「オススメのホラー映画ベスト3」を『地獄少女』白石晃士監督が選出! 新作は“青春ホラー”の傑作!!

11月14日(木)18時0分 tocana

 白石晃士監督の『地獄少女』が11月15日(金)に全国で公開される。


『地獄少女』とは、2005年から放送されているテレビアニメだ。


 一話完結ものの作品で、各話に主人公がいる。主人公は「いじめられている」「肉親を事故で失った」など怨みを抱えて生きている。


 強い怨みを持った者が、午前0時にのみアクセスが可能になる「地獄通信」というウェブサイトがある……という都市伝説が流れており、主人公たちはこのサイトの存在を知りアクセスする。


 そして地獄へ流したい者の名前を書いて送信すると、地獄少女こと「閻魔あい」が三藁こと「一目連」「骨女」「輪入道」と共に現れて主人公の怨みを晴らしてくれる。標的になったものは永遠の地獄へ送られる。


 ただしハッピーエンドではない。


 依頼した者もまた、死後は地獄へ送られてしまうという代償が待っている。まさに、「人を呪わば穴二つ」の物語だ。


 深夜アニメとしてスタートした『地獄少女』だったが異例の高視聴率番組になった。


 2005年から2009年にかけて第一期〜第三期が放送され、2017年には8年ぶりに第四期が放送された。


 人気はアニメだけではおさまらず、漫画、小説、舞台、テレビドラマ、ゲーム、パチンコ、とあらゆるメディアで展開している。


 そして白石晃士版『地獄少女』は、初の劇場版映画であり、ファンからはとても期待されている作品だ。


 注目のキャストは、主人公閻魔あいを玉城ティナが演じている。玉城ティナは『貞子vs伽椰子』の女子高生役以来の白石監督とのタッグになる。最近では『Diner/ダイナー』(2019)『惡の華』(2019)と立て続けにヒット作・話題作に出演、鮮烈な演技が話題を呼んだが、今回は感情を表に出さない人ならざる存在“閻魔あい”を、徹底した役作りで見事に体現している。


 さらに、骨女に橋本マナミ、一目連に楽駆、輪入道に麿赤児、と豪華な配役がなされている。


 白石監督は前作が2018年に『不能犯』、2016年に『貞子vs伽椰子』と、原作アリの作品が続いている。ただ、どちらもかなり“白石色”が強い作品になっている。


 今回の作品は、白石監督のオリジナル脚本である。


 『地獄少女』の噂でわく女子高生たちグループ。その中にいながらも、あまりなじめず浮かない表情を浮かべる市川美保。クラスではそんな日和見な雰囲気で過ごす彼女だが、大好きなアーティスト魔鬼(マキ)のライブには足繁く通っていた。


 ライブハウスで出会った、クラスにはいない奔放なタイプの女性・南條遥とは打ち解け合い、一緒に魔鬼のコーラスのオーディションを受ける。だが、受かったのは遙だけであり、そしてその後なぜか遙は美保に冷たくなっていく……というストーリーを軸に、様々な人間の「怨み」がからみあう話になっている。


 誰が誰を怨んで地獄に流し、そして自らも地獄へ流されるのか……、ぜひ映画を見て確かめてほしい。


 今回は試写会で映画を拝見させてもらった。


 個人的には「青春」の匂いがプンプンとする作品だと思った。映画を見た後に監督の発言をたどってみると、やはり『青春映画』だと語っていた。


 登場人物は、女子高生、アイドル、バンドマン、ルポライターと様々だが、それぞれの正義や怒りや目的を持って生きている。


 最初は、無目的に生きているように見える市川美保も、南條遥と関わってからは生き生きと人生を楽しみはじめる。ただ活動的になるがゆえに、人を怨む羽目にもなる。


 キラキラと楽しくリア充な生活をするのも“青春”だが、人を憎んで憎んで復讐するのも“青春”である。


 “青春”の明暗を真正面から描いているのがとても潔いと思った。


「ホラー映画に青春なんて……?」


 と思うかもしれないが、意外にも“青春”と“ホラー”はよく合う。


 僕は、アメリカのホラー小説家、スティーヴン・キングがとても好きなのだが、その作品の多くからは青春の匂いがただよう。


 例えばデビュー作品である『キャリー』は、いじめられっ子である主人公の女子高生がテレキネシスでクラスメイトをぶち殺す、まさに“地獄の青春”を描いたホラー小説だ。


 子供の頃に、映画『キャリー』を見てプロムパーティーの存在を知り、


「日本に生まれて良かった」


 と心の底から思ったものだ。


 青春とは「若い時分」という意味だが、主人公が、若くなくても青春の匂いがする作品はある。


 例えば『ビッグ・ドライバー』という短編小説では、主人公は中年の女性小説家だ。しょぼい講演会の帰り道、残りの人生のことを考えながらとぼとぼと自動車で帰っている途中、暴漢に拉致されレイプされてしまう。その場で殺害されかかったが、なんとか生還した。彼女は泣き寝入ることも考えたが、結局は復讐を決めて立ち上がり銃を手に取った。


