もし人類が絶滅したら、地球上の支配者となる生物は何か?生物学者が予測

2024年11月24日(日)21時0分 カラパイア


 SF的「もしもの世界」を考えるのは楽しい。それは科学者も同様で、専門知識に裏付けされた彼らの予測を聞くのも楽しいものだ。


 「もしも人類が滅亡したら、人類に代わって地球を支配する生物は何か?」


 そうなると極めて知能の高い生物となるだろう。この「もしも」を予測してくれたのは、オックスフォード大学の生物学者であるティム・コールソン教授だ。


 もうトップの画像で予測はつくかもしれないし、カラパイアの読者ならおなじみのあの生物だ。


もし人類が滅亡した後、地球を支配するのは?


 気候変動、シンギュラリティー、危険な小惑星など、人類を滅亡に追いやる要素はいくつもある。そうなると人類以外も滅亡してしまう可能性も高いが、ここでは「人類以外の生物は生き延びた」と仮定しよう。


 それはいつのことになるかはわからないが、もしも人類だけが滅亡したら、次の地球の支配者になるのはいったい誰なのか?


 オックスフォード大学の生物学者、ティム・コールソン教授によるなら、それは「タコ」だという。



image credit:unsplash


生物学者によるとタコが有力候補


 コールソン教授は、タコは「極めて知能が高く」、「器用で、好奇心旺盛で、コミュニケーション上手」であると、The European[https://the-european.eu/story-40026/professor-tim-coulson-on-evolution-and-human-extinction-and-his-surprising-pick-for-earths-next-rulers.html]で高く評価している。


 それゆえに、彼らは「世界の支配者の有力候補」に挙げられるのだという。


 タコは「複雑な問題を解決し、物を操り、驚くような正確さでカモフラージュする」驚異的な能力がある。それゆえに、「適切な環境と条件が整っていれば、人類の絶滅後に文明を築く種へと進化する可能性」が高いのだ。


 タコの頭の良さは、その界隈では有名だ。なにしろ彼らは複数の「脳」[https://karapaia.com/archives/463596.html]を持ち、8本の腕を巧に操る。海底都市、タコランティス[https://karapaia.com/archives/52246673.html]を既に築き上げているという話すらある。


 とは言え、彼らの頭の良さは、人間的な頭の良さとは少し違うかもしれない。



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認知スキルのすばらしさ


 なぜなら、動物の知能とは、学校でいい成績を収めることではなく、計画を立てたり、食べ物を見つけるために問題を解決したりする認知スキルを指すからだ。


 その点タコは素晴らしい。ヤシの実の殻を割ってその下に隠れたり、複雑な迷路を通り抜けたり、瓶のフタを開けるなど、さまざまな賢い行動が観察されている。


 タコやイカをはじめとする頭足類は、一般にこうした能力が非常に高い。その背景にあるのは、食べ物が乏しい環境だったのかもしれない。そうした状況では、生き残るためにより強力な脳を発達させる必要があると考えられるからだ。


 動物の知能のもう1つの指標は、社会を作って生きていく能力だ。意外にも、この点においてタコは落第している。彼らは単独で行動し、子供の面倒を見ることもない(だが異種間チームを結成[https://karapaia.com/archives/455364.html]することはある)


地球上で最も知的で、適応力があり、創意工夫に富んだ生物タコ。複雑な問題を解決し、親指のような腕を使って道具すら使う。


 コールソン教授がタコ推しの理由をまとめると以下の通りだ。


・驚くほど正確なカモフラージュゆえに、タコは優れたハンターだ。貝・エビ・魚・サメのほか、鳥さえも捕食する


・寿命は1.5〜5年程度と短いが、体と知能の発達は早い。中には全長6m、体重50kgにも成長するタコもいる


・タコは水から出ても30分ほど呼吸ができる。ただし骨格がないため水中のようには素早く移動できない


・青い血液・3つの心臓・分散型の神経系・9つの脳を持つ。深海から沿岸部まで、幅広い環境で生息することができる



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いずれは酸素ボンベを発明して陸に進出する?


 今のところ、人類とタコとの全面戦争が起きれば、勝つのは我々だろう。


 だがコールソン教授によれば、タコは道具を作るのが得意なので、人間が海で漁をするように、いつの日か陸上で狩りをするようになるだろうという。


 現在のタコは30分以上陸で生きることはできないが、何百万年もすれば、もっと長く活動できる体に進化するかもしれない。


 あるいはスキューバダイビングの逆バージョンのような酸素ボンベを作り出すことだってあるかもしれない。


 今は寿命が短いが、いずれはそれをも克服するかもしれない。


哺乳類が支配する世界において、タコは競争相手として過小評価されています


彼らの高度な認知能力・道具を使う能力・環境の変化に適応する能力は、人類滅亡後の地球に現れる次の知的種の青写真をもたらすものです(コールソン教授)


 進化には時間がかかる。約5億年前、タコの祖先は巻貝のような生物で、貝殻を浮き輪のように利用していた。


 だが2億7500万年前、貝殻を捨て、今日の柔軟な姿へと進化した。


もちろんタコの台頭は、すべて憶測の域を出ません。進化は予測不可能であり、人類絶滅後にどのような道をたどるのか確かなことはわかりません(コールソン教授)



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タコ以外の有力候補は?


 そもそも進化は、さまざまな変数に左右される。そのために、あらゆる種に次代の支配者になる可能性があるのだという。


 類人猿・ゾウ・イルカ・オウム・カラスなどは、どれも平均的な動物よりも賢い。また研究者の中には、アリやネコを推す声もある。


 それでも、タコの知能・適応力・多様な生存戦略などを踏まえると、分のある賭けであるとのことだ。


 さて、この答え合わせは、100万年後くらいになるだろうか?


References: Scientists reveal 'supremely intelligent' creature that will rule Earth if all humans die | Tech News | Metro News[https://metro.co.uk/2024/11/15/scientists-reveal-creature-will-rule-earth-humans-die-21999270/] / 'Supremely intelligent' creature could take over if humans went extinct | Unexplained Mysteries[https://www.unexplained-mysteries.com/news/382572/supremely-intelligent-creature-could-take-over-if-humans-went-extinct]

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