「夫の不倫相手はAIでした」バーチャルとリアル、許せないのはどっち?

2024年10月21日(月)11時30分 大手小町(読売新聞)

読売新聞の掲示板サイト「発言小町」が2024年10月、開設25周年を迎えました。家族やパートナーには明かせない秘密、職場では口にできない不平、日々の何げない疑問など、寄せられたトピックに対して活発な意見交換が行われています。四半世紀の間に積もりつもった女性の不満や悩みについて、タレントの藤本美貴さん、家族法学者の山口真由さん、社会学者の山田昌弘さんの3人が語り合いました。

——藤本さんは自身のYouTubeチャンネル「ハロー!ミキティ」でお悩み相談をされています。

藤本 10代のかわいい恋愛の相談から不倫の当事者まで、内容はいろいろです。奥さんが不倫してしまったけど、仲直りしてがんばりたいという男性もいました。仕事で悩んでいる人もいれば、お嫁さんとの関係がこじれているおじいちゃん、おばあちゃんもいます。

発言小町のマスコットくらげっとを手に記念撮影。(右から)山口真由さん、藤本美貴さん、山田昌弘さん(読売新聞東京本社で)

山田 不倫の相談は、家族や友だちにはしづらいですからね。以前、中高年男性を1時間1000円からレンタルできるサービス「おっさんレンタル」を運営している人(西本貴信さん)にインタビューをしたことがあるんですが、「不倫の悩みを聞いてほしい」「男性の立場からの意見を聞きたい」という女性の依頼が多いそうです。口にできない悩みを関係のない誰かに聞いてもらいたい、というニーズがあるのでしょう。

山口 自分のコアな部分を明かし、共感を得たり、親身にアドバイスされたりしているトピック(トピ)がありますよね。投稿したトピ主がこまめに経過を伝え、お礼を言っていると、ユーザーが応援し始める。そういう、顔の見えないネットだからこそのコミュニケーションや距離感がおもしろいですね。

——知らない人の方が本音を打ち明けやすい、というのはあるんでしょうね。藤本さんが回答する時に心がけていることは。

藤本 あえて、寄り添わないようにしようと思っています。「大変だよね〜」って寄り添っているだけでは、前に進めないので。「つらいけど、こういう考え方もある」「こんな方法もあるよね」って話してみるんです。「人はこう見ているかもしれないよね」とか。悩んでいると、どうしても視野が狭くなってしまいがちなので、新しい視点を提案できたらいいな、と。

——お悩み相談を始めたきっかけは?

藤本 それが発言小町です。「近所の家が外壁を黄色にして、照り返しがひどい」という内容の投稿があって、「そんなこと、あるの?」ってびっくりして。まずは、発言小町に寄せられた悩みを私なりに解決するなら……というところから始まって、YouTubeチャンネルを見てくださる方々に悩みを募集するようになりました。

同じようなことで悩んでいる人は多いので、知らないところで誰かの悩みを解決できているのかな、と。やって良かったなと思いますね。

——最近、気になったトピは。

山田 「AIチャットは浮気だと思いますか?」というトピがありました。夫の浮気を疑って、メールやLINEをこっそり確認してみたら、女性の影はなく、AIが相手だった、という内容です。同じような話を、私も学生から打ち明けられたことがあります。「これが私の彼氏です」と見せられたのがAI でした。「疲れた」というと、「大丈夫ですか?」と返してくれる。ちゃんと癒やしてくれるんですよ。トピにある夫は、妻に癒やされないから、AIに癒やしてもらっている。キャバクラと似たような役割なのでしょう。

山口 お金もかからないですよね、キャバクラはお財布に負担が生じるけど。そういう時代ですか!

藤本 ある意味、平和……ですよね。

山田 こうやって「愛の分散投資」をして、自分を保っている人もいるんだろうと分析しています。それを浮気かというと、どうでしょうか。

藤本 怒るまでもないけど、「え?」とちょっと引いちゃいますよね。

——トピ主である妻も、「冷めたとまでは言わないが困惑している」と。

山田 キャバクラに行くのは、許せますか?

藤本 それは許せないです。

山口 AIのキャラクターにもよりますよね。例えば美少女キャラとかだったら、「えぇっ!」って。AIとのやりとりに、精神的に依存してしまう人もいるかもしれません。バーチャルとリアル、どっちの“浮気”が嫌なんだろう……?

山田 浮気相手を突き止めたらAIだったなんて、時代はそこまで変わったんだな、という象徴的な事例だと思いました。

大手小町(読売新聞)

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