『プランタゴ』代表/ランドスケープデザイナー・田瀬理夫さんの選書

2022年11月12日(土)11時1分 ソトコト




1. Architecture Without Architects


1964年にニューヨーク近代美術館で行われた同名の展覧会のカタログ。どんどんなくなっていった伝統的な町並みや住居が記録されています。人々が当たり前につくってきた美しさが、今では当たり前につくれないことが残念です。


著者:Bernard Rudofsky
出版社:Doubleday & Company


2. 土地は誰のものか ─人口減少時代の所有と利用


ランドスケープの仕事をしていると土地にしばられていると感じることがあります。この本に示されている地域の人たちが土地を共有する「総有」という概念が受け入れられれば、心地よい景観がつくりやすくなると思います。


著者:五十嵐敬喜
出版社:岩波書店


3. 夜明け前(第1部・第2部)


あまり小説は読まないのですが、いちばん感動した小説です。明治政府による土地所有制度の変革に翻弄される馬籠宿の庄屋の当主が主人公です。土地を所有することと利用することについて、多くを考えされられました。





著者:島崎藤村
出版社:新潮社


4. DESIGN WITH NATURE


地域開発を行う際には、開発する場所だけではなく、より広域の情報を科学的にかつ詳細に集め、周囲の植生や集落の形成過程、地域の課題を理解することが大切。環境を開発するときの視点を勉強するにはいい本です。





著者:Ian L MaHarg
出版社:Doubleday & Company


5. 大都会に息づく照葉樹の森 ─自然教育園の生物多様性と環境


東京都港区白金台の「自然教育園」は、東京の自然の植生が唯一残っている貴重な場所です。その園内の動植物や昆虫、菌類などについて写真とともに解説しています。読むだけでなく、実際に訪れてみてください。





著者:濱尾章二(編)、松浦啓一(編)
出版社:東海大学出版会


田瀬理夫さんが選ぶ「植栽×プレイスメイキングを楽しむ本5冊」

photographs by Hiroshi Takaoka & Yuichi Maruya text by Reiko Hisashima
記事は雑誌ソトコト2022年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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