本のページをパラパラと高速でめくり5分間で10万語を記憶できるという「量子速読法」が中国でブームに

10月30日(水)16時30分 カラパイア

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Image by Tijuana2014/iStock

 本を斜め読みしただけで内容が全て頭に入るという天才的な頭脳を持つ人は、ごく稀に存在するらしい。しかしそれは、果たして才能などではなく、練習すれば誰にでも取得できるスキルなのだろうか?

 現在、中国の教育機関で「量子速読法」が話題になっている。

 このスキルを身に付ければ、本をまるでスキャンしているかのような状態でパラパラと素早くページをめくるだけで、5分間で10万語を頭に記録し、脳内に内容のイメージまでをも思い浮かべることが可能だというのだ。

 中国でその動画が拡散すると、話題になる一方で物議を醸しており、中国の専門家や科学者らからは「科学的根拠がない」という声があがっている。

速讀比賽

・私立の学習機関で量子速読法を導入

 裕福な中国家庭の親は、我が子の教育に人一倍熱心だと言われている。他人の子供よりも先に行く方法を見つけることに必死な親は、私立の教育機関が導入した新たな教育方法に夢中のようだ。

 江蘇省塩城市にある北京新志通全能開発では、10歳〜16歳の子供を対象に3か月という期間で72時間にわたるトレーニングを受けさせることで、わずか5分で約10万語を読めるようになり、その内容を記憶することができる「量子速読法」を指導している。

 中国メディア『China Daily』によると、同機関のプロモーション用資料の中では次のような説明がなされているという。

量子速読法を身に着けた子供たちは、何百ページというページをめくると、脳に非常に高速な内容イメージが形成され、読んでいる書物の内容を理解することができます。


・本をスキャンするようにページをめくる子供たちの姿が動画で拡散

 教育熱心な中国社会では、量子速読コースを提供する私立学習機関が続々と登場した。しかも、コースは269000元(約414万円)という高額なものもある。

 まるで本をスキャンしているかのように量子速読を練習している子供たちの姿を捉えた動画が、中国のソーシャルメディアプラットフォームWeiboに投稿されると、世界中の注目を浴びる一方で、物議を醸した。

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image credit: youtube

・「科学的根拠はない」と専門家ら

 ネット上では、量子速読のスキルを学ぶ子供たちの姿が話題となり、そのコースに子供を通わせる親たちにも「高い金を捨てるようなもの」などといった非難の声が挙がっているという。

 更に中国の専門家や科学者らは、この手法には科学的根拠がないため効果はないと主張。北京の21世紀教育研究所のション ビンチー副局長はこのように述べている。

親は、子供がそのようなコースを受講すると、他の子よりも優位に立ち有利だと考えているようですが、この種の非科学的なトレーニング方法は子供の発達を損なうだけです。

 教育機関のプロモーションによると、量子速読法をマスターすれば、時に目隠しをしていても書物を読むことができるということだが、そのような処理能力を本当に身に着けることができる子供たちがいるとなれば、もはや驚異と呼ぶべきだろう。

 一般的に多くの否定的な意見が挙がっているものの、教育熱心な中国の親たちの間ではそうした声は気にならないようだ。

追記(2019/10/30)本文を一部修正して再送します。

References:Speed-reading courses in China claim to teach students to read 100,000 words in 5 minutes – Mothership.SGなど / written by Scarlet / edited by parumo

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