ツタンカーメンの呪いだけじゃない! 2500年の“呪い”を封印するエジプトミイラの正体判明!

2022年11月26日(土)17時0分 tocana

 古代エジプトの少年王・ツタンカーメンの王墓が、考古学者のハワード・カーターによって発見されたのは1922年のこと。今夜21時から放送される「世界ふしぎ発見!」(TBS系列)では、王墓発掘100周年を記念して、ツタンカーメンの出生と死の真相に迫っている。


 王墓に残されていた黄金のマスクをはじめ、5000点にのぼる豪華な副葬品は今もなお、世界中の人々を魅了し続けている。そのなから、今回取り上げられる秘宝は「短剣」。最新科学による調査分析の結果、当時のエジプトに存在するはずのない高度な技術を用いた人工物であることが判明したという。一体、ツタンカーメンはどこから来て、何のために死んだのか…?


 番組の内容も気になるところだが、過去にトカナでは、サッカラ遺跡から大量に掘り起こされた石棺の謎について紹介している。木棺内部に刻まれていた”呪い”のおどろおどろしい内容とは。2020年12月の記事を再掲する。


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※ こちらの記事は2020年12月14日の記事を再掲しています。


 エジプトの首都カイロから南へ30キロの地点に「サッカラ遺跡」がある。ここは何千年も昔、古代エジプト人がミイラとなって永遠の眠りについた埋葬地だった。死者は神官により、ヒエログリフが施された木棺に安置された後石棺に収めて封印され、砂が敷き詰められた墓に埋葬されたという。


2500年もの間ミイラを封印してきた“呪い”の正体は?

 安息を妨げられることのない場所のはずだったが、今年11月、発掘チームが深さ12メートルの穴を3カ所発見し、その中から封印された状態の石棺を掘り起こした。その数、160基以上。エジプト政府の発表では、出土した棺は今後「大エジプト博物館」をはじめとするエジプト各地の博物館で収蔵される予定だという。


 墓は、古代エジプトの末期王朝やプトレマイオス朝時代の高官のものとみられている。現在、考古学者チームが棺を開け、中のミイラを調査し始めたところだという。興味深いことに、中の木棺内部には盗掘者を追い払うためのカラフルな呪いが刻まれていたという。保存状態も良好で、どうやら、約2500年もの間“呪い”で封印されてきたおかげといえそうだ。


 カイロ・アメリカ大学のエジプト学者サリマ・イクラム博士は語る。


「棺に刻まれた警告は、ミイラの安息を冒涜する墓泥棒を抑止する役目だったようです。その文面は『万が一、墓が暴かれた場合、神々の評議会は不法侵入者を罰するために、ガチョウにするように彼らの首を締めて殺すだろう』と書かれています」(イクラム博士)


 故人と一緒に埋葬された貴重品を盗もうとして捕まった不届き者は、彼らの罪に見合った方法で処刑されたそうだ。貴族の墓を暴いた罰は、ムチ打ち、鼻を削ぐなど、かなりむごたらしいものだったようだ。


 また、博士はミイラの調査に関して「手袋とマスクを着用していれば、古代の微生物や真菌に汚染される危険性はほとんどない」と断言する。コロナ禍の影響もあり、専門家たちもウイルスに関して非常に神経質にならざるを得ないのだろう。



貴重な考古学的発見が続く

 そもそも、ミイラの墓に危険な病原体が生息するのではという疑念は、考古学者ハワード・カーターが1922年にツタンカーメン王の墓を発掘したときから始まった。


 ご存じの方も多いと思うが、カーター率いる探検隊のメンバーで、スポンサー的立場にあったジョージ・ハーバートは、ツタンカーメン王の埋葬室を開けた6週間後に、奇しくも突然の死を遂げた。一部の研究者たちの間では、ハーバートは墓で有毒なカビに感染し、それが原因で命を落とした——と、まことしやかに囁かれるようになったそうだ。


 しかしながら、さらなる調査の結果、ハーバートは感染蚊に頬を刺されて、菌血症で死亡したことが判明した。なにより、ツタンカーメン王の墓には“呪いがゼロ”だったのだから。


 なお、考古学者のカーターは「ミイラの呪い」説をナンセンスと一笑に付したそうだ。彼自身は、世紀の発見から20年以上生き、64歳で亡くなった。


 サッカラ遺跡では、長年発掘作業が行われていても、なしのつぶてだったが、今では「ここ掘れワンワン状態」で、次から次へと貴重な考古学的発見が続いているそうだ。2500年の悠久の彼方から目覚めたミイラたちが、現代人に何を語ってくれるのか大いに期待したい。




参考:「Science Alert」、「Business Insider」、ほか

tocana

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