幼保無償化、ひとり親家庭の18%が負担増

2019年11月19日(火)19時45分 リセマム

2019年10月からの幼児教育・保育の無償化により、教育にかかる費用が変わったか

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幼児教育・保育の無償化による便乗値上げで、低所得世帯や多子世帯にとってトータルの負担額が増えてしまう「逆転現象」が発生していることが、ひとり親支援協会エスクルの調査結果より明らかになった。エスクルは2019年11月18日、内閣府へ問題点の改善を要望した。

 ひとり親家庭における幼児教育・保育の無償化による影響調査は、ひとり親(シングルマザーとシングルファザー)、ひとり親予定者の男女を対象に実施し、103件の回答を得た。調査期間は2019年9月26日から30日。

 2019年10月からの幼児教育・保育の無償化により、教育にかかる費用が変わったか聞いたところ、「トータルの負担額は減った」51.5%、「負担額は変わらなかった」21.8%、「トータルの負担額は増えた」18.8%。過半数の家庭で負担額が減った一方、負担額が増えた家庭もあった。

 トータルの負担額が増えたケースでは、「保育料免除は変わらないが主食費値上がり+副食費の追加、施設費の見直し、延長保育代の改定」など、便乗値上げが見受けられた。9月まで保育費が無料・低額であった低所得世帯において、主食費や園用品、行事費、延長保育料などを値上げした場合や、多子世帯の保育料を免除してきた自治体においては、副食費が新たに追加・増額したことで世帯収入に関わらず、トータルの保育料の負担が増える「逆転現象」が発生しているという。

 今回の無償化により、多くの子育て世帯の生活が向上されるが、その一方で低所得世帯や多子世帯など、本来、経済的支援が必要な、生活の苦しい家庭にしわ寄せが及んでいる。これらの調査結果を受けて、エスクルは11月18日、「便乗値上げへの行政指導の強化」「逆転現象への対応」「待機児童対策、保育士・幼稚園教諭の待遇改善」を内閣府に要望した。

リセマム

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