腰、膝、肩……関節に効く筋肉ストレッチ

10月17日(土)8時0分 婦人公論.jp


イラスト:おおの麻里

年齢を重ねるにつれ、悩まされることが増える関節の痛み。痛みを起こす引き金のひとつに、関節周りの筋肉のこわばりがあるそうです。筋肉をやわらげるストレッチを習慣にして、いつまでも自由に動ける体を手に入れましょう(イラスト=おおの麻里 取材・文=鈴木裕子 構成=渡部真里代)

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長年の習慣で身についた《悪い姿勢》が関節の痛みを引き起こす


取れないその痛み、別の場所に原因があることも

40代に入ったころから感じ始める、腰や肩、膝の痛み。マッサージや鍼灸などの施術を受ければ一時的にやわらぐものの、しばらくするとぶり返してしまう、という人も少なくありません。そんな症状の緩和に筋肉のストレッチを推奨しているのが、整体院「和-KAZU-」院長の迫田和也先生です。

「私のところに来る患者さんの多くは、病院で椎間板ヘルニアや変形性膝関節症などと診断され、腰や膝の痛みに長年悩まされています。そんな患者さんに特定の筋肉をほぐすストレッチを行ってもらうと、リウマチなどを除いたほとんどのケースで、痛みの緩和が見られるのです。私は、痛みを感じている場所とは別の部位に原因がある、と考えます。腰痛なら骨盤や股関節周りの筋肉が、肩こりなら肩甲骨や胸の筋肉が凝り固まることで、痛みが引き起こされているのです」(迫田先生。以下同)

では、なぜ筋肉のこわばりが関節の痛みにつながるのでしょうか。

「人間の体には、大きく動く関節と、それほど動かない関節があります。首の骨(頸椎)や腰の骨(腰椎)などは可動域が狭いため、連結する肩甲骨や胸椎、骨盤や股関節といった可動域の広い関節が、その動きをカバーしているのです。ところが、肩甲骨や骨盤を動かす筋肉が何らかの理由で凝り固まってしまうと、本来の大きな動きができなくなる。すると、連結する可動域の狭い頸椎や腰椎が必要以上に大きな動きを強いられることになり、負荷が蓄積され、痛みが発生してしまうのです」

腰痛の場合は、骨盤が前方向に傾いた状態のまま、周りの筋肉が固まってしまうことが多いそう。その状態で上体を起こすと、動かない骨盤の代わりに腰椎を過度に動かすことになるため、腰が痛みます。

「膝の痛みも、骨盤のゆがみから起こるのです。骨盤が前後左右に傾いていると全身のバランスが崩れてしまい、脚のつけ根から膝まである大腿骨と、膝の皿である膝蓋骨が内側に入ってしまう。その状態で膝の曲げ伸ばしを続けると、ねじれの動きに弱い膝関節に負荷がかかり、痛みが生じます。また、足首の動きが鈍い場合も、足首の代わりに膝が必要以上に動かされるため、膝の痛みにつながるのです」

こわばった筋肉をゆるめて、《正しい姿勢》をキープ


関節を動かす筋肉が凝り固まってしまう大きな要因は、《悪い姿勢》だと迫田先生は言います。

「猫背や脚組みなどの習慣化により、骨盤がゆがんだり、肩甲骨が外側に開いたままになったりするため、結果的に連結する関節に負担がかかってしまうのです。筋肉は、負荷のかかる場所を守ろうとして緊張するようにできています。ですから、関節痛を根本から解消するには、人間本来の正しい姿勢を取り戻すことが重要になるのです」

正しい姿勢とは、「骨盤をまっすぐ立て、胸を開き、膝は前を向き、つま先は外を向いている」状態。(下図参照)

「悪い姿勢は、長年の習慣からつくられるもの。改善するのは右利きの人を左利きにするぐらい難しいと言われています。そこでおすすめなのが、筋肉のこわばりをゆるめ、骨盤や肩甲骨、膝を正常な位置に戻すストレッチです。日常生活で正しい姿勢を意識しながら、継続的にストレッチを行うことで、今ある関節痛の解消が期待できるだけでなく、姿勢の改善や、関節痛の予防にもつながるでしょう」

次ページから、ストレッチの具体的な方法を紹介します。なお、ストレッチを行っても痛みが取れない、ひどくなってしまったという場合は、整形外科などしかるべき医療機関を受診してください。

骨盤、肩甲骨、膝は正しい位置にありますか?


