「やき弁」は洋風になっても「やき弁」だった 新発売のパスタ風フレーバーを食べてみた結果

2021年11月21日(日)11時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第六十九回 東洋水産「やきそば弁当」の「ミートソース風」と「クリームソース風」 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」連載の第六十九回目となる今回は、北海道のソウルフード「やきそば弁当」シリーズから発売された新商品、「ミートソース風」と「クリームソース風」をレビューしていきます。

「やきそば弁当」は、1975年発売の東洋水産の北海道限定カップ焼そばシリーズ。北海道では、全国的に有名な「UFO」や「ペヤング」を差し置いて圧倒的に支持されるソウルフード的な存在で、「やき弁」として親しまれています。

大きな特徴は戻し湯で作る「中華スープ」の素が付いていること。塩気強めなスープで、「UFO」や「ペヤング」に比べるとやさしい味わいのソースと相性抜群です。

また、やさしい味なのでアレンジやしやすいのも特徴で、マヨネーズやふりかけなど、道民は独自の食べ方の流儀を持っている場合が多いです。

北海道のソウルフード「やきそば弁当」がパスタ風に

今回の2品は「ミートソース風」と「クリームソース風」。どちらもパスタを意識したフレーバーだと思われます。

以前は「spa王」シリーズを始めとして、カップパスタが多く発売されていましたが、最近かなり少なくなっています。

これは糖質制限やダイエットのブームと相まって、特にイタリアンを好む層が、糖質の多いカップパスタよりも少しだけパスタの入ったカップスープ系を好んでいるからではないか......と勝手に推測しています。

現在はカップ焼そばでパスタ系の味が出ることが多くなっています。「やき弁」でも以前に「ナポリタン風」が出ていたことがありました。

さて、いつもの「やき弁」は「中華スープ」が入っていますが、今回は洋風なフレーバーに合わせてか、「オニオンスープ」が付いています。

焼そばの味自体はもちろん、オニオンスープと焼そばの相性も気になるところです。

「やき弁」パスタ風2品の内容物を確認

「ミートソース風」は3袋、「クリームソース風」は2袋の別添袋が入っています。そのうち、スープの素とふりかけがつながった袋は2商品共通のようです。カップには麺のみ入っており、麺も2商品同じものが入っていました。

「ミートソース風」のみ、先入れの「かやく」が付いており、大豆ミートや玉ねぎ、ニンジンが入っています。量はいつもの「やき弁」に比べてだいぶ少なめ。

ゆるくイタリアン!「ミートソース風」

まずは「ミートソース風」。パスタの大定番フレーバーをカップ焼そばに落とし込んだ商品です。

ナポリタン風のカップ焼そばはこれまでにも登場していましたが、ミートソースは王道味ながらあまりカップ焼そば化されていません。

トマトベースのミートソース風ソースに、いつもの「やき弁」より太くて縮れのついた油揚げ麺と、ミートソース風の具、そしてパセリの入ったふりかけが合わせられています。

トマトの風味や玉ねぎ、ニンニクなどはしっかり感じられますが、肉の旨みがおとなしく、塩気も弱め。そしてソースの量がそれほど多くないため、麺と混ぜてしまうとミートソースらしいペースト感がなくなってしまいます。良くも悪くもミートソース「風」のゆるいイタリアンで、「やき弁」らしい塩気の穏やかな味でした。

ミートソース風の具が入っていますが、挽肉ではなく大豆ミート。具からも肉の旨味は感じられません。

ただ、刻んだ玉ねぎやニンジンからは多少、ミートソースの雰囲気が出ていました。ふりかけはパセリ。

ソースの味が穏やかなので、相対的に油揚げ麺のスナック的な風味が前に出てくるところに「やきそば弁当」らしさ、カップ焼そばらしさが感じられ、ミートソースらしさやイタリアンっぽさよりも強い印象でした。

カルボナーラ風焼そば?「クリームソース風」

続いては「クリームソース風」。「ミートソース風」に比べると味をイメージしにくいですが、クリームの麺ということでカルボナーラっぽさもあるのでしょうか?

カルボナーラ風のカップ焼そばならば、「UFO」や「ペヤング」でも出ていたことがあります。

真っ白なクリームソースに、いつもの「やき弁」より太めの麺と、「ミートソース風」と共通のパセリや黒胡椒が入ったふりかけが合わせられています。具はありません。

クリームベースにチーズやバターの風味が感じられる濃厚感のあるソースで、味に厚みが感じられる一方、やはり塩気は穏やかで、ソースの量も少なめ。「ミートソース風」と同様に麺のスナック風味が強めに感じられました。

ふりかけに入っている黒胡椒とクリームソースが合わさることでカルボナーラ感が多少出ますが、ベーコン要素が一切ないため、カルボナーラ風ではなく、商品名通りクリームソース風でした。

「オニオンスープ」も試してみた!

麺を戻したお湯で作る「オニオンスープ」も試してみました。玉ねぎの風味が感じられる洋風なスープで、いつもの「中華スープ」に比べると多少塩気は穏やか。

「やき弁」の塩気穏やかなソースに合わせるには、塩気強めのいつもの「中華スープ」の方が、相性が良いように感じました。

というわけで、北海道名物「やきそば弁当」の新商品2品をご紹介しました。

ごちらもイタリアンな空気を漂わせつつも、「やき弁」らしさの方が勝る味わい。

ミートソースやクリームソースを食べたいなら他の商品もあるので、「やき弁」らしさが強調されている方が買う人のニーズに合っていそうです。

北海道外ではなかなか手に入らない商品ですが、北海道名物でありつつイタリアンな風も纏う「やき弁」2商品を、北海道旅行のお土産のひとつにでもいかがでしょうか。

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