは「どこが痛いか」「いつから痛みを感じるようになったか」「どんな痛みか(痛みの性質)」「痛みはどれくらいの強さか」「どんなときに痛みを感じるか」「痛みは1日中続くのか、一時的なものか」「どんな経過か(悪化している、ずっと同じ状態、少し軽くなっているなど)」「痛みが増減する要因があるか」「日常生活への影響はあるか」といった項目です。


痛みが増減する要因、あるいは、やわらげる行動があるか


「痛みが増減する要因があるか」というのは、「座っていると痛みが増す/なくなる」というような、痛みを強くする、あるいは、やわらげる行動があるかどうかということです。具体的な例としては、次のようなものがあります。
痛みが増減する要因としては、「夜になると」「体を動かすと」「食事をすると」「じっと立つと」「座ると」「不安を感じると」「安静にしていると」「温めると」「冷やすと」「マッサージすると」などです。


「痛みの性質」はオノマトペでわかります


「どんな痛みか」を患者さんから聞くのに、「鈍い」「鋭い」「重い」といった表現のほか、「ヒリヒリ」「ジンジン」「ズキズキ」といったオノマトペ(擬音語)もとても参考になります。「ヒリヒリする」「ピリピリする」といった場合は、皮膚の表面の痛みが想像されます。一方、「ジンジンする」「ビリビリする」といった場合は、もう少し奥のほうの痛みが想像できます。


足の痛みでは……


足の痛みでは、「ガンと痛む」「ビリッと痛みが走る」という、衝撃の強い、激しいイメージの表現のときは、椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛が疑われます。一方、「歩いていると足がパンパンに張ってくる」「立っているとジンジンしてくる」といった表現のときは、脊柱管狭窄症が頭にうかびます。


片頭痛の痛みでは……


片頭痛の痛みでは、「ガンガン」「ゴンゴン」「ドクドク」「ズキズキ」「ズキンズキン」などリズミカルで拍動をイメージする表現が使われます。「ガンガン」は金槌で叩かれているような激しいイメージがあります。痛みが軽いときは、「ツンツン」「トントン」など、濁音ではない清音の表現になることが多いようです。


痛みの多くの情報で治療の計画が立てやすくなる


オノマトペ以外にも、「ナイフで切られるような」「雷が落ちたような」「金属の輪で締めつけられるような」「剣山でたたかれるような」といった表現をされることもあります。
診断を確定させるには、MRIなどの検査が必要です。ですが、患者さんから痛みについてたくさんの情報をもらうことができると、ある程度の病名を想定することができます。そうすることで、そのあとの検査や治療の計画が立てやすくなるのです。


自分が感じたまま、率直に伝えれば大丈夫


とはいえ、「そんなにたくさんの項目を、診療のときにうまく説明できそうもない」などと不安に感じたりしないでください。すべてを自分の言葉でうまく表現できなかったとしても心配する必要はありません。私たち医師は、問診票を参考に、痛みの原因の候補を考えて、必要な項目についてこちらから質問していきます。その質問に、自分が感じたまま、率直に答えてもらえば大丈夫です。


痛みの強さをはかる「ものさし」もあります


患者さんの感じている痛みの強さを知るために、スケール(ものさし)を使うこともあります。代表的な4つのスケール「NRS」、「VAS」、「VRS」、「フェイススケール」を詳しく説明していきます。


「NRS(Numerical Rating Scale)」と呼ばれるスケールとは


「NRS(Numerical Rating Scale)」と呼ばれるスケールは、痛みを「0:まったく痛みがない」から「10:今までで一番強い痛み」として、自分の痛みが0〜10のどの程度かを答えてもらうものです。


「VAS」と呼ばれるスケールとは


「VAS(Visual Analogue Scale)」と呼ばれるスケールは、100ミリメートルの線を引き、その左端を「まったく痛みがない」、右端を「これ以上の強い痛みは考えられない、または最悪の痛み」とします。その上に線を引いてもらって、痛みの強さを表現してもらいます。


「VRS」と呼ばれるスケールとは


「VRS(Verbal Rating Scale)」と呼ばれるスケールは、「0:まったく痛みがない」「2:痛い」「4:耐えられないくらい痛い」など、痛みをいくつかの段階に分け、言葉で表現したものです。自分の痛みがどの段階に近いかを選んでもらいます。


「フェイススケール」と呼ばれるスケールとは


「フェイススケール」と呼ばれるスケールは、「笑顔」から「痛みで苦しんでいる表情」まで6つの段階に分けた表情のイラストが描かれたものです。イラストのうち自分の痛みの感じ方にもっともあてはまる表情を選んでもらいます。治療の現場でよく使われているのはNRSとVASです。フェイススケールは、顔の表情で程度があらわされているので、痛みを表現するのが難しい患者さんや子どもの患者さんにも用いることができます。


まとめ


いかがでしたか?
ここでは、誰にもわからない自分の痛みを、「ジンジン」「ズキズキ」といったオノマトペ(擬音語)なども使い、的確に伝えることが大切というお話でした。そして、痛みの程度を表現する4つのスケールもご紹介いたしました。病院に行かれた際は是非活用してみてください。
参考になりましたか?


参考書籍:河手眞理子著『「痛みの名医」が教える 体の痛みがスッキリ消える』(二見書房)


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