景気は回復しているはずなのに個人消費は冷え込みまくり トリクルダウンは幻想なのか

2017年7月13日(木)19時26分 キャリコネニュース

7月10日に日銀が出したさくらレポートでは、全国9地域のうち5つの地域で景気判断が引き上げられた。関東甲信越では、「緩やかな回復基調を続けている」が「緩やかな拡大に転じつつある」と上方修正され、景気は順調に回復しているかのように見える。

今後3か月、娯楽や外食費は減らす予定の世帯が多い

他の景気状況を見る指標を見ても、やはり回復傾向にあるようだ。有効求人倍率は今年4月、1.48倍と、バブル期の最高だった1990年7月の数字を超えたと話題になった。先月5月にはこれを上回る1.49倍を叩き出した。

しかし、帝国データバンクの発表では今年上半期の企業倒産件数は4247件と、8年ぶりに前年の同期と比べて増加している。

求人倍率は上昇し、日銀も全国の景気を回復傾向と捉えているにも関わらず、倒産企業件数は増加している。これら相反する事象を合わせると、本当に景気は回復していると言っていいのか疑問が残る。

個人消費も上向いてはいない。内閣府が発表した6月の消費動向調査を見ると、収入の増え方、暮らし向きなどを総合した「消費態度指数」は、前月から0.3ポイント下がって43.3だった。

7月〜9月に、自己啓発や娯楽、外食費などを「今より増やす予定と回答した世帯割合」から「今より減らす予定と答えた世帯割合」を除いた数値「サービス支出DI」もマイナスを記録。今年4月〜6月よりも減らす世帯が多い見込みとなっている。財布の紐は益々固くなるばかりだ。

「景気回復してるのに何で2年連続ボーナスがないんだよ」

ネットでも、景気回復を実感している声は聞かれない。目につくのは

「景気よくなってきたとかタマに聞くけど、どこが?と言いたい 底辺は景気回復なんて無縁」
「景気が回復してきてるのに何で2年連続ボーナスが無いんだよ『来年は払えるかもしれない』って言ってたのに今回も無しか」

などの感想ばかりだ。

日銀は7月13日、2017年の物価上昇率の見通しを下方修正する方向で調整に入ったと、読売新聞などが報道している。消費者の節約志向が強く、価格を上げられない企業が多いため、4月に示した1.4%増の達成が見込めなくなったためと言われている。

総務省が6月30日に出した5月の家計調査速報では、消費支出が15か月連続でマイナスを記録している。トリクルダウンが起きて一般層が景気回復を実感できるまで、あとどれくらいかかるのだろうか。


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