小学生の将来就きたい職業、30年前と比較…小学生白書
2019年11月25日(月)12時45分 リセマム
白書シリーズは、1946年から「学習」、1957年から「学習」と「科学」のはがきによる読者アンケート調査「小学生白書」の後継として、学研教育総合研究所が2010年から実施しているインターネット調査をまとめたもの。家庭、園、学校での過ごし方、興味・趣味など子どもの日常生活全般にわたって調査している。
1989年(平成元年)調査は、学習研究社(現・学研ホールディングス)が発行していた月刊「1〜6年の学習」に毎号綴じ込まれていた読者はがきによるアンケート調査。1989年に毎月読者から返送されたはがきの中から、小学1〜6年生各学年・男女300人ずつの回答を無作為に抽出した。
2018年(平成30年)調査は、日本全国の小学生(1〜6年生)の子どもをもつ保護者を約377万人のモニター母集団から抽出し、保護者付き添いのもとで、小学生本人が回答するように依頼した。1〜6年生各学年で男子100人と女子100人ずつとその保護者(計1,200組)の回答が集まったところで調査を終了した。調査時期は2018年9月6日〜9月11日。
小学生が将来就きたい職業について、1989年の1位は女子に圧倒的な人気の「保育士・幼稚園教諭」、2位は男子に人気の「プロ野球選手」、3位は男女ともに人気の高い「小・中・高校の先生」、4位「一般サラリーマン」、5位「プロ野球選手以外のスポーツ選手」だった。
男女別にみると、男子の1位は「プロ野球選手」。1989年は、セ・リーグで読売ジャイアンツ、パ・リーグで近鉄バッファローズが優勝し、ドラフト会議では野茂英雄選手が注目を浴びた年だったという。2位は「一般サラリーマン」。当時 “バブル経済”だった日本では、サラリーマンの姿がトレンディドラマでも多く取りあげられ、小学生男子にとってサラリーマンは憧れの対象として映っていたことが推察される。
女子は1位「保育士・幼稚園教諭」、2位「小・中・高校の先生」、3位「看護師」と、いずれも他者の育成やサポートをするような職種が選ばれていた。1986年から男女雇用機会均等法が施行されたとはいえ、当時はまだまだ女性が男性と同じように働く姿はイメージしづらかった状況がうかがえる。そのため、女性が多く活躍しているこれらの職種に人気が集中していたと考えられるという。
一方、2018年は1位「パティシエ(ケーキ屋さん)」、2位「プロサッカー選手」、3位「YouTuberなどのネット配信者」、4位「警察官」、5位「医師(歯科医師含む)」。1989年調査の「プロ野球選手以外のスポーツ選手」と2018年調査の「プロサッカー選手」を同義とすれば、そのほか4つの職業はお互いに重ならないことがわかった。