消えたミドルトン探検隊が残した「奇妙な写真群」の謎 幻の古代都市を発見か?

2022年10月19日(水)14時0分 tocana

 19世紀後半に活動していたイギリスの探検家、アルフレッド・アイザック・ミドルトンの謎に注目が集まっている。ミドルトンは19世紀の終わりにスマトラ島のジャングルにあると噂されていた失われた古代都市を探しに出たまま帰らぬ人となったのだが、探索中に彼が撮影したと思われる驚異的な写真の数々が見つかったのだ——。


■失われた都市を発見すべくスマトラ島を探検

 ビクトリア朝時代、野心的なイギリスの探検家の間でスマトラ島のジャングルは魅力的な冒険の地であった。今日においてもその全貌は把握されていないこの地には当時、かつて栄え今は廃墟となった失われた都市「ダウリートゥー(Dawleetoo)」があり、その遺構には数々の秘宝が眠っていると噂されていた。


 この時代の探検家の1人、アルフレッド・アイザック・ミドルトンは東南アジア、アフリカ、アマゾンの熱帯雨林などの未開拓の地を訪れ、数々の驚くべき発見をものにしていた。そして19世紀の終わりになってミドルトンは失われた都市・ダウリートゥーを求めてスマトラ島のジャングルに足を踏み入れたのだ。


『The Lost Casket of Dawleetoo(直訳:ダウリートゥーの失われた宝箱)』 (1881) という著作ではミドルトン一行の探索が次のように描写されている。


「ミッションではおそらくダウリートゥーという名前の都市をジャングルで見つけました。ミドルトンによると、湖まで続く黄金の都市と、アトランティスと呼ばれる失われた大陸から来た女性の金の像が描かれた地図がありました」(同書より)


 推定される場所の近くには湖があったとされ、ダウリートゥーは湖畔に広がる黄金の都市であったという。同書の話が本当であればまさに世紀の発見があったということになるが、残念なことにそこでミドルトンの消息は途絶えることになる。


「教会のアーカイブで見つかった手紙によると、ミドルトンはジャングルで迷子になり、金と彫像を狙った男たちのグループに捕らえられました。ミドルトンはどうやら捕われの身で亡くなったようです」(同書より)


 さまざまな推測が語られているが結局のところ、ミドルトンの遠征の結末がどうなったかは確かなことは何もわからないようだ。


■見つかった驚くべき写真の数々

 だが、その後、ミドルトンのスマトラ島探検の謎に新たな動きがあった。


 雑誌「スミソニアン」のレポートによると、『シャーロック・ホームズ』シリーズの著者として知られるアーサー・コナン・ドイルの元アシスタントが、アルフレッド・アイザック・ミドルトンに関する文書のコレクションを所有していたというのである。そこには文書のほかに多くの写真も含まれていた。



 一説によるとミドルトンの探検隊はジャングルで迷った最中に、手に入れた財宝や記録文書、写真のフィルムなどを箱に収めて地中に埋めたといわれている。身軽になった一行が生還した暁に、再びこの財宝が入った箱を取戻しに行くことを考えたというのだ。


 財宝を埋めた場所を正確に知っている者は当然いないのだが、探検隊の副長であったジョン・ハーグリーブスという男が別のチームを率いて再びジャングルに入り財宝を回収しに向かったともいわれている。とすれば、コナン・ドイルの元アシスタントが持っているのは、その回収された箱の中に入っていたものの一部なのだろうか。


 そして何よりも驚かされるのはその写真である。確かにどこの文明のものとも思えない大きく奇妙な建物や彫像のようなものが写っており、小さな山の側面を削り取って作ったような大きな円錐形の建造物もある。また、まるで宇宙飛行士のようなヘルメットを被った人物の彫像などにも驚かされる。この写真は伝説の失われた都市・ダウリートゥーで撮影されたものなのだろうか。そしてこれらの写真は地球上の古代文明にエイリアンが関与していたという“古代宇宙飛行士説”を裏付ける資料になるのだろうか。


 一部の主流の歴史家は、アルフレッド・アイザック・ミドルトンの話は単なる流言であり、ダウリートゥーは存在しないと主張しているが、ミドルトンのスマトラ島への遠征自体は本当のことであったことは多くが認めている。


 ミドルトンは本当に道に迷って行方不明となったのか、それとも戻る必要のない世界に足を踏み入れたのだろうか。そしてダウリートゥーの遺跡は今も存在しているのか。多くの謎に包まれたミドルトンのスマトラ島探検に今後新たな光が当たることがあるのか一縷の望みに期待したい。


参考:「Mysteries Unsolved」、ほか

tocana

「都市」をもっと詳しく

「都市」のニュース

「都市」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