5年生存率9%の膵臓がん 超音波内視鏡で早期発見も可能

11月5日(月)16時0分 NEWSポストセブン

東京医科大学病院消化器内科主任教授の糸井隆夫医師

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 膵臓は、胃の後ろに位置する長さ20センチほどの細長い臓器だ。ここにできる膵臓がんは自覚症状が出にくいうえ、数あるがんの中で最も進行が早い。見つかった時は末期のケースが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれる。


 5年生存率は、2センチ以下で発見されたI期で41%、全期(I〜IV期)では9%。大腸がん(年間死亡者数1位)のI期98%。全期76%と比べても、その恐さが際立つ。


 年間3万人以上が亡くなる膵臓がん治療の光明となる検査が、「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」だ。内視鏡の世界的な権威である東京医科大学病院消化器内科主任教授の糸井隆夫医師が指摘する。


「患者の口から入れた超音波内視鏡を胃まで進め、そこから膵臓に向けて超音波を当てて病変を探します。疑わしいものがあれば内視鏡の先端から針を出して細胞を採取し、それが『がん細胞』かどうか検査を行ないます。体外から行なう腹部エコーより近くから膵臓全体を見られるため、従来は2〜3センチないと発見できなかった腫瘍が5ミリほどの段階で見つけられます」


 膵臓がんは早期発見でも現状では生存率が低いが、発見がさらに早まれば完治の可能性はより高くなる。


 EUS-FNAは10年から保険適用となり、検査費用は3割負担で4320円。所要時間は30分〜1時間程度だ。



「膵臓がんは、背中から左の脇腹にかけて痛みが出るケースが多い。また、慢性膵炎や糖尿病、身内に2人以上がんがいると膵臓がんになりやすいので、心配な方は一度検査を受けることを勧めます」(糸井医師)


 他の内視鏡検査と同様に、EUS-FNAも医師の技量や経験による差が大きいといわれる。


「日本膵臓学会の内視鏡診断治療の認定指導医を受診することが望ましいでしょう。認定指導医は学会のHPに掲載されています」(糸井医師)


※週刊ポスト2018年11月16日号

NEWSポストセブン

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