絶対旨い! テレビ局の現役ディレクターが太鼓判を押す「本当に美味しいロケ弁」とは?

2022年10月16日(日)10時47分 食楽web


『鳥久』の特製弁当(800円) | 食楽web

テレビや映画などの撮影現場の仕事は多岐に渡りますが、特にADさんにとって重要な仕事の一つが“ロケ弁の手配”。「ロケ弁のセンスが良いと、現場の空気がガラッと変わり、みんなのモチベーションがグンと上がるので、かなり大事な仕事です」と話すのは、朝の某ニュース番組のグルメ情報を担当するディレクター・大橋美鈴さん(仮名)。

彼女はAD時代、プロデューサーや現場スタッフたちから「お弁当担当大臣」と命名されていたほどのロケ弁選びの達人。そこで今回は、AD時代からトータルで10年以上、朝の番組を担当した大橋さんがオススメする絶対ハズさない絶品ロケ弁を語ってもらいます(以下、大橋さん談)。


テレビ局の番組制作にロケ弁は欠かせない(画像はイメージ)

 私たちのような朝の番組を担当するスタッフは「前日から翌朝(オンエア当日)まで徹夜する」のが普通です。ロケ弁が出るのは、そんな泊まりの夜。ここ一番「えいやーっ!」と力を出したい時にエネルギーチャージ&テンションを上げるための必須アイテムこそがロケ弁。本当にめちゃくちゃ重要なんですよ。だからロケ弁を選ぶADさんたちも必死なんです。

 ただし、ロケ弁選びには非常に高い制約があります。ぶっちゃけ、高くて美味しいロケ弁なんて、実はいくらでもあるんですが、高いのはダメです。少ない予算内に収まりつつ、上司のご機嫌取りができること。これ、最重要課題です。だからまず、この2つの要素を満たすロケ弁を知っておく必要があるんです。

 そのうえで、「安くて美味しい」は当たり前。さらに男性スタッフが多い職場なので「ボリューム」が求められ、泊まり勤務が多いから「飽きが来ない工夫」も必要。つまりこれらの条件をすべて満たすロケ弁を、いくつもジャンル別に把握しておくのがポイントになってきます。

 まずは、スタッフ間で奪い合いになるほど人気の『鳥久』からご紹介していきましょう。

大田区・蒲田の『鳥久』の弁当


東京大田区・蒲田の『鳥久 本店』

 スタッフがみんな知っていて、取り合いになるほど人気の弁当屋が『鳥久』。ここは何よりボリューミーなのに、安定した安さで、ADの強い味方です。

 有名なのは「特製弁当」(800円)。焼き鳥、からあげ、チキンカツ、鶏団子(つくね)、かまぼこ、じゃがいもの煮物が入ったボリューム満点のお弁当です。


『鳥久』自慢の鶏料理づくしが特製弁当です

 とくに鳥久のからあげは戦前から続く名物で、1個がとても大きく、さらに周りに白いカラッとした衣が付いているのが特徴。カリッと香ばしく、中はしっとり柔らかい。お弁当なので冷えているにも関わらず、ものすごくジューシー。スゴくないですか?


『鳥久』名物のからあげ

 さらに、焼き鳥や肉団子はやや濃い目の味つけで白いご飯が進みまくります。さらに、そのご飯もツヤツヤでみずみずしく、おかずを食べ終わって、梅干しや塩昆布だけで食べてもめちゃくちゃ美味しい。パーフェクトですね。

 この特製弁当は間違いなく美味しいのですが、実はあまり知られていないのが、鮭がドーンとのった「鮭弁当」(900円)や、大ぶりの鶏もも肉4枚を使った「きじ焼き弁当」(800円)。これらもとっても美味しいです。ただ、あまりに人気すぎて、店頭ではなかなか買えないかもしれませんね。


午前中に本店に行っても「売り切れました」の札がありました

 ここの「きじ焼き弁当」を初めて食べたプロデューサーは、「おぉ! これウマイなぁ!」と歓声を上げたほど。心の中で「やった!」とガッツポーズしたくなった瞬間です。そして、この「きじ焼き弁当」は一時期、番組内で大流行しました。

ご飯の上は一面の肉! テンション爆上がりの『焼肉屋さんのお弁当』


「炭火焼き肉盛り合わせ重」832円

 美味しい焼肉弁当といえば、『叙々苑』のお弁当が有名ですが、正直言って高いんです。でも、体力勝負の我々は、やっぱりガッツリ焼肉弁当が食べたい…。そんな矛盾に悶々としていたAD時代に発見した店が千駄木の『焼肉屋さんのお弁当』です。何と言っても、安いのにボリューミーな焼肉弁当を選択できるのが素晴らしい!


