眠られぬ夜のための「4-7-8呼吸法」を紹介! 抜群の入眠効果、医師も推奨!
2022年11月23日(水)7時0分 tocana
「4-7-8呼吸法」という4秒で息を吸い、7秒間息を止め、8秒かけて息を吐き出すだけの簡単な呼吸法がある。しかし、その効果は絶大で、不安を和らげスムーズに入眠に誘う効能があるという。科学的根拠は限られているものの、深くリズミカルな呼吸法はよりよいリラックスを可能にし、睡眠の質を高めるのに役立つと言われている。初心者向けに短縮バージョンもあるので、眠れない夜にぜひ試してみてほしい。過去にTOCANAで掲載した記事を再掲する。
※ こちらの記事は2020年3月11日の記事を再掲しています。
明日は早朝から出かけるので早めに床に就いたものの、どうにも眠れないというケースがあるかもしれない。そんな時のために取り入れてみたいのが「4-7-8呼吸法」だ。
■安眠に誘う「4-7-8呼吸法」とは
「4-7-8呼吸法」は実にシンプルな呼吸法である。4秒で息を吸い、7秒間息を止め、8秒かけて息を吐き出すだけだ。この実に簡単な呼吸法で、不安を和らげ効果的に入眠に誘うのである。
この「4-7-8呼吸法」をサポートするための科学的研究はまだ限られているものの、このタイプの深いリズミカルな呼吸法はよりよいリラックスを可能にし、人々が睡眠の質を高めるのに役立つことを示唆する報告が豊富にある。その主な効能は下記の4つだ。
●不安の軽減
●入眠を助ける
●欲望のマネジメント
●怒りの感情のコントロールと緩和
米アリゾナ大学のアンドリュー・ワイル医師が「4-7-8呼吸法」の正しい方法を解説している。
まずは、あぐらなど各々が座っていて快適と感じるポジションをとる。舌先は前歯の裏に軽く触れさせておく。そして実際に「4-7-8呼吸法」を行うのだが、ポイントは以下の通りだ。
●最初に肺を空にした状態にする。
●鼻からゆっくり息を吸い込み4秒かけて肺一杯に満たす。
●息を7秒間止める。
●「フゥー」というような吐息とともに口からゆっくり8秒かけて息を吐き出し、肺の中を空っぽにする。
●これを4セット繰り返す。
以上である。
ワイル医師は効能を早く実感するためにも、この4セットで1回の「4-7-8呼吸法」を1日2回行うことを推奨している。そして慣れてきたからといって1回に4セット以上は行わないよう忠告もしている。4セット以上行って効果を得られるのはかなりの上級者になってからであるということだ。
深呼吸に慣れていなければ頭がクラクラしたりめまいがするケースも出てくるが、その場合はベッドや床に仰向けになって全身の力を完全に抜いてしまってもよいということだ。
そして1度やってみたがどうしても苦しくなるという向きは、“短縮バージョン”で行ってみてもいいという。その1例は以下の通りだ。
●鼻から2秒かけて息を吸う。
●3.5秒、息を止める。
●口から4秒かけて息を吐き出す。
このような短縮バージョンが初心者向けとして推奨されている。秒数を減らすのはよいのだが、3つの割合は変えてはならないということだ。最初にこの短縮バーションを1週間ほど続けてから「4-7-8呼吸法」に移行したいところだ。
実践者の多くは、この「4-7-8呼吸法」を長期間、頻繁に行うほどその“効能”はより高まってくると報告している。眠れない夜に“物は試し”にやってみてもよいが、それをきっかけに長く続ける習慣にすることで、計り知れない恩恵を受けられるということのようだ。
■腹式呼吸の7つの健康メリット
必ずしも「4-7-8呼吸法」にこだわらなくてもいいのだが、意図的な深い呼吸法は心身にさまざまなポジティブな影響を及ぼすことが、これまでの科学的研究でいくつも報告されている。
2011年に「Health Science Journal」に掲載された研究では、横隔膜呼吸(腹式呼吸)による深い呼吸法で7つもの健康メリットを享受できることを報告している。それぞれ下記の通りだ。
●疲労感の緩和
●不安感の軽減
●子どもとティーンのぜんそくの緩和
●ストレスへのよりよい対処
●高血圧の緩和
●青少年の攻撃的言動の低減
●頭痛の緩和
研究では、6週間の呼吸法の実践で、心拍数にポジティブな影響を与えてストレスを緩和し、認知機能の向上と不安感の軽減につながる可能性が示されている。
さらに「4-7-8呼吸法」は本格的な瞑想やマインドフルネスの素地にもなることが指摘されており、たとえばヨガの世界への足がかりにもなり得るということだ。
加えて昨今は、呼吸法を支援するスマホアプリも多く登場してきており、たとえば「Breathe」や「Prana Breath: Calm & Meditate」などのアプリを活用することで、無理なく習慣化することができそうだ。
ジムやヨガ教室に通わなくとも、その場で今すぐにできるのがこれらの呼吸法の最大の魅力かもしれない。うまく習慣化することができればさまざまな恵みを受けられそうである。
参考:「Mirror」、「Medical News Today」、ほか