「じーじのピアノ聞きたい」元ジャズピアニストの85歳に孫娘が無茶ぶり ストリートピアノを弾いてもらったら...大阪・梅田に感動の渦

2023年11月17日(金)8時0分 Jタウンネット

2023年11月5日、X(ツイッター)に投稿された2つの動画付きポストが、いま話題になっている。

動画には、こんなコメントが添えられている。

「ジャズピアニストを数年前引退した父85才に無茶振りしてヨドバシのストリートピアノ弾いてもらったら人集まってきて拍手貰いました」

ストリートピアノで弾かれているのは、「愛の讃歌」と「Night and Day」。動画を観ていただくと分かるが、大阪梅田のヨドバシカメラだというが、周囲の雑踏が、あたかもお洒落なJazzBarのような雰囲気にも感じられてくる。演奏しているのは、なんと85才!? ジャズピアニストを数年前引退した、お父上だという。

「この指10本で育った私......泣いた」とつぶやく「町不動産」(@machirealestate)さんの投稿には、4万3000件を超える「いいね」(11月10日時点)が集まるとともに、歓声も上がっている。

「手の運びの美しさ、さすがですね」
「素敵な音色でした」
「あぁぁこの曲でこのまろやかタッチに感動!」
「85歳の服装じゃないw めちゃくちゃオシャレww」
「演奏も佇まいも素敵です!」
「素敵な音色 素晴らしいお父様!」
「その場で聴いてみたかったです。なんて素敵な音なんでしょうか」

ジャズピアノの穏やかで優しい音色に心を打たれた人々の、感動の渦が広がっているようだ。

どんなきっかけでストリートピアノを演奏することになったのか? Jタウンネット記者は、投稿者の「町不動産」さんに話を聞いてみた。

「じーじのピアノ聞きたい」

「町不動産」さんによると、ストリートピアノの動画を撮影したのは、11月5日の13時過ぎ。場所は梅田ヨドバシの一階正面玄関外だった。

その日は町不動産さんの妹と甥っ子が東京から久々に帰阪しており、元ピアニストの御父上とランチすることになっていた。町不動産さんもそこに誘われ、たまたま家に帰ってきた23歳の娘、25歳の息子と共に参加したという。

「その際、娘が『じーじのピアノ聞きたい』と言ったため、ストリートピアノを探して、ヨドバシに頼んだら快諾してくれたため、ランチ後みんなでヨドバシのストリートピアノに集まった感じでした」(「町不動産」さん)

孫娘のたってのリクエストに、85歳のジャズピアニストが応えてくれたというわけだ。

素晴らしい演奏を聞かせてくれたお父上の経歴を聞くと、「町不動産」さんは次のように答えた。

「父は大学を卒業後松下に就職し、アルバイトで大阪北新地のラウンジでピアノを弾いていたのですが、私が生まれたことをきっかけにミュージシャン専業になったらしいです。最初はトリオ(?)などもやっていたそうですが、ソロの活動がほとんどと聞いています」(「町不動産」さん)

北新地のラウンジやクラブで磨きあげたピアノの腕——いかにもジャズミュージシャンらしいキャリアではないか。酔客たちのざわめきの邪魔をせず、しかも飽きさせることもない。プロの技が試される戦場と言える。

「町不動産」さんは、こんな投稿もしている。

「昔結婚した時、豪華なホテル披露宴で主賓は議員や銀行の副頭取だったりしたわけですが、最後に新婦の父親の挨拶がわりのピアノ演奏で皆号泣し見事に全部持っていかれ、皆『お父さんのピアノがよかった泣いた』しか反応なかった伝説をお話ししておきます」(「町不動産」さん)

新婦の父親の挨拶がわりのピアノ演奏とは......、なんとも泣かせるエピソードではないか。きっと人生の歓びや、哀しみさえも染み込んだような、素敵な音色だったに違いない。

「町不動産」さんは別途、同日演奏した他の3曲「枯葉」「ひまわり」「Sermonette」の動画も投稿している。もっと聴きたいと思った方は、こちらも視聴してはいかがだろう。いつまでも聴いていたい......、そう思ってしまう。

じーじのピアノ、素晴らしい!

Jタウンネット

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