東京人をトリコにする懐かしの鹿児島ラーメン『ザボン』を神保町で食べてきた

2020年10月22日(木)10時50分 食楽web


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 ラーメン激戦区として知られる東京・高円寺に、以前、『ザボン』という鹿児島ラーメンのお店があったのをご存知ですか? 20年ほど前、筆者は近くに住んでいたので、よく食べていました。『ザボン』のラーメンはとんこつ系ですが、臭いが少なく、あっさりしていて食べやすかったのです。そうそう、新宿や中野、海老名のサービスエリアなどでもお店を見かけたことがあり、当時はけっこう人気のお店だったと思います。

 しかし、引っ越しを機に行くことがなくなり、数年前、久しぶりに食べようと思って行ったら、なんとお店がなくなっていました。残念ではありましたが、高円寺にはラーメン屋さんはゴマンとありますし、新店も続々と増えています。というわけで、『ザボン』のことはそのまますっかり忘れていたのです。

 ところが、先日、神保町を歩いていると、『ザボン』という看板を出しているラーメン屋さんを見かけました。「もしや」と近づいてみると、まさにあの高円寺にあった『ザボン』に間違いありません。嬉しくて、吸い込まれるように入店してしまいました。


1978年、新宿に創業した『ザボン』が、2019年9月、神保町で復活

 店内の券売機には、まさに食べたかった「ザボンラーメン」があります。しかも、醤油味と味噌味の2種類が。記憶が確かならば、以前は味のチョイスはなく「ザボンラーメン」だけだった気がします……。そこでお店の方に聞いてみると、「醤油味」(850円)が基本の味だと言うので、それを注文してみました。

懐かしのザボンは相変わらず美味しかった


「ザボンラーメン醤油味」850円

 登場した丼を見るなり、「あ〜、これこれ」と思わずニンマリしてしまいました。白濁した豚骨スープに、茹でた千切りキャベツとモヤシ。さらに上から揚げ玉ネギのチップと九州の青ネギがパラパラと降りかかっています。麺は細めのストレート。


低加水麺のあっさりした麺は、豚骨スープとの相性抜群

 スープを飲み、麺をすすって、「懐かしい!」と心の中で叫んでしまいました。豚ガラと豚足、鶏もみじでとったスープは、豚の腹脂が入っていて、コクがあり、でもしつこさはなく、サラッとしています。ボイルしたキャベツが豚骨スープ全体の主張を抑えており、香ばしい揚げ玉ねぎが風味よく口に滑り込んできます。


麺は100円で替玉ができます

 とろとろの脂が付いた豚バラチャーシューは4枚入っていて、しっかりと味が染み込んでいます。これもくどくないのです。途中で、卓上にある辛味噌を入れると、ピリッと味が引き締まり、同様に卓上の生ニンニクを入れるとガツンとした味に変化。スープ、麺、具材、どれも全体のバランスが良くて、スルスルと入っていきます。あっという間に食べ終わり、懐かしのザボンの安定した味わいにホッとしました。

 お店を後にして調べてみると、一時は東京に何店舗もあった『ザボン』ですが、今は、都内には神保町と立川のラーメンスクエアにしかないとのこと。

 日本のラーメンは日進月歩で、とんでもないスピードで新店が登場し、はたまた何かの理由で閉店して行くお店も多いものですが、こうして懐かしいラーメン屋さんが復活してくれるのも嬉しいものです。口コミを見ると「味噌味」もかなりの人気のようなので、今度はそちらも食べてみようと思います。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:ザボン

住:東京都千代田区神田神保町2-10-18
TEL:080-7454-3921
営:11:00〜23:00
休:日・祝

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