宇都宮爆発事件はなぜ起きた? 元公安語る「老人の自爆理由」と、DV・家庭崩壊の壮絶過去とは?

10月27日(木)8時0分 tocana

※画像は、Thinkstockより

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 恐ろしい世の中になったものだ。栃木県宇都宮市の中心部で23日午前、連続爆発事件が発生。実行犯は元自衛官の栗原敏勝容疑者で、宇都宮城址公園の北側ベンチで身にまとった自作の爆弾を起爆させ死亡した。遺体は腹部の損傷が激しく、肉塊が周辺に飛び散っていた。死因は胸腹部挫滅。この爆発で通行人など3名が重軽傷を負った。

 この事件の何が恐ろしいかというと、犯人が72歳の高齢者という点だ。テロリストでもなければ、革命を目指す活動家でもない。ニュースなどでは同容疑者がラジオ体操したり、カラオケを歌う映像が繰り返し流れている。どこからどう見ても普通の“おじいちゃん”。これこそが恐怖なのだ。

 だが、栗原容疑者のブログやツイッターを覗いてみると、秘めたる狂気の一端を垣間見ることができる。同容疑者の主張によれば、1999年に自衛官を退官後、娘が精神疾患者となり、家庭が崩壊。容疑者は娘を4回措置入院させるなどしたが改善せず、逆に妻から「お前のせいだ」と罵られ、離婚裁判を起こされたという。法廷では同容疑者の家庭内暴力(DV)が暴露され、事実上の敗訴。老後の資金1500万円を没収されてしまったという。

 自暴自棄になった栗原容疑者は今年3月、フェイスブック上で「秋葉原無差別殺傷事件のような事件を起こしたい」と書き込み、今月6日のブログでは「ネット炎上を期待しているのですが、訪問者さえ少なく、色々と工夫しております。大げさにしなければ成りません」(原文ママ)と、今回の犯行をほのめかす文章をつづっていた。温厚そうに見えるのは顔だけで、心の内は闇で覆われていたのだ。ネット上では同容疑者のことを「宇都宮のメガンテじいさん」と呼ぶ声もあるが、無関係な市民を巻き込むことは決して許されない。

 一方で興味深いのは自決方法に爆死を選んだことだ。同容疑者は72歳ながらにして、ツイッターやブログ、フェイスブック、ユーチューブなどのSNSに精通しており「爆弾の精製方法もネットを参考にした可能性が高い」(捜査関係者)。職業柄、爆弾との関わりも深かったとみられる。同容疑者が現役バリバリの自衛官だった1974〜75年に発生したのが、大手ゼネコンなどを狙った連続企業爆発事件。連日トップニュースで報じられ、犯行グループは糾弾されたが、一部から拝金主義の大企業を成敗したとして英雄視された。そして当時、地下出版されたのが爆弾の製造方法などを記した「腹腹時計」だ。犯行グループの一味が執筆したもので、そこには栽培用の肥料など、身近にあるモノで簡単に爆弾が作れることが記されていた。

「地下で出版されたが、たちまち話題となった。ゲリラ犯罪のやり方や公安に怪しまれないように生活するための裏技が載っていた。今回の犯人である栗原容疑者も自衛官だったのならば、まず間違いなく目にしている。あの時代を経験した人にとって、爆弾は大義を果たすための象徴なんだよ」(公安OB)。現在も古書店を巡ると「腹腹時計」のコピー版を目にすることができる。

 高度経済成長、バブル期を経験した団塊の世代前後の人々は退職後、これまでの生活との違いで心身ともに不安定になることが多い。“第2のメガンテじいさん”が現れなければいいが…。

※画像は、Thinkstockより

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