パスタとレトルトソース、一緒に茹でてもOK? 味に影響はあるのか、料理講師に聞いた

2019年11月4日(月)11時0分 Jタウンネット

パスタとレトルトソースのパウチを同じ鍋で茹でる人、それなりにいるのではないか。


ガスや水の節約になるほか、食器洗いの手間も省ける。いいこと尽くし(?)のように思えるが、ネット上では「汚そう」「不衛生」といった声もあがっている。


ハウス食品の公式サイトには、「レトルト商品を温めるときの注意点」として、以下の記述がある。


「レトルトパウチを温めた残り湯は、他の料理には使用しないでください。パウチの成分が溶け出るようなことはありませんが、残り湯を再利用することは想定していません」



実際、ハウス食品の広報担当者は、パスタとパウチを一緒に茹でることに対して、


「衛生面上推奨していない」



と10月29日、Jタウンネットの取材に回答した。そして一緒に茹でた場合でも有害物質は出ないとも。


その通りといえばその通りの回答である。


しかし、しかしである。「美味しさ」に関してはどうなのだろうか。そこでJタウンネットは、西洋料理の専門家に、パスタとパウチ同時茹でについての見解を聞いてみた。


専門家「熱の伝わり方にムラが...」


話を聞いたのは、学校法人新宿学園新宿調理師専門学校、西洋料理専任教員の瀧川浩司さん。まずパスタとパウチを一緒に茹でることに関して、


「洗いものの手間や一人暮らしでガス口が足りないなかでの方法であれば無茶なやり方ではないと思います」



と理解を示す。


ただし「おいしさ」に関しては首を傾げた。


「パスタは沸騰したお湯に投入した後、再沸騰するまでの間に混ぜないと麺同士がくっつくことがあります。だから麺とパウチを一緒にいれて、混ぜないでそのままにしておくと、くっついたまま、茹であがることがあります。



ですので、一緒に茹でるのであれば、パスタを入れて、ほぐし、再沸騰した後に、5分間くらい一緒に茹でるのであれば、食べてわかるほどの変化はないと思います」



つまり最初の数分間はパスタにつかうのだ。その間にパスタをほぐし、再沸騰するのを待つ。その後パウチを投入すれば、そこまで味の変化はないと話す。


ただし、水の量が極端に少ないと、パウチを投入した時に温度が下がり、それゆえパスタへの熱の伝わり方にムラができ、美味しさが下がる可能性があると話した。


ちなみにパスタ単体でおいしく茹でる場合は、


「基本的には麺の量の10倍の水で茹でるのがベストといわれています。あくまで一つの基準ですが、100グラムならば1リットルの水が必要です。たっぷりの水の方がおいしくゆであがります」



という。


せっかくなので、実験してみよう。


用意したのは9分の茹で時間が推奨されている100グラムのパスタ。それと、3〜5分沸騰したお湯の中で温めるレトルトパウチだ。


さっそく、沸騰させた鍋にパスタを投入。今回は、滝川さんがオススメしたように、先にパスタをほぐしてからパウチを投入するスタイルをとった。ぴったり9分後パスタとパウチを取り出し、皿に盛り付けた。11月1日のお昼ご飯だ。


こちらが、パスタとパウチを一緒に茹でたスパゲッティである。見た目は普通、匂いもボロネーゼの匂いだ。しかし、一口食べてみると9分茹でたにも関わらず、固い部分が。パウチを投入した際に水温が下がってしまったのだろうか。


また当たり前のことであるが、パウチが入った分だけ鍋のスペースが減ったため、投入後はパスタをうまくかき混ぜることができなかった。それゆえにムラができてしまったのだろうか。


続いて、水の量と茹でを同時間にし、パスタのみで検証。麺の広がりが目に見えて違う。


満遍なく麺に熱が伝わっているような...。またパウチが沸騰した気泡を邪魔しないため、満遍なく麺が茹でられている気がする。


食べてみると確かな違いが。先ほどと違って、匂いを嗅ぐと、風味がいい(気がする)。そして、パスタは満遍なくもちもちししていた。口当たりが柔らかで、のどごしにも違和感がない。こんなに違うのかと驚いてしまった。


やっぱり、おいしく食べるなら、きちんと調理するのが一番だ。

Jタウンネット

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