「焼肉屋さんのお弁当 千駄木店」

 AD的にここの焼肉弁当を選ぶポイントは、ご飯の上に肉が敷き詰められたパターンのお弁当を選ぶことです。なぜならそのビジュアルだけで、みんなのテンションが爆上がりするから(笑)。しかも肉の種類も豚しゃぶ、カルビ、サムギョプサルなどがのっていて多彩。ちなみに、その3種類が全部のった「炭火焼き肉盛り合わせ重」も832円とリーズナブル。お肉は柔らかく、噛めば噛むほど旨味があふれてきます。タレの味わいも含めて、文句なしに美味しいです。


店内にズラリと並ぶ焼肉弁当

 また、肉以外にもいろいろ食べたいときは、おかずがたくさん入ったお弁当もオススメです。例えば「炭火カルビ焼き弁当」950円なら、ご飯の上に香ばしいカルビがたっぷりのっているのに加え、さらにチヂミやチャプチェ、ナムルなどの韓国料理のおかずがてんこ盛り。


「炭火カルビ焼き弁当」950円

 付け合わせのキムチもとっても美味しくて、肉と米とキムチを一緒にパクッと食べるのが最高です。そうそう、このお店もちゃ〜んとご飯が美味しいんですよ! しかもこのボリュームで950円って、最高すぎます。


店内の壁には、ドラマなどの撮影現場にロケ弁を収めた際の熨斗が記念に貼られています

 このお弁当屋さんのファンはとても多くて、ドラマのクランクインやクランクアップなどの際にもかなり活用されています。ちなみにうちのプロデューサーは「1000円以下でこのボリュームなら、叙々苑よりこっちのほうが良いじゃん」と言っていたくらいです。

まだまだある! 本当に美味しいロケ弁


有名なお弁当屋さんでも知られざる隠れた優秀メニューがあったりするのでリサーチは欠かせない

 ロケ弁のカレーといえば、よく芸能人が絶賛する『オーベルジーヌ』が有名ですが、私は「カレーはオーベルだけじゃない!」と強く言いたい! イチオシは『ロコモーション』(世田谷区桜)。ここはカレーの種類が多く、トッピングも柔軟に対応してくれるので幾通りにもオーダーできるのでADにとっては腕の見せどころ。

 ここではドライカレーを選ぶと、おかずスペースにドーンとハンバーグや焼き魚などが盛り付けられるのが最高。とにかく種類が多いので、選ぶときにかなり悩むのが難点と言えば難点ですが、スタッフがお弁当を開けて笑顔になってくれた時の、「やった!」感がADの喜びでもあるのです。

 ちなみに、最近「ロケ弁も進化してるわ…」って思ってしまうほどオシャンティーで美味しいと思ったのが『祐天寺食堂GIGI』(祐天寺)。オシャレでありつつ、男性ウケも良いのがポイント。ヴィーガン対応もしてくれます! うまく言えないんですが、「ロケ弁としてじゃなく店で食べたらもっとウマいんだろうな…」って思うクオリティの高さです。

 そのほか、ディレクターになって出合った美味しいお弁当は『手羽から てとて』(代沢)。手羽からとちりめん山椒のご飯が最高に美味しい。ホッコリする珍しい癒し系のお弁当で、思わずこれを選んだADさんに「また来週もここの弁当が食べたい!」ってお願いしたほど。これは自分がAD時代に感じていたことですが、最高の褒め言葉なんですよ。

 このほか、「のり弁」で有名な『津多屋』(上石神井)さんにも「季節のお弁当」があったり、とり飯が美味しい『えびす屋』(日本橋)は実はカレーが美味しかったり、有名店でもあまり知られていない隠れメニューもあったりします。

 ホームパーティーなど、大人数でお弁当を注文するときに、お弁当はやっぱり最高。ぜひ参考にしてみてくださいね。

(取材協力◎大橋美鈴 撮影・文◎土原亜子)

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