人気YouTube「ゾゾゾ」の4人に聞く「ゾゾゾの舞台裏」インタビュー！「心霊スポットは苦手」「お化け坂・白い家で…」村田らむ
2020年7月21日（火）12時0分 tocana
YouTubeで人気の『ゾゾゾ』というチャンネルがある。チャンネルが出来てまだ2年だが、チャンネル登録者数は36万人超え、再生回数が200万回を超える動画もある大人気チャンネルだ。
『ホテル活魚』『岳集落』『ジェイソン村』など、トカナの読者ならば絶対に興味があるだろう心霊スポットに突撃している。1本15分くらいと比較的短い動画ながら、中身はミッシリ詰まっている。
メインパーソナリティーの落合、ディレクター皆口、ややこわがりのスタッフ内田、スペシャルゲスト長尾とキャラクターも際立つ。
心霊スポットをただ歩くだけでなく、そこで実証実験してみて本当に心霊現象が起きるかどうかを確認しているのも面白い。本当に心霊現象が起きてるような場面もたびたびあるが……そこは実際に動画を見て確認してもらいたい。
そして7月21日には『読むゾゾゾ』(ワニブックス)『最恐心霊スポット〜ゾゾゾが体験した禁断の恐怖〜』(日本文芸社)と、2冊の単行本が発売されることになった。
実はわたくし村田らむが『読むゾゾゾ』の文を担当した。『読むゾゾゾ』では、現在公開されていない幻のゾゾゾも詳しく描かれているので、興味がある人はぜひ読んで欲しい。
ライティングをした御縁で、4人にゾゾゾの舞台裏などをうかがうことができた。
——どのような経緯でゾゾゾははじまったのですか？
皆口 自分はもともとホラー作品が大好きなんです。夏場になるとテレビに流れていた古き良き心霊番組とかホラーDVDが大好きで。
夏になると肝試しもよく行ってて、それでふと心霊スポットが食べログみたいな感じで網羅されているサイトってあまりないな、と思ったんです。それで、自分で作ってみようと思ったのが番組作りのキッカケです。
ただ心霊スポットって行ってみたら取り壊されたり、封鎖されたりしてることが多いんです。新鮮で正確な情報を得るには自分で足を運ぶしかない。でも一人で回るのは面白くないですから、会社の上司である落合さんをお誘いました。
落合 俺は全然、ホラーも心霊スポットも好きじゃないんですよ。ノリで廃墟に行っちゃう、とかも一度もなかったんです。霊に関しても全く信じてないスタンスでした。
——でも、落合さんのノリの悪さ「心霊スポットは好きじゃないのに嫌々行っている」という感じがゾゾゾの特徴ですね？
落合 それは受けを狙ってるわけじゃなくて、本当に行きたくないんですよ（笑）。皆口くんにはビジネスの話として番組作り、サイト作りを持ちかけられたので、仕事として無理やりがんばって足を運んでいたという感じですね。
皆口 ゾゾゾは今ではたくさんの方々に見て頂けてますけど、最初の頃は再生回数が100回超えたら喜んでいたと言う感じで。その頃はどう考えてもビジネスにはなりそうもなくて、落合さんから「もう打ち切ろう!!」って言われるんじゃないかとドキドキしていました（笑）。
落合 やっぱり、モチベーションは必要ですから（笑）。誰も見てないのに、なんでこんなにガチな心霊スポット探索してるんだ？ って疑問でしたよ。
——いつ頃から、視聴者は増え始めたんですか？
皆口 確か第12回の『お化け坂・白い家』からですね。そこから急に視聴者が増えました。急に伸びた理由が全然分からなくて、最初は炎上してるのかな？ と怖かったくらいです（笑）。そこからは毎日すごい勢いでチャンネル登録者数が増えていきましたね。
当時、自分は落合さんが、チャンネル登録者をお金で買ってるんじゃないか？と疑ってました（笑）。
落合 いまだに俺が偽装工作したって疑ってるフシあるけど、そもそも俺は心霊スポット行きたくないのにそんなことしないよ(笑)。
——ゾゾゾは、長尾さん、内田さんのキャラクターも際立っていると思います。キャスティングは狙われたんですか？
皆口 実は本当にたまたまなんです。第1回は夜の石神井公園を落合さんと2人で探索したんですが、自分の負担がすごく大きかったんです。それで自分の高校時代の旧友を誘うことにしました。
まず、まーくん（内田）に声をかけたら快諾してくれまして。しょうちゃん（長尾）とはしばらく音信不通だったんですけど、彼のお店に行った時に、心霊スポットを回る番組を作ろうと思ってるんだって話したら「僕も参加したいです」と言ってくれました。
長尾 もともと廃墟とか好きなんですよね。朽ちていくかっこよさ、綺麗さとかが。廃墟めぐりなら、是非番組に参加したいと思いました。
落合 ただ俺は、しょうちゃんのことは全く知らなかったから、はじめて会った時は、「皆口くんがヤバいやつ連れてきた!!」って、焦りましたよ。
もちろん今は仲良しですけど。俺だったら解説できないことをしてくれる、かけがえのないメンバーですね。
——内田さんは、動画の中でかなり怖がっているように見えます。本当なんですか？
内田 僕は恐い作品は好きなんですけど、怖がりなんですよね。ファーストシーズンの実証実験（その場にいて心霊現象が起きないか確認する、など）では全く良いところ見せられなかったのが残念です。
落合 ダイアナ研究所の実証実験は早かったよね!! 「30分いて」って言われてるのに、秒で帰ってきた（笑）。
皆口 ファーストシーズンの最後の方は、まーくんが精神的に参っちゃって。一度なんか、行きの途中のコンビニでアジシオを買ってきて、車の中でペロペロなめてたよね？
内田 アジシオが霊障に効くって聞いたんですよ!!
