死亡判定後に蘇生したら刑終了? 明治初期には釈放された死刑囚も…

11月26日(火)8時43分 弁護士ドットコム

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自分は一度死んだので、刑を満了しており釈放されるべきだーー。アメリカの裁判でそんな驚きの主張が展開された。



AFP通信(11月9日)によると、仮釈放なしの終身刑で服役していた男性は、2015年に敗血症で危篤状態となり、搬送先の医療機関で5度にわたる蘇生処置を受けた。



その後の治療で回復し刑務所に戻った男性は、「自分は一時的に死んだのだから、刑を満了している」として、2018年に釈放を求めた訴訟を起こしたという。



男性の訴えは、地方裁判所で認められず、上訴裁判所でも「生きているなら刑務所に収監され続けなければならないし、死んでいるならこの訴えは意味をなさない」と退けられたようだ。



●最高検「死亡の時点で刑は終了する」

死亡しているか否かは医学にもとづいて正確に判定されるのが普通だ。一時的な死というものが存在するかどうかはともかく、本当に死んだのであれば、その後の蘇生というのは考えにくいことではある。



ただ、例えば、懲役刑中に病死判定がされた後に蘇生するといった万が一のケースが発生した場合、刑はどうなるのだろうか。最高検察庁に聞いたところ、



「受刑者が蘇生した場合の刑の取り扱いなどの点については、いわゆる仮定の話であり、当庁といたしましては回答しかねます。



なお、一般に、受刑者が死亡した場合には、刑の執行権が消滅し、刑の執行が不能になると解されますので、事実上、死亡の時点で刑は終了します。その後の刑の執行に関する事務手続きは、検察庁においては特にありません」



との回答があった。



●日本では「死刑からの蘇生」で釈放された例が

かつて、「絞柱」という懸垂式の処刑器具で死刑が行われていた時代(1872年)に、死刑が執行されたのち蘇生したという事件(石鐵県死刑囚蘇生事件)があった。



この事件の死刑囚は、蘇生後、「法定の死刑執行は終えているのだから、再度執行する理由がない」として、釈放されている。



なお、事件からわずか1年後(1873年)、死刑の方法が「絞罪器械図式」に変更された。この方法を定めた太政官布告は現在も法律と同一の効力を有しており、2010年11月2日には、当時の菅直人内閣により、「(現在の)各刑場の刑具・運用について絞罪器械図式と変わるところはない」との答弁書が閣議決定されている。

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