柔らかいモノ、透明なモノ、全部「木」で表現します 人気「木彫りアーティスト」の作品を間近で見たら...やっぱり鳥肌モノだった
2023年10月14日(土)8時0分 Jタウンネット
突然だが、みなさんに見て頂きたいものがある。

何の変哲もない味付け海苔である。
朝ごはんのお供になりそうな一品だが、実際には食べることはできない。
なぜかって? 味付け海苔から袋まで、すべてが「木」で出来ているからだ!

ホンモノにしかみえない「木彫りの食べ物」は海苔だけではない。ショーケースの中に並ぶすべてが、木製だ。
2023年10月12日、Jタウンネット記者が訪れたのは大丸東京店(千代田区)。11階の催事場でSNSで注目を浴びるアーティスト・キボリノコンノ(@kibori_no_konno)の作品展「キボリノコンノ展」がこの日、スタートした。
「あっと驚くもの」をテーマに
キボリノコンノさんは静岡県在住の木彫りアーティスト。
作品集「キボリアル」(8月25日発売)や絵本「何ができる?」(9月23日発売)の出版を記念して、「キボリノコンノ展」は開催された。食べ物や生活雑貨などのリアルな木彫り約80点が集結している。

Jタウンネットではこれまでにもキボリノコンノさんの作品を紹介してきたが、実物を見るのは初めて。間近で見ても、やっぱり質感まで本物そっくり。記者は、ただただ圧倒された。

「どんな作品を作ったら、より楽しんでもらえるか、それを考えながら『あっと驚くもの』をテーマに作品を作っています」
作品展に在廊していたキボリノコンノさんは、記者にそう語った。

キボリノコンノさんは子供の頃から木が好きで、小学校の自由研究で飛行機を作ったときに、加工する楽しさを知った。
初めて木彫りをしたのは、2021年の秋。コロナ禍で自宅でできる趣味を探す中、ふとコーヒー豆の質感が木の質感に似ていると思い、木で彫ってみたのがきっかけだった。

作品作りの際に一番大事にしているのは、やわらかさや色味、形などをよく観察すること。モチーフによって質感が異なるため、木材の選び方からこだわり、ホンモノと同じ触り心地になるように心がけている。


どんな人にも楽しんでもらえるように、だれもが知っている食べ物や日用雑貨を作品のモチーフに選ぶ。食べ物が大好きで食へのこだわりも強いため、おいしさを木彫りで表現したいという想いもあるそうだ。

「おいしそう、においがしそう、やわらかそう、堅そう、さくさくしてそうというのを木で表現できてしまうというのがすごく面白くて。見てくれる人が驚いてくれるというのがうれしくて、そこがハマっているところです」(キボリノコンノさん)

目標は全国47都道府県をまわって展示会を行い、活躍の場を世界へと広げること。今後の作品作りについては、こう語る。
「木という固くて色のあるものだったのが、透明だったり柔らかそうに見えたりしてしまう。
固定概念をどこまで崩せるかというのを自分も表現したいと思っていますし、そこを楽しんでもらいたいなと思っています」
その目で見て、その手で触れれば驚くこと間違いなしだ。
キボリノコンノ展
会場:大丸東京店 11階催事場
会期:23年10月12日〜24日、10時〜19時30分(最終日は17時30分まで)
入場料:800円(小中高生600円)