動物でも光合成ができる可能性が。血管に藻類を注入することで細胞に酸素を供給できることが判明(ドイツ研究)

11月8日(金)9時0分 カラパイア

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image credit:Pixabay

 光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物を合成し、その過程で発生した酸素を大気中に供給する光合成

 植物や藻類など光合成色素を持つ生物が行う生化学反応だが、冗談ではなくそれ以外の生物も光合成をする未来も夢ではないようだ。

 最近の研究で、オタマジャクシの血管に生きた藻類を注入すると細胞に酸素を供給してくれることが明らかになったのだ。

 将来的には、脳に藻類を注入して酸素供給源として利用することで、脳梗塞といった低酸素症によるダメージを治療できるようになるかもしれない。

 それどころか、宇宙に長期間滞在しなければならない宇宙飛行士に注入するなんて驚きの可能性すら考えられるそうだ。
・血管に藍藻を注入するとオタマジャクシが光合成を!?

 ドイツにあるルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのスーザン・オズギュル氏とハンス・ストラカ氏らは以前、切断したオタマジャクシの頭部に酸素を流し込むことで神経細胞を生かし続けることに成功していた。

 そこにユニークなアイデアをもたらしたのが植物学者たちだった。彼らと話をするうちに、もしかしたら藻類で同じことができるかも!と閃いてしまったのだそうだ。

 研究グループはアイデアを試してみるために、コナミドリムシや藍藻(Synechocystis)をオタマジャクシの血管に注入し、なんだか植物のような緑の動物を作り出してみた。

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血管に藍藻を注入されたオタマジャクシ。藍藻が血管を通って動き緑色を帯びている
image credit:S. OZUGUR, H. STRAKA

 それから、切断したオタマジャクシの頭部が沈んでいる液体の酸素を減らす。もちろん目の神経はシグナルを発火しなくなった。

 ところが光を照らして藻類を呼び覚ましてやると、数分後に神経が再び発火を始めたのだ。

 コナミドリムシでも藍藻でも、光に反応して酸素を供給してくれたとのこと。まるでオタマジャクシが自ら光合成を行っているかのようだ。

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オタマジャクシの血管内の藍藻(緑色の部分)は光に反応して酸素を生成している
image credit:S. OZUGUR, H. STRAKA

・可能性は無限大だが人体に与える影響についても未知数

 藻類が血管の中でどのくらい生きられるのかははっきりしない。また異物を注入された動物の体への影響も不明だ。

 当然、これをいきなり人体で試してみるわけにもいかないだろう。まだまだ研究を進めて、藻類を血管に注入することの影響をきちんと確かめなければならない。

 ストラカ氏らによると、今後は藻類が脳に酸素以外にどのような作用を及ぼすのか調べる予定であるという。

 藻類はもしかしたら酸素だけでなく、ブドウ糖や神経細胞の振る舞いに影響を与える分子すら供給してくれる可能性だってあるそうだ。

 人類がもう何も食べなくてもいい体を手に入れる・・・そんな未来もあるのかもしれない。

 この研究は北米神経科学学会で10月21日に発表された。

References:Science newsなど / written by hiroching / edited by usagi

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