アレルギーはなぜ発症するのか、親から子へ遺伝もする

11月9日(土)16時0分 NEWSポストセブン

雅子さまも馬アレルギーが報じられた。1997年、御料牧場(栃木県)で慎重に距離を取って馬と触れ合われる雅子さま(撮影/JMPA)

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 11月22〜23日、天皇陛下と皇后雅子さまは即位を奉告するため伊勢神宮を参拝される。平成での伊勢神宮ご参拝では、上皇上皇后両陛下は参道を儀装馬車で移動された。しかし、宮内庁の発表によると、今回馬車に乗られるのは天皇陛下のみで、雅子さまは御料車(自動車)を使われるという。前例を踏襲しない理由は、雅子さまの重度の「馬アレルギー」が原因だという。


 このニュースに触れた多くの国民が、頭の中で疑問符を浮かべた。なぜなら、大の動物好きの雅子さまが、馬と触れ合うお姿が過去に幾度と伝えられてきたからだ。


 しかし、本人の意思とはまったく関係なく発症するのがアレルギーというもの。昨日まで平気だった食べ物や生き物が、突然、健康を脅かす存在に転じてしまう。これは、誰にでも当てはまる話である。


 最新の研究では、アレルギーはある程度遺伝することもわかってきている。国立病院機構相模原病院副臨床研究センター長でアレルギー性疾患研究部長の海老澤元宏さんが話す。


「一度アレルギーを発症すると、遺伝子のアレルギースイッチがオンの状態になり、生まれてくる子供に伝わります。親がアレルギーの場合、子供もアレルギーを発症しやすくなるのです」


 アレルギーに悩まされる人々は年々、増加しているとされる。


「現在、日本人の2人に1人がなんらかのアレルギーを持っているという報告があります。厚労省の2005年度の『リウマチ・アレルギー対策委員会報告書』では3人に1人だったので、今でも増え続けていることは間違いありません」(海老澤さん)


 20世紀より前には、ほとんど症例がないというアレルギーが世界各国に広まったのは、1945年に終戦を迎えた第二次世界大戦後とされている。1940年代に米国でアレルギー学会が設立されたのを皮切りに、日本では1952年、韓国では1972年、中国では2000年代に設立された。


「衛生状態が改善する一方で大気汚染が進行するなど、あらゆる環境要因がアレルギーを引き起こす原因になっていると考えられています。生活が近代化するとともに、多くの人にとって身近な存在となったのです」(海老澤さん)


 まさに“現代病”と呼べるこの症状を知るため、まずはその仕組みを簡単に説明しよう。


◆くしゃみが出るのは寄生虫を追い払うため


 気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど症状はさまざまだが、体内で発症している原因はいずれも「免疫システムの暴走」だ。


「もともと人間には、細菌やウイルスなど人体に悪影響を及ぼす可能性のある異物を排除して、体を守ろうとする仕組みが備わっています。それが『免疫』です。ところが最近は、食物や花粉など、排除しなくてもいい対象にまで過剰に反応することがあり、それが、くしゃみやかゆみ、炎症などのアレルギーを引き起こしてしまうのです」(海老澤さん)


 免疫のシステムの中でも、「IgE(アイジーイー)抗体」という物質は、本来、ギョウ虫やダニなどの寄生虫を排除するために発達したといわれている。日本機能性医学研究所所長で医師の斎藤糧三さんが解説する。


「鼻が詰まるのは、寄生虫が体内に侵入するのを防ぐため。鼻水が大量に出るのは体の外へ押し流すためで、かゆくなるのは、寄生虫を指でかき出させるための反応です。一般的に“アレルギー”と呼ばれる症状はIgE抗体がかかわっています。生活環境や大気汚染による影響のほか、免疫調整を行うビタミンDが欠乏していることも要因となり、寄生虫対策だったはずのIgEによるアレルギーが近年増えています」


 IgE抗体によるアレルギーは、原因となる物質(アレルゲン)が体内に侵入して2時間以内に症状が出る「即時型」の反応のため自覚しやすい。花粉症で鼻水が出る、動物を抱くと目がかゆくなる、ハウスダストで咳が止まらなくなるなどがそうだ。


 一方で、アレルゲンが体内に侵入して6時間以上経過しなければ反応が出ない「遅延型」と呼ばれるアレルギーもある。


 なかには金属アレルギーのように、アレルゲンの侵入から数年後に反応を起こすタイプもあり、発症する原因も個人差が大きい。


※女性セブン2019年11月21日号

NEWSポストセブン

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