肥満だと肝臓や大腸がんの危険性アップ、女性は乳がんのリスク高める…徳島大助教

2024年11月27日(水)10時41分 読売新聞

「がん予防のため生活習慣の改善を」と呼びかける渡辺助教(徳島大で)

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 肥満や代謝の異常が日本人のがんリスクを高めているとの研究結果を、徳島大大学院医歯薬学研究部の渡辺毅助教(39)が26日、発表した。日本人を対象にした大規模な疫学調査データを活用。部位別では、肥満の人は肝臓や大腸のがんリスクが高くなり、高血糖などの代謝異常があると正常体重でも膵臓すいぞうがんにかかる危険性がアップすると分析した。

 渡辺助教は徳島大を含む全国の大学やがんセンターが集めた患者ら約5万3000人の疫学調査の結果を解析した。肥満の人は肝臓がんにかかるリスクが139%増、大腸がんが41%増。さらに高血糖、脂質異常、高血圧のうち一つ以上あると代謝異常とし、全がんでリスクが15%増えるとした。

 また女性では、肥満が乳がんのリスクを45%高め、代謝異常が加わると63%増にアップ、子宮体がんも95%増えるとした。男女とも健康体重では、代謝異常がある場合のみ、膵臓がんの危険性が60%増えると分析した。

 徳島大で記者会見した渡辺助教は「これまで欧州では肥満の人の有病率は低いとされてきたが、日本人には肥満の影響が大きいことがわかった。自分がどのがんになりやすいかを知り、食事を改め、運動するといった生活習慣の改善で予防を」と呼びかけた。

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