無料貸本屋論争とは?

11月15日(水)12時0分 ビーカイブ

大手出版社の文藝春秋社の社長が、2017年10月の全国図書館大会において、図書館での文庫本の貸出中止を要請し話題となりました。図書館が本を無限に貸し出すことによって、出版社の売上を下げているといった批判は常々行われてきました。これらは総称して無料貸本屋論争と呼ばれます。





貸本屋とは?


現在はあまり見る機会はありませんが、かつては貸本屋という商売がありました。小説やマンガ本などを、一週間などの単位で貸し出すものです。貸本屋専門のマンガも存在し、その中にはのちに有名になった人間が多くいることもあって、現在ではプレミア価格がついています。


無料貸本屋


貸本屋は商売ですから当然レンタル料金を取ります。一方で公共図書館は完全無料の原則があるため、無料で本の貸出をしています。それが無料貸本屋として批判されているのです。なぜ批判されるのかといえば、図書館が貸し出す本の中には、ベストセラーや、あるいは現代の日本文学の人気小説などが含まれるためです。さらに、一部の図書館ではマンガ本なども貸し出しています。


保障がない


例えばDVDやCDなどはレンタルがなされていますが、その商品には価格に上乗せしてレンタルの保証金が支払われています。その金額は本体価格のおよそ2倍から3倍程度です。しかし、書籍の場合は、そうした補償金額はありません。本を1冊買い、その値段で何十人何百人と貸し出されてしまっては商売あがったりというのが出版社の本音でしょう。


借りる側のモラル?


しかし、図書館はあらゆる資料を公平に提供する義務があります。それは民主主義の根幹にある精神とも重なります。さらに本を借りる側が、図書館で借りることができなければ定価を出して本を買うのかという問題もあります。本を買わない、買ったとしても新古書店などで安い本を探すという選択肢を取った場合には、こちらも出版社への利益はありません。こうして見ると本が売れない問題は図書館だけに原因があるわけではないことがわかります。

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