第一次大戦時にヨーロッパ各国軍がこぞって使用していた木に偽装した監視塔

10月22日(火)22時30分 カラパイア

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Imperial War Museum

 偽装というのは、戦争のひとつの手段だ。特にそれが独創的だったのは、2つの世界大戦の間である。

 第一次大戦中、連合国、中央同盟国両軍とも、敵陣の動きを常に監視していたが、それはたやすいことではなかった。塹壕の上に少しでも頭を突き出そうものなら、すぐに撃たれてしまうからだ。

 そこで、フランス軍が最初に監視塔を木に見せかけるカモフラージュを始め、そのやり方をイギリス軍に教えた。のちに、ドイツ軍もそれを真似し始めるようになった。

 こうして木に偽装された監視塔が次々と作り出されていったのである。
・木に偽装した監視塔の作り方

 前線は常に敵に監視されているため、いきなり新しい木を立てることはできなかった。忽然と新たな木が現れたら、すぐに敵の注意を引いて、攻撃されてしまうからだ。

 見せかけの木は、元々実際にあった木と置き換えなくてはならなかった。

 爆弾で吹っ飛ばされて枯れた木が塹壕のそばにあれば、理想的だった。そうした木は写真に撮られ、寸法を測って詳細にスケッチされ、徹底して調査された。

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木の詳細なスケッチ
image credit:Imperial War Museum


 そして設計図が作られ、外見はただの木そっくりだが、中が空洞になっているスチール製のレプリカが制作された。

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木でカモフラージュしたダミーの監視塔計画詳細図
image credit:Imperial War Museum

・大砲の音で建設音をごまかしながら夜陰にまぎれて建設

 夜陰にまぎれて、大砲射撃の音でカモフラージュしながら、本物の木が倒され、フェイクな木の物見やぐらが同じ場所に立てられた。砲兵射撃の音は作業の音をかき消すためのものだった。

 木の根元は地中に埋められ、出入り口は見えないようにうまいこと隠されたが、航空写真で木に通じる塹壕が見つかってしまったら、敵にばれてしまうかもしれない。

 兵士ひとりが、地下から監視塔に入り込み、スチールのチューブ内に取りつけられた梯子を登って上部に向かう。

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監視兵が位置についた状態の塔の断面図モデル
image credit:Imperial War Museum

 てっぺん近くに取りつけられた座席に座って、いくつもあるのぞき穴から敵の位置を監視する。安全のために、穴から伸びた展望鏡を使い、塔の金属の壁の裏に隠れたまま、敵の目からは見えないようになっている。

 こうしたフェイクの監視塔作戦は、驚いたことにかなり成功し、敵にばれることはあまりなかったそうだ。

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監視塔としてのダミーの木の建造
image credit:Imperial War Museum

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カンバス地とスチールでできた監視塔、フランス、スシェ近く、1918年5月15日
image credit:Imperial War Museum

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監視塔の根元の出入り口、フランス、スシェ近く、1918年5月15日
image credit:Imperial War Museum

References:Amusing Planet/ smithsonianmag/ written by konohazuku / edited by parumo

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