立派な甲羅があるのに... お腹丸出しで眠る「無防備すぎるアルマジロ」に注目→一体なぜ?飼育員に聞いた
2021年10月26日(火)17時0分 Jタウンネット
アルマジロといえば、硬い鎧のような甲羅を持つ動物だ。防御力も高く、警戒心も強そう——そんなイメージがある。
しかし、そんな印象を覆す写真が2021年10月17日、ツイッターに投稿され話題となっている。
なんと、仰向けに寝転がり、お腹を丸出しにしている。あたたかな色のライトに照らされ、とてもリラックスしているように見える。
写真の投稿者はこの様子を、
「腹を温めるために完全に野生を棄て去ったアルマジロ」
と表現。たしかにこれじゃあ、背中に甲羅を持つ意味がないのでは......。
Jタウンネット記者が19日、投稿者に聞いたところ、このアルマジロを撮影したのは「伊豆シャボテン動物公園」(静岡県伊東市)のシャボテン温室内。
「あまりの無防備さに笑ってしまいました。雨が降って寒い日だったのでライトが温かいんだろうなという気持ちと、野生とかもうないんだろうなという気持ちと...」
と撮影時を振り返った。
仰向けの理由は...
お腹丸出しの寝姿に対し、ツイッターでは5万件以上の「いいね」(21日夕時点)が集まり、こんな声が寄せられている。
「自身の防御手段を完全に捨てて寛いでやがる...」
「無防備すぎて笑った可愛い」
「アルマジロってへそ天するんだ」
「裏側こうなってたのか...」
投稿者は「お腹を温めている」考えているが、実際にはどうなのだろう?
記者は21日、「伊豆シャボテン動物公園」の担当飼育員にも話を聞いてみた。
今回、話題となったのは同園のムツオビアルマジロの「ラグ」くん(オス)。
「(腹を)温めるためにあの体勢をとるわけではないと思います」
と飼育員は語る。ムツオビアルマジロには、仰向けで寝る習性があるというのだ。
「仰向けでどこででも寝ます」
野生では無防備なように思えるが、寝るときには他の動物が使い終わった巣穴を利用することが多く、「その巣穴を使う前に安全性をしっかり確認しているはず」。つまり、危険のない空間だと判断し、安心してお腹をさらけ出している、というわけだ。
伊豆シャボテン動物公園には他のアルマジロもいるが、飼育の空間は分けられている。ラグくんは1頭で暮らしており、彼を脅かすものはいないので、
「安全だということもわかっていて仰向けでどこででも寝ます」
とのこと。
というわけで、夏でも冬でもお腹を出して寝ているラグくんだが、「ライトの下」というポジショニングは投稿者の言うとおり、「お腹を温めている」と考えてもいいようだ。
「最近は、寒くてライトの下で寝ている様子も多々見られます」
と飼育担当者は語った。見ているだけで癒される、ラグくんのかわいいお腹を見たいという方は、ぜひ伊豆シャボテン動物公園に足を運んでみて!