長野県民しか知らない? 謎のご当地インスタント麺「ポンちゃんラーメン」とは

2019年11月24日(日)12時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第十八回 信陽食品「ポンちゃんラーメン」 文・写真:オサーン


カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を紹介する連載の第十八回目となる今回は、長野県のご当地商品、「ポンちゃんラーメン」を紹介します。


信陽食品「ポンちゃんラーメン」ファミリー勢揃い

「ポンちゃんラーメン」って何なの?


「ポンちゃんラーメン」は、長野市に本社を置く信陽食品が製造する、長野県全域と山梨県のごく一部のみで取扱いのある商品。袋麺は1964年から販売されているロングセラー商品で、現在は5食入りの袋麺とカップ麺それぞれにしょうゆ味とみそ味がラインナップされています。


メーカーサイトにポンちゃんラーメン取扱店一覧が掲載されていて、スーパーやドラッグストアでは袋麺を、コンビニではカップ麺を中心に販売されているようです。


ただ、県内ならどのお店でも手に入るというわけではなく、同じ地域限定商品でも、九州の「焼豚ラーメン」や北海道の「やきそば弁当」のような絶対的存在というわけではなさそうです。


信陽食品は、調理用のそば粉からそば茶、そばの実を使ったお菓子まで、そば関連商品を製造販売する企業。自社でそばの農場や工場を持ち、他社へのOEM供給も行っています。一方で、現在ではポンちゃんラーメンを自社製造しているわけではなく、東洋水産に製造委託しています。


ポンちゃんラーメンの内容物を確認


ロングセラー商品らしく、袋麺もカップ麺も昔ながらの素朴なデザインですが、内容物はどんな感じになっているのでしょうか。早速見ていきます。


左:袋しょうゆ味 右:袋みそ味

袋麺は、しょうゆ味とみそ味ともにスープ粉末の袋と麺のみ。内容物も昔ながらのシンプル構成です。麺はしょうゆ味とみそ味で別のものが使用されているようです。


左:カップしょうゆ味 右:カップみそ味

カップ麺は、麺に加えてかやくとスープ粉末の2袋構成。こちらもシンプルですね。麺とかやくは両味で同じものが入っているようです。


しょうゆ味は袋麺とカップ麺でだいぶ異なる


まずは袋麺とカップ麺のしょうゆ味から食べていきます。


袋麺のしょうゆ味は、ポンちゃんラーメンの元祖にして看板商品。先ほどの取扱店一覧を見ても、取扱いのあるお店が最も多いです。カップ麺は袋麺ほどには出回っていません。


袋麺しょうゆ味

袋麺のスープは豚ガラベースのしょうゆ味。あっさり味ですが、胡椒を強めに効かせているのが特徴。東洋水産の袋麺「しょうゆ味ラーメン」の味をちょっとあっさりにした感じです。特に個性的な味というわけではないですが、人を選ばなそうな安定の味でした。


最近ではいろんな趣向を凝らした袋麺が登場している中で、良くも悪くも昔ながらの袋麺の味という印象で、味を重ねた本格的な商品が好きな方だと物足りないでしょうが、昔からの味を貫き通しているところがロングセラー商品として続いている大きな理由だと思われます。


カップ麺しょうゆ味

カップ麺のスープは袋麺よりさらにあっさりしたしょうゆ味。袋麺で感じた豚ガラがあまり前に出てこない一方で、具として入っているわかめ、コーン、赤ピーマンの味がスープに溶け出すことで、袋麺より野菜の旨みが強くなっています。あっさりしょうゆ味という共通項はあるものの、それ以外はまったく別物のスープという印象でした。


麺はどちらも縮れのついた油揚げ麺で、昔ながらの雰囲気を醸し出しています。袋麺の方がひとまわり太いです。袋麺は中太程度、カップ麺は中細くらい。鍋調理と湯戻し調理では火力が違うため、カップ麺の方が細いのは致し方ないところなのですが、食べ比べると袋麺のぷりぷりでもちもちの食感が際立っていました。


以上のように袋麺とカップ麺はスープも麺も別物の感があり、袋麺の方がおいしく感じましたが、カップ麺にも、野菜がたっぷり入っていて自分で具を用意する必要がないこと、そしてお湯を入れるだけでお手軽に調理できる強みがあります。具は他社のカップ麺と比べてもボリュームがあり、特にわかめの風味が際立って感じられました。それぞれにおいしいのは間違いないです。


みそ味も袋麺とカップ麺は別物


続いてはみそ味。袋麺とカップ麺ともに、しょうゆ味に比べると取扱店が少ないようです。信州味噌のお膝元である長野のご当地商品なので、みそ味にもこだわりがあるのではないかと期待してしまいます。


袋麺みそ味

袋麺のスープは、基本的にあっさりめですが、立ち上る湯気から味噌の強い香りが感じられます。これが信州味噌を使っているからなのかはわかりませんが、味噌を前面に出してスープを作っています。


カップ麺みそ味

カップ麺のスープは袋麺に比べてあっさり傾向で、袋麺で感じた味噌の強い香りも控えめ。わかめやコーン、赤ピーマンの味が溶け出すことで、袋麺より野菜の旨みがあるものの、味噌ラーメンとしてはかなりあっさりしている印象でした。


麺はしょうゆ味と同じような特徴が見られ、袋麺の方が太く、もちもち感があっておいしいかったです。カップ麺はお手軽さと具付きなことに利点があるものの、しょうゆ味以上に別物感が強かったです。


ポンちゃんラーメンは袋麺がオススメ!


自分で具を用意でき、鍋調理する苦労を厭わないならば、袋麺を食べる方が満足できそうです。懐かしさを感じさせる味でありながら、しょうゆ味ではガラの厚みが、みそ味では味噌の香りが強く、味にメリハリがありました。麺も袋麺の方がぷりぷりもちもちでおいしかったです。


ただ、カップ麺が決してまずいわけではなく、これはこれで良くできていました。あっさりで懐かしい味わいのスープを、野菜たっぷりで楽しめるのは大きな強み。お湯を入れるだけのお手軽調理なのも利点です。ただ、袋麺と同じ味というわけではない点には注意が必要です。


長野県以外では知名度があまり高くないので、長野を訪れた際はお土産として買って帰ると珍しがられそう。ややかさばりますが軽いので、鞄に空きがある場合はぜひとも押さえておきたい商品です。


筆者:オサーンカップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。Twitter(@ossern)


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