話題の看板「渋谷はハロウィーン会場ではありません」を見に行ってみた 道行く人の反応は?
2023年10月25日(水)18時45分 Jタウンネット
「三国志」に登場する天才軍師・諸葛孔明が現代日本に転生した——そんな斬新なストーリーが人気の漫画「パリピ孔明」。2023年9月からフジテレビ系で実写ドラマも放送されている。
物語は諸葛孔明が「平和な時代に生まれ変わりたい」と願いながら、五丈原で没するところから始まる。そして、次の瞬間、彼は何故かハロウィーン当日の渋谷に降り立っていた。
初めて目にするその光景に、諸葛孔明は自分がすでに死んだものと思って呟く。
「ここが地獄なのですね」
そしてこちらの画像は、2022年ハロウィーンの渋谷センター街。通りは人でいっぱいになるほどの大混雑。何も知らずに急にこの中に飛ばされたら......確かに「地獄」と思ってしまうかもしれない。
そんな "地獄"を、今年のハロウィーンでは生みたくない。2023年の渋谷区はそう考えているらしい。
10月16日、JR渋谷駅前にあり巨大看板を設置した。
ネットで話題、現地では...
【注意】渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません
NO EVENT FOR HALLOWEEN ON SHIBUYA STREETS.
大きくそう書かれた看板があるのは、多くの人が行き交うスクランブル交差点のすぐそば。ネット上で注目され、多くのメディアも取り上げている。
記者も17日14時40分ごろ、現地に向かった。渋谷駅前は多くの人が行き交っている。
X上で話題になったばかりであったため、看板は現地でも注目を浴びているだろうと予想していたのだが、この時写真を撮っていたのは記者だけ。もたれかかっている人が少しいるだけで、視線を向けられてもいない。「皆、看板を避けているかな」と感じるほどだった。
区はどんな思いでコレを設置したのか。17日、Jタウンネット記者は渋谷区産業観光文化部の産業観光課長を取材した。
産業観光課長によると、23年の渋谷への来街者数はコロナ前と同等かそれ以上にまで増えている。さらに路上飲酒が根付いてしまったため、住民とのトラブルや惨事になりかねない事故・事件も発生している。
そんな状況で迎えることになるハロウィーン。例年、国内外から多くの人が集まる時期だ。
「何も対策を講じなければ、昨年までとは比べられないほどの人出により、雑踏事故やトラブルの急増が予想され、住民や来訪者の安全・安心の確保ができない」(産業観光課長)
区では安全を第一に考え、国内外の人々に来街自粛を要請。渋谷駅前に設置した話題の看板もその活動の一環だ。看板の掲出費用は165万円とのこと。
区ではほかにも、渋谷公園通商店街振興組合と渋谷道玄坂商店街振興組合にある街路灯のフラッグ、渋谷センター商店街振興組合の街路灯に横断幕とライトボックス、区のYouTubeチャンネルやXアカウントの投稿でも来街を控えるよう啓発を行っている。