30秒ストレッチで痛みを解消しよう


骨盤・肩甲骨周りの筋肉をほぐして関節痛を遠ざけ、正しい姿勢も手に入れましょう

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理想は1時間に1回30秒日課として行うことが大切

腰・肩・膝など関節の痛みを解消するストレッチはそれぞれいくつかありますが、今回は「まずは、ここから」という基本のものを紹介します。

「私が考案したこれらのストレッチは、痛みの出ている部位ではなく、患部に関連した部位に本来の動きを取り戻させるためのものです。複数の関節を同時に伸ばすストレッチなので、1回につき30秒という短い時間でも効果が期待できます。それぞれ、1時間に1回程度行うのが理想ですが、難しければ朝昼晩だけでもかまいません」(迫田先生。以下同)

ストレッチの効果を高めるポイントは、次の3つです。

 (1) 順序(順番どおりに行う)
 (2) 呼吸(「吐く」ことを意識する)
 (3) タイミング(風呂上がりなど、体が温まっているときがベター)

「すでに腰や肩に痛みがある人は、体が硬くなっているので、無理にストレッチを行うと痛みが伴う可能性があります。初めのうちは、お手本(イラスト)と同じ体勢をとるのが難しいかもしれませんが、『イタ気持ちいい』くらいの力加減を目安に行ってください。大切なのは、伸ばしたい箇所をきちんと伸ばすことと、毎日続けることです。まずは2週間、継続してみましょう」

【腰】の30秒ストレッチ


腰だけでなく、肩や膝の痛みも「骨盤の前傾」が大きな原因です。骨盤の前方にある大腿四頭筋(骨盤から膝にかけての筋肉)をゆるめることから始めましょう

(1) ソファなど横幅のある椅子に座る。頭が上に引っ張られるイメージで背筋をまっすぐに伸ばし、右足を椅子の上に置く。このとき、右足のつま先が外に向いていることを確認する

(2) 次に、両手を後ろにつきゆっくりと体を後ろに倒す。同時に、右膝をぐーっと下方向に伸ばし、大腿四頭筋が伸びているのを意識しながら30秒間キープ。同様に、左足も行う

【肩】の30秒ストレッチ


肩、そして首の痛みと凝りを改善するために、腋の下の筋肉のこわばりをゆるめていきます。壁さえあれば、どこでも行えるストレッチです

壁から一歩下がって右手を上げ、小指側を壁につき、肘を伸ばしたままゆっくりお尻を後ろに突き出す。腋の下の筋肉の伸びを意識しながら、顔を右側に向け30秒間キープ。反対側も同様に

(1) 壁から半歩下がって立つ。右手の肘を伸ばし、小指側を耳の高さで壁につける。左手は壁につける。右肩を押しつけるように、上半身をゆっくり壁に近づける。胸の筋肉が伸びていることを意識する

(2) 右肩が壁に近づいた状態から、さらに体を左にひねり、30秒間キープ。ポイントは、右手を上げすぎないことと肘を曲げないこと、肩が壁から離れすぎないこと。反対側も同様に

【膝】の30秒ストレッチ


膝の痛みの解決策には2段階あります。まずは、骨盤の前傾を正すために、腰のストレッチ(3ページ参照)を行いましょう。その上で、足首の動きの悪さを改善するため、すねの外側の筋肉をゆるめるストレッチを行います

(1) 壁から一歩半下がって立つ。左脚を後ろに引いて、体を前に倒して両肘を壁につける。右膝の皿をやや外側に向けるように意識して、30秒間キープ。反対側も同様に

(2) 体がつらくない人は、(1)の状態からお尻を右にずらし、右足の裏の内側が少し地面から浮く程度に、右膝の皿を最大限に外側にねじる。両手の位置をイラストのように移動し、体を左側にひねる

(3) 両膝が伸びた状態のまま、左手を床につける。つかない場合は、台を置いて手をついてもいい。この状態を30秒間キープ。反対側も同様に

婦人公論.jp

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