龍のオブジェの圧がすごい... ここが「恋人の聖地」だと?お寺に理由を聞いてみた
2021年11月15日(月)8時0分 Jタウンネット
「もう恋人の聖地のことよくわかんないよ」
そんなコメントを添えられた1枚の写真が、2021年10月24日、ツイッター上に投稿された。
こちらは、写真の投稿者が高台寺(京都府京都市)の庭園で発見、撮影したもの。
フサフサした体毛や鋭い牙、長い角やヒゲなどからわかる通り、大きな龍の頭のオブジェである。その力強い見た目から、「魔除け」とか「必勝祈願」といったご利益がありそうな雰囲気だ。
しかし、隣の立て看板に書かれているのは、
「恋人の聖地」
の文字。恋愛にまつわるもののようだが......、見た目とのギャップがすごい。
投稿者も、実際に発見した際は「恋人の聖地ってこういうのだっけ?」と思ったという。
龍の頭だけではなく......
なぜ、この龍の頭が「恋人の聖地」となっているのだろうか。
Jタウンネット記者は11月8日、オブジェについて高台寺・事務長の田中敬子さんに話を聞いた。龍の頭は、2012年に本堂前の庭園「波心庭」で行われた夜間特別拝観のために、専属の庭師に依頼して制作してもらったものだという。
ただ地面に固定されているわけではなく、移動させることも可能。基本的には、寺の出口近くの甘味処・「雲居庵」に設置されているという。
また、オブジェの隣に立てられた看板は、2020年の秋に設置されたもの。
だとすると、最近になって龍の頭が「恋人の聖地」化した......?そう思う人もいるかもしれない。
実は、そもそも高台寺全体が「恋人の聖地」なのだという。
豊臣秀吉の妻「ねね」が建てたお寺
では、高台寺が「恋人の聖地」となった由来はどういったものなのだろうか。Jタウンネット記者は改めて田中さんに聞いてみた。
高台寺は、かの豊臣秀吉公が没した後、その妻である北政所(ねね)が彼の供養をするために建立したもので、
「この話からもわかる通り、お二人は非常に仲の良い夫婦でありました」
と田中さん。
そうしたエピソードがあったことから、今から十数年前、全国の観光地域の中から「恋人の聖地」を選定するNPO法人地域活性化支援センター(静岡県静岡市)に申請し、正式に聖地として認定されたという。
また、境内の中であえて龍のオブジェの横に「恋人の聖地」の看板を立てた理由については、
「拝観に来たお客様が通る順路の中で、この場所が一番ゆっくりお写真を撮っていただけると思ったからです」
とのことだ。
読者の皆さんも、夫婦や恋人同士で足を運んでみてはいかがだろう。秀吉とねねのように、より二人の仲が深まるかもしれない。龍のご利益も凄そうだ......!