中野ブロードウェイはオタクだけでなく鮮魚の聖地でもある! 名店3軒を巡ってきた

2021年10月24日(日)10時49分 食楽web


食楽web

 東京・中野ブロードウェイといえば、コミック、アニメ、サブカルチャー、腕時計などの関連ショップが立ち並ぶことから「オタクの聖地」「コレクターの聖地」としてよく知られるテナントビルです。しかし、テナントをよく見れば薬局、飲食店、衣服店、食料品店など、生活に欠かすことができないお店も数多く入っています。


中野ブロードウェイの入り口

 特に地下エリアは食料品店が集中しており、スーパーマーケットの西友や、精肉店、青果店、惣菜店などが複数軒を連ねています。

 そんな中で、人でゴッタ返しているのが鮮魚店です。3つの鮮魚店が入っており、連日熾烈な商品展開を繰り広げています。いずれの鮮魚店も鮮度が良く、価格も安いです。築地やアメ横などでない限りこの至近距離で3つの鮮魚店が隣合わせで営業しているのは都内でも珍しいのではないかと思います。

 一説には近隣の寿司店や居酒屋などが、普通に仕入れに来ているという話もあるほどですが、今回はこの中野ブロードウェイの鮮魚店をレポートしつつ、3店舗の各店で購入した鯛の味比べをしてみることにしました!

質の良いマグロを安く買うことができる『勝田商店』


中野ブロードウェイ地下1階の『勝田商店』

 エスカレーターを降りてすぐ目の前にあるのが、『勝田商店』という鮮魚店。店構えはさながら市場のようで、いつもパタゴニアのTシャツを着たお姉さんが「マグロ安いよ! マグロ! マグロ!」と威勢良く叫んでいます。

 その言葉に嘘はなく、『勝田商店』の一番の魅力はマグロ。本マグロの大トロや中トロが入ったブツ切りセットが数百円で買えるほか、大ぶりに切り出された柵も他店の追随を許さないほどの低価格で販売されています。もちろん、マグロだけでなく、鮮度抜群の刺身のほか、加熱用の旬の魚も信じられないほどの価格で売られており、取材時はまだ動いているアワビが3つ入って1皿たったの6百円で売られていました。中野ブロードウェイで魚を買う際は絶対に無視することができないお店です。

品揃えでは3店舗の中で最も抜きんでいる『ナカムラ水産』


中野ブロードウェイ地下1階の『ナカムラ水産』

 活気ある『勝田商店』と一線を画すように広いテナントを構えるのが『ナカムラ水産』です。この店の魅力はなんと言っても品揃え。旬の魚の丸モノが一尾数百円で買えることに加え、刺身のセット、刺身用柵、加熱用の切り身魚、魚のアラ、冷凍加工品、寿司などがズラリと並んでおり、さながら「魚のスーパーマーケット」のようです。テナントが広い分、ゆっくり魚を選びやすいのも同店の魅力ですが、夕方には売り切れも続出。できれば夕方前に行き、その日の良い魚をゲットするのがオススメです。

生簀があり丸モノも並ぶ、玄人にはたまらない『池上水産』


中野ブロードウェイ地下1階の『池上水産』

 そして、もう1店舗が『池上水産』。『勝田商店』や『ナカムラ水産』との確実な違いは、生簀があり生きている魚をそのまま買うことができるところ。また、日によって異なるものの、丸モノの珍しい魚種も取り揃えており、お店の中を見て回るだけでも楽しくなります。刺身のセット、刺身用柵なども店頭で買うことができますが、前述の2店舗に比べると玄人好みのような印象で、その分、真の魚ファンには好まれるお店のように思います。

3店舗それぞれで「鯛の柵」を買い、食べ比べてみた!


上から『ナカムラ水産』の鯛542円、『勝田商店』の鯛450円、『池上水産』の鯛652円

『勝田商店』、『ナカムラ水産』、『池上水産』という、それぞれ個性的で優れた鮮魚店が入っている中野ブロードウェイですが、今回はこの3店で同じ「鯛の柵」を買って食べ比べをしてみることにしました。


買ってきた鯛を切り出したところ。上から『ナカムラ水産』の鯛、『勝田商店』の鯛、『池上水産』の鯛

 グラム数が記載されているのは『ナカムラ水産』のみなので、物量と価格による比較することはできませんが、その味をチェックしてみましょう。


『ナカムラ水産』の鯛

 まず、『ナカムラ水産』の鯛から。プリッとした食感と、どことなく磯の香りもあり鮮度抜群であることが十分伝わってきます。臭みはいっさいなく、「ザ・刺身」というほどの抜群の身を楽しむことができます。


『勝田商店』の鯛

 そして、『勝田商店』の鯛をいただきます。鯛特有の甘味があり、合わせて身にコクも感じます。これまた鮮度の良さを十分感じることができます。


『池上水産』の鯛

 そして、最後が『池上水産』の鯛。あっさりしていますが、品の良い味で、これもまた美味! 特に記載はなかったのでわからないですが、天然の真鯛なのかもしれません。改めて『池上水産』は玄人向けのような印象を覚える筆者でした。

3店舗とも優れているが、その日によって「買い」の魚が変わってくる!

 結局のところ、中野ブロードウェイの地下にある3店の鮮魚店は、それぞれ個性がある一方「どの店の魚も素晴らしい」「大手スーパーマーケットでは買えない魚を安く扱っている」ということだけがわかった結果となりました。

 ただし、その日により各店の仕入れと強みは大きく変わってきます。その日、最も良い魚を至近距離にある各店を比べながら選びゲットできるところも中野ブロードウェイならではで、言わば、中野ブロードウェイはオタクの聖地である一方、魚の聖地でもあると言って良いかもしれません。近隣で魚の買い物に困っている方、是非中野ブロードウェイに行かれてみてはいかがでしょうか。きっと良い魚を買うことができると思いますよ!

(撮影・文◎松田義人)

食楽web

「鮮魚」をもっと詳しく

タグ

「鮮魚」のニュース

「鮮魚」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