「流産しろ!」 川崎希も行なったネット誹謗中傷への法的措置とは

11月23日(土)8時41分 しらべぇ

川崎希

タレントの川崎希さん(32)が、インターネット上の匿名掲示板に書き込まれた誹謗中傷に対して法的処置を講じ、注目を集めました。

「ネット上の誹謗中傷」は現代の情報社会において、ごく身近な問題です。川崎さんが行なった「情報開示請求」について、わたくし、弁護士の齋藤健博が解説します。


■情報開示請求とは

正しくは、「発信者情報開示請求」といいます。

問題のある書き込みなどの情報について、プロバイダ責任制限法4条に基づき、インターネット上で自分の名誉権を侵害する書き込みを認める場合には、その発信者が誰なのかがわからないと、不法行為責任の成立を主張するなどして、慰謝料請求などの法的責任追及に乗り出せません。

そのため、匿名の書き込みであっても、その情報発信者の住所・氏名などの情報を有しているプロバイダに対しては、発信者情報の開示を請求する権利が認められています。

自分の名誉権などを侵害する書き込みを見つけたら、まずはプロバイダに対して、誰が書いたものなのかの情報を求めることが可能です。


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■どんな罪になる? 慰謝料はいくらか

民事上の損害賠償請求と刑事上の責任追及・対処が考えられます。ただし、民事上の請求をする場合でも、事案が名誉棄損、プライバシー権侵害、侮辱行為のどれに該当するのかによって変わっていきます。

場合によっては指名権・肖像権・パブリシティ権・平穏な生活をする権利なのか、営業権の侵害なのか、慰謝料の金額は一概には言えません。

刑事罰としては、名誉棄損罪や営業活動などに対する妨害であれば威力・偽計業務妨害罪の成立が考えられます。たとえば「リベンジポルノ」は、リベンジポルノ防止法が施行されましたから、刑事罰が定められています。

■時間と費用はどのくらいかかる?

対象となるURLに記載されている該当箇所が、法律的に不法行為責任を負う内容になっているのか、ドメイン登録やサーバー管理者はどこなのか、また、時効などの問題もあるため、どの程度の期間が経過しているのかなどの要素を検討し、どのような請求を行うのかを確定しなければなりません。

ガイドラインに沿った請求で削除が期待できるのであれば、費用は大きくかかりませんが、仮処分や訴訟を検討する場合には、半年から1年、平均して50万円前後はかかるとみるべきだと思います。


■なぜネットの誹謗中傷は減らない?

一つの考え方に、発信者の特定の困難性は指摘すべきでしょう。基本的に権利侵害を認めたとしても、その情報を誰が発信したのかを特定するのに、場合によっては勝訴判決まで得て、それでも誰が書き込んだのかを特定できるのにとどまり、慰謝料などがただちに払われることはありません。

なお、開示訴訟が提起されると被告プロバイダ側は、対象となっている記事の発信者に対して意見照会は行なっていて、開示に同意をする場合には判決を待つ必要もないこともあるのですが、拒絶される場合には争いが継続していきます。

プロバイダは要は板挟みの状態にあるわけですし、誹謗中傷を受けた側の認識では、どうしても加害者に加担していると思ってしまいがちですが、裁判で確実に効果を出していくためには、時間がかかる。

そのため、実際の責任追及を断念してしまう人があとをたちません。これも、誹謗中傷を野放し状態にしてしまっている一つの原因でしょう。


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(文/しらべぇ編集部・齋藤 健博



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