落合 心霊スポットより、塩なめてるまーくんの方が怖かったよ（笑）。
——作品内では「心霊現象じゃないのか？」という出来事がいくつか起きています。ロケが終わった後にも、なにか不思議なことが起きたりしましたか？
長尾 何かしらあったりしますけど……それはただ日常で起きた悪いことを霊のせいにしちゃってるだけだとも思うんです。霊のせいにしたら、腑に落ちますからね。
皆口 霊障は撮影中であれば嬉しいですけど。終わった後はあまり気にしない方ですが、帰りのドライブは気をつけています。怖い話だと、登場人物が大体心霊スポットの帰りに事故にあって死んじゃいますからね（笑）。
——現場までは大体自動車で行かれているんですか？
落合 俺が運転して行ってますね。目的地に何があるか知らされないまま、住所だけ渡されるんですよ。聞いても、絶対教えてくれない。
皆口 それはやっぱり新鮮なリアクションが欲しいですから。
落合 廃墟のあるような山道は本当に暗いし、道路の状態も悪い。舗装されてない道も多い。地元の人たちはビュンビュン飛ばすし。たぶん、それでみんな事故るんだと思うよ。
長尾 心霊スポットはそもそも危険な場所が多いですよね。現場で焦ってもパニックにならないよう、なんとか自分をセーブしてますね。走り出したい気持ちになることは多いんですが、走っちゃうとパニックに拍車がかかって止まらなくなっちゃうんです。
内田 例えばジェイソン村とか、道は木々が生えてめちゃくちゃだし、どこからともなく音が聞こえてくるんですよ。でも皆口くんは、「行こう」ってどんどん進んでいって。心底なんで行きたがるの？ って思いましたね。
皆口 やっぱりディレクターとしては多少無理をしてでも行きたくなっちゃうんです。カメラのモニターに集中してるせいか撮影中はあまり恐怖を感じないと言うか。ただ、廃墟は本当に危険な場所もあるので、みんなの安全をきちんと配慮できないのはすごく恐いです。
長尾 今まで大きなトラブルなくこれたというのは運がいいのかもしれませんね。
——そんな苦労をされて撮影されているのに、動画の平均分数は15分くらいとかなり短いですよね？
皆口 『ゾゾゾ』を作るってなった時に最初に考えたのが、自分たちの様なタレントでもない人間が心霊スポットを回っても赤の他人からしたらつまらない。自分たちは「面白くない」んだというのを前提に、じゃあどうしたら知らない人に自分たちの番組を見てもらえるか？ を考えて今の形になりました。
主役は心霊スポット。そこを意識して、落合さんたちのトークもどんどんカットして、尺は10〜20分くらいが観て貰える限界なのかなと。
落合 取材の後はファミレスとかに寄るんですよ。皆口くんはカメラを回すんだけど、でもみんなどうせ使われないこと分かってるから、もくもくと飯を食ってますね（笑）。
——ちなみに撮影機材はどのような物を使用しているんですか？
皆口 カメラは私物のiPhoneと古いハンディーカムです。基本的にはiPhoneで撮影して、ハンディーカムでナイトショット撮影をするという感じで。落合さんが番組の収益でもっと本格的な機材を買ってくれたらいいんですけどね？
落合 ん？ でも困ってないでしょ？
皆口 ……まあそうですけど。
——最後にこれからの展望をお聞かせください。
皆口 最近は心霊番組もなかなか放送されなくなりましたが、『ゾゾゾ』を入口に、心霊とかホラーって面白いな、と感じて頂けた人たちにはもっと色んな心霊物やホラー作品を見たり、ホラー映画を見てほしいなと。それでホラー業界全体がまた元気になって、テレビで心霊番組とかたくさんやって欲しいなと思っています。
落合 俺は、現在セカンドシーズンの途中なんですが、最終回まで無事に走りきれればいいなと思っています。
——ありがとうございました!!
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