「実家のような安心感」「胸がキュッとなる」 上京者を切なくさせる「コイン精米機型ライト」に大反響
2022年10月15日(土)17時0分 Jタウンネット
「田舎の夜」を家の中で感じられる照明を作った——そんな投稿がツイッター上で注目を集めている。
一体どんな照明なのかというと......。
コイン精米機である。
自動ドアには「営業中」や「残米ゼロ」などのシールが張られており、店内にはお米投入口やコース案内まで備え付けられ本物そっくり。
暗い部屋で隣の植木鉢を照らす様子は、田舎の暗い夜の中で煌々と輝くあの独特の存在感を、見事に再現している。
2022年10月9日、この作品の写真を投稿したのはツイッターユーザーのなるみ(@nal_333)さん。
一体なぜコイン精米機を題材に選んだのだろう。Jタウンネット記者は11日、投稿者のなるみさんに話を聞いた。
田舎を田舎たらしめているのは...
なるみさんは社会人1年目の会社員。就職のために京都から東京に引っ越し、半年が経過したところだ。
そんななるみさんは9日、自宅で半日ほどかけてコイン精米機型照明を制作。その理由をこう語る。
「地元にはコンビニと同じレベルで精米機が設置されていたのですが、東京に来てから一度も見たことがなかったので、コイン精米機こそが田舎を田舎たらしめている存在なんじゃないかと思い、制作しました」
参考にしたのはなるみさんにとって最もなじみのある井関農機(本社:愛媛県)のコイン精米機。プラ板で建物を作り、中にLEDを取り付けた。また実際にポツンと立っている時の可愛さや哀愁を表現できるように、ある程度デフォルメをしながらもなるべくリアルに作ることにこだわったという。
あまりのクオリティの高さになるみさんのツイートはで2万6000件以上のリツイート、15万8000件を超えるいいね(10月13日夜時点)を集めるなど大きな反響を呼び、
「あかん、胸が締め付けられる... 懐かしい、懐かしいんだ...」
「見てると本当に胸がキュッとなる...」
「独り暮らしの部屋でこんなん灯ってたら泣いちゃう自信ある」
「実家のような安心感」
と多くのユーザーの郷愁を誘った。
このことについてなるみさんは、次のようにコメントしている。
「自分以外もコイン精米機に可愛さや情緒のようなものを感じているんだとわかって嬉しくなりました。『地元に帰りたくなってきた...辛い...』とメンタルにダメージをくらっている方がいて、申し訳ないことをしたなと思いました」
なるみさんもその後、自分でこの照明を使用し、「思っていたよりも哀愁の漂う佇まいで、余計に故郷が恋しくなりました」と同じようにダメージを受けているようだった。
ちなみに、井関農機のウェブサイトでは全国にある同社のコイン精米機の位置がわかる。東京都には練馬区(1台)・町田市(2台)・昭島市(2台)に計5台のみ設置されている。