「財布から1万円抜かれ、次々に嫌がらせ...」職場で起こった窃盗事件 同僚から「あなたって鈍感ね」と謎の言葉
2021年10月27日(水)18時17分 キャリコネニュース
職場での窃盗や嫌がらせは、会社が適切に対応しなければ被害者が泣き寝入りする事態になりかねない。キャリコネニュースで募集する「職場で起こった窃盗事件」アンケートの回答に、ある30代女性から経験談が寄せられた。大阪府で事務職として働く女性は、
「派遣社員として某大手インフラ企業で勤め出して半年、職場の担当とも信頼関係も築けてきた頃に事件が相次ぎました」
と過酷な経験を語りだした。(文:okei)
※キャリコネニュースでは「職場で起きた窃盗事件」のエピソードを募集しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/IX3VN62M
「最初は昼食用に用意していた500円玉」から始まった
女性の被害はまず、「財布から現金が抜き取られる」ことから始まった。
「最初は昼食用に用意していた500円玉から始まり、少額のため気のせいだろうと気にしないようにしていました。しかし連日おかしいなと思いながらも、職場に疑いをかけることを躊躇してました」
ところがある日、「出社前に銀行で下ろしてきた1万円」が無くなった。側にいた同じ派遣の同僚の言動は、明らかにおかしなものだった。
「財布を開けてびっくりして目を丸くしている私の横で、派遣同僚が『貴方って鈍感ねー』と声をかけてきたのです。その言葉にまさかと思いながらも無くなった現金が頭をよぎりました。財布の中の現金も、ロッカーにある化粧品等も相次いで姿を消すことが2〜3か月続いていたため、この同僚の言葉で故意によるものとはっきりと認識しました」
しかし確たる証拠は無いため「その場は『知らなかったことにしときますー』と笑いながら牽制の姿勢を」示した女性。被害を訴え出ることもせず、暫く様子を見ることにした。
「相次ぐ物色に、精神的にも追い詰められていきました」
しかし、嫌がらせは窃盗だけにとどまらなかった。派遣会社や派遣先企業へ「同居家族にコロナ感染の疑いがある」とデタラメを言われたり、席を外した隙に女性の社内携帯でいたずら電話をかけられていたり。誰かに相談するため携帯履歴を確認しようとしたときには、「着信履歴が忽然と無くなって」いたそうだ。女性の派遣先担当者の「ETCカードが無くなる」という事件も発生した。
「さすがに管理上問題ある為に部署で慌てて探したが、見つかったのはゴミの中からでした」
その時は「危うく捨てるところだった」と笑い話で終わったが、女性は「気味が悪くて仕方が無かったです」と明かす。その事件以降、日々の詳細を記録し、ポシェットで貴重品は持ち歩くようにしたという。
「見える形で気をつけていることを示し、抑止力になればと思いました。しかしそれでも相次ぐ物色に、精神的にも追い詰められていきました」
その後、明らかな業務妨害も発生。「未発注書類を隠されたり、取引業者の書類に紛れ込ませて渡されたり」といったやり取りは、「疑わしき派遣同僚」が行なっていたという。女性は、牽制の意味でもそれぞれの当事者に状況を聞いて調査。全てを時系列で詳細に記載した証拠を揃え、派遣先企業のコンプライアンス窓口に相談した。
「どんな結果であれ納得しないから同じだ」と告げられ…
ところが、「携帯履歴なら追えるから」と女性に告げた担当者は、「派遣元に対処を委ねる形で」まともに動いてはくれなかった。
「ちゃんと調査がされたのかも不明で、派遣元に携帯履歴の開示を求めましたが、『どんな結果であれ納得しないから同じだ』と言いくるめられました」
真相は解明されることなく、残念ながら女性は退職を余儀なくされた。
「私は警察に相談すべきだったのでしょうか?(中略)結局は職場を私が去るのみでの解決となりました。派遣元は『うちが派遣している者がそのようなことをしていると思いたくない、事件を追及しますか』と私を問い正し、言いくるめるのみ」
派遣元と派遣先の隠蔽体質に強い不満が残った女性は、立場の弱い労働者として失望感をこう吐露している。
「誰も助けてくれない、むしろ被害を訴えた方を抹殺する風潮に憤りを覚えました。これは犯罪で、刑事事件に問われるような内容だと思います。大手インフラ企業でもこんなコンプライアンス管理に企業モラルを疑いました。社内で起きた犯罪には(中略)毅然とした対応をして欲しかったものです」