1000年周期で発生する「原因不明の宇宙線嵐」の存在が判明! 電子機器全滅、現代文明崩壊へ

2022年11月9日(水)20時0分 tocana


■致命的な宇宙線嵐

 原因不明の謎の宇宙線嵐が1000年に一度発生していることが最近の研究で判明した。もし、今日その宇宙線嵐が地球を襲った場合、文明社会が壊滅する恐れまであるという。


 具体的には電子機器類が大きな影響を受けることになる。人工衛星、インターネットケーブル、長距離送電線、変圧器が破壊され、テクノロジー社会は大きな打撃を受ける。


 この神秘的で予測不可能、かつ壊滅的な被害をもたらす可能性のある宇宙線嵐について、新たな詳細を明らかにしたのは、オーストラリア・クイーンズランド大学の研究者らだ。同大の数学・物理学部の研究者たちは、数千年前の木のデータに最先端の統計学を適用し、宇宙線嵐に関するより深い洞察を得た。その結果、三宅事象(Miyake Event)として知られる宇宙放射線の大規模な放射が、およそ1000年周期で発生していることが示されたというのだ。


 三宅事象は「775年の宇宙線飛来」のことを指す。2012年に名古屋大学太陽地球環境研究所の研究チームが屋久杉の年輪を検査した結果、西暦775年にあたる年輪から炭素14やベリリウム10などの放射性物質の割合が過去3000年間の間に最も高くなることを発見した。名称は同大宇宙線研究部准教授の三宅芙沙氏に由来する。


太陽フレアではない

 三宅事象は、巨大な太陽フレアが原因だと考えられている。しかし、その正確な発生源はまだわかっていない。ただ、いずれにしろ、現在このような現象が起こった場合、人工衛星やインターネットケーブル、長距離送電線、変圧器などが破壊され、世界のインフラに甚大な影響を与えることは明らかだという。クイーンズランド大学のQingyuan Zhang氏は、あらゆる情報源からの木の年輪データを分析するソフトウェアを開発。木の年輪を数えれば、その木の年齢を特定することができるが、同時に数千年前に起こった宇宙規模の出来事を観察することも可能になる。その際に重要となる指標が放射性炭素14 だ。これは放射線が大気に当たって生成されるもので、海、植物、動物を通過し、放射線の年間記録として木の年輪に蓄積される。


 三宅事象の規模と性質を知るために、クイーンズランド大学の研究らは1万年にわたる地球の炭素循環をモデル化した。かつて、三宅事象は巨大な太陽フレアによって引き起こされると信じられていたが、科学的なデータや研究結果はこれを否定するものだった。


 まず、太陽黒点活動と三宅事象には相関がないことがあげられる。研究者らによると、1000年周期の宇宙嵐は、単一の爆発というよりも、天体物理学的な嵐や暴発であると考えられるという。いずれにしろ、三宅現象が何であるか未知であるというのは、恐ろしいことだ。その発生を正確に予測することも不可能だが、今後10年以内に再び三宅現象が起こる可能性は、データによると約1%とのこと。とはいえ、これは1000年に1回の発生だから10年以内に発生する確率は1%であるというだけで、予測というよりは簡単な算数だろう。原因の解明、次の発生時期の精確な予測、そしてそれに対応するだけの時間が人類に残されていることを祈りたい。


参考:「Curiosmos」、ほか

tocana

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