 それからはただただ自分をレイプした男“ビッグ・ドライバー”を殺すための孤独な戦いの日々がはじまる。


 彼女がその行動を選んだことが正しいかどうかは分からない。


 しかしとにかく彼女の生活はゆるやかで平和なものではなくなり、復讐にメラメラと燃える生き方になる。目的を果たすため、運命にあらがうために全力で戦う姿に“青春”を感じるのだ。


 ……と、遠回りしてしまったが『地獄少女』は登場人物たちの“地獄の青春”が詰まった作品だと思う。登場人物のそれぞれが自分の命をバチバチ激しく燃やしながら、戦う姿が全編に描かれている。


 白石晃士監督の新作『地獄少女』ぜひ劇場で御覧ください。


 というわけで今回は特別に、白石晃士監督にオススメのホラー映画ベスト3を紹介してもらいました。


 どれも古典的で有名な作品ですが、未見の方はぜひ見て下さい。


『遊星からの物体X』

1982年 アメリカ

監督 ジョン・カーペンター

主演 カート・ラッセル


<概要>男所帯の南極探査基地に現れた地球外生命体“The Thing”。寒く閉鎖された南極を舞台に、自由に他の生命体に擬態する“The Thing”と戦い続ける男たちを熱く描く。


<白石監督解説>

 女が1人も出ないホラー映画です。「男だけでもホラー映画になるんだぞ」って示しましたね。


 実体を持たない宇宙生物が、乗り移った先の動物の要素を取り込みつつ次々に移っていき、人間の中に潜んで「誰が宇宙生物か分からない」という疑心暗鬼し合うサスペンスになるのがとても面白いですね。


 これは初めてレンタルビデオで借りた作品でもあります。父親がレンタル屋に入会して借りてくれたんですが……おそらく父親はアダルトビデオ目当てだったと思うんですが(笑)。


 二泊三日で1800円だったか、かなり高額のレンタル料金で借りました。まだビデオを見るのが高級の時代だったので、電気を消して、家族みんなで夕食を食べながら見ましたね。


「なんて素晴らしい映画だろう!!」って思いました。


 そんな思い出もある映画です。


(白石監督とは、1999年に2人でジョン・カーペンターの『ヴァンパイア/最期の聖戦』を観に行きました。「うーん……」という感じで、2人ともガッカリしながら映画館から出てきました。/村田らむ)


『死霊のはらわたⅡ』

1987年 アメリカ

監督 サム・ライミ

主演 ブルース・キャンベル


<概要>1981年公開『死霊のはらわた』の続編。山荘に入り込んだ主人公たちが、死者の書とテープレコーダーを発見。テープレコーダーを再生させると、森の悪霊たちが復活し彼女が悪霊化してしまう。……と前半は1と同じ流れだが、後半まさかの反撃作戦に出る。


<白石監督解説>

 1作目も笑えるホラー映画って言われてましたけど、死霊のはらわた2ではさらにコメディ感が増してますね。ギャグと言ってもいいかもしれません。


 悪魔に乗り移られた自分の手をチェーンソーで切りとり、その血がしたたる腕にチェーンソーをガチャンってハメ込んで悪霊と戦うんですよ。最高ですよね? 


 スプラッタホラーではじまっているのに、アクション映画(例えばエイリアン2の最後のシーンのような)のようになっていくのに注目です。


 自分の映画でも


「作品の中でジャンルを越境していく」

「ジャンルがスライドしていく」


 というのが好きなんです。


『悪魔のいけにえ2』

1986年 アメリカ

監督 トビー・フーパー

主演 デニス・ホッパー


<概要>1974年公開『悪魔のいけにえ』の続編。前作は、人の皮をかぶってチェーンソーを振り回す殺人鬼レザーフェイスに若者が次々に殺されていくという内容だった。前作殺された叔父のフランクリンがレザーフェイス一家に復讐する。


<白石監督解説>

 悪魔のいけにえは傑作ですが、年齢的にリアルタイムでは見てないんですね。『悪魔のいけにえ2』は当時映画館で見て、最高の思いをした作品です。一作目にさらに輪をかけて全編ブラックユーモアで彩ったような映画ですね。スプラッター大丈夫な人なら絶対に楽しめる作品です。


 1で甥っ子を殺されたデニス・ホッパーが、2丁拳銃ならぬ2丁チェーンソーで戦うんですよ!! 最高でしょ?

(文=村田らむ)

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