【医療ミステリー】飲食の欲望を忘れた少年 — 世界唯一の症例

11月6日(木)8時30分 tocana

画像は、YouTubeより

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 米国では肥満が深刻な社会問題だ。米国の小学校で「肥満」と診断される子どもは全体の18%、中高校生だと21%にのぼる。肥満患者は年々増加、医療費を圧迫し、国の財政を脅かす存在となっている。ニューヨーク州では肥満予防のために、「ソフトドリンク・サイズリミット」という法律を作り、500ミリリットル以上の甘いソーダ類を飲食店で販売する事を禁止したほどだ。

 しかし、ニュースサイト「FCN」が今月27日に報じた少年は、それとは正反対の"ある奇妙な問題"を抱えていたのだった——。

 アイオワ州に住むジョーンズ家の長男ランドン君(12歳)は、どこにでもいそうな普通の少年だった。しかし、1年前のある日を境に、事態は一変する。

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■原因不明の病気の始まりと闘病生活

 2013年の10月のある朝。前日まで、好物のピザやアイスクリームを平らげていたランドン君が目覚めると、突然「飲食に関するすべての欲求」が完全に失われていた。

 驚いた両親はランドン君を連れていくつも病院を巡り、病気の原因を探ったが、原因は不明。その間、ランドン君の体重は毎週約1キロずつ減り始め、以前は47キロあった体重が31キロまで落ちてしまった。両親は、毎日毎日「食べなさい」と言い続けるなど、あらゆる努力を試みるも、効果はゼロ。医師からは「もしこのまま改善が見られないと、ランドン君のお腹に直接チューブを通して栄養分を摂取する必要がある」と宣告された。

 だがようやく、両親の努力の甲斐あって、小児神経科医のマーク・パターソン博士に巡り合い、治療の糸口が見つかることに。


■病因が明らかに?

 博士は、「今分かっている医学知識から脳機能を全て理解しようとする事はまだまだ難しい」としたうえで、「ランドン君がかかっている病気は、世界中で1件しかない非常に珍しい病気の可能性が高い」と話した。そして検査の結果、ランドン君の空腹や渇きの感覚の消失は、「飢えや渇き、体温、血圧、睡眠周期、その他の自律機能」を管理する「視床下部」の問題ではないかと推測された。また、「匂いと味の感覚」は失っていないという事も分かったのだ。


■病と戦い続ける家族

 今後ランドン君は、こうした稀な病気を積極的に研究しているメリーランド州の「国立衛生研究所(NIH)」で診察を受ける予定だというが、果たして有効な治療法は見つかるのだろうか?

 ちなみに現在、ランドン君の病気にかすかに関連があるのではと考えられているのが、数年前に欠神てんかんを起こした際に処方された「デパコート錠」だ。しかし、通常、デパコートの副作用は食欲増進、体重増加等であり、ランドン君の症状とは正反対であることから、パターソン博士はこの考えに懐疑的である。

 ポチャッとしていたランドン君が、骨と皮のようにやせ細っているのは痛々しい。さらに、彼を看病する両親の努力には脱帽だ。父親はランドン君の治療のために会社を辞めて看病に専念し、博士の元で検査を受けるために4000ドルもの借金まで抱え、それでもガソリン代を使って遠方の病院まで通い続けている。

 間もなく米国では感謝祭、クリスマスとホリデーシーズンで、そこにはご馳走はつきものである。ランドン君が食欲を取り戻し、食物をおいしく口に出来る日が1日も早く来る事を願っている。
(文=美加リッター)

※画像は、YouTubeより

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