「存在しない記憶」が溢れ出して止まらない... メルカリが原宿に爆誕させた「ウチの実家」に帰省してみた

2023年12月1日(金)20時0分 Jタウンネット

実家に、帰りたい——!

進学や就職などで地方から東京に出てきた人は、ふとそんな郷愁に駆られることもあるだろう。帰りたいけど、もう何年も帰省できていない、なんて人もいるはずだ。

そんな人はこの週末、原宿へ行ってみてはいかがだろう。なぜかって?

フリマアプリでお馴染み「メルカリ」が2023年11月29日〜12月3日、ここに「実家」を出現させているからだ。

メルカリで出会える「実家にありそうで懐かしいモノ」を集めて「ウチの実家」というイベントを開催しているしいが......Jタウンネット記者が気になったのは、プレスリリースに記載されていた謎の文書だ。

実家では、寡黙だけど好奇心を忘れないお父さんと、優しくて世話焼きなお母さんがまるで家族のように出迎えてくれます。会話を楽しんだり、記念に家族写真の撮影も可能です。

お父さんとお母さん出迎えてくれる? どういうこと??

全く意味が分からないので、とりあえず29日、記者は原宿に"帰省"した。

???「よく帰ってきたの」

すると、場違いな光景が記者の目に飛び込んできた。

洗濯ものにちょっとしたガーデニング、もう誰も使っていないであろう少しさびたホッピング...まるで田舎からまるっと転移してきたかのような2階建ての「家」である。

表札には「ウチの実家」と書かれていた。

とはいえ、見たことない家である。記者は「お邪魔します...」と玄関を開けた。

すると、入ってすぐの床の間で、この人が待っていた。

親しげな笑顔を浮かべた白髪のおじさんである。おじさんは、言った。

「おお良く帰ってきたの。おかえり」

お父さんだ......!

「存在しない記憶」があふれ出す...!

記者は気づいた。この家に入るときに言うべき言葉は「お邪魔します」ではない。

「ただいま」なのだ。だってここは、「実家」なのだから。

お父さんとちゃぶ台を囲むと、木の器に入ったお菓子を出してくれた。フルーツ味の寒天ゼリーだ。

————瞬間、記者の脳内に溢れ出した

————存在しない記憶

ゼリーを次々と渡してくれるお父さん、それを「ちょっとお父さん!」ととがめるお母さん、ゼリーの優しい甘さと食感......。

そういえば、そんなこともあったけ......??

感慨にふけっていると、お父さんがおもむろに移動し始めた。そして、部屋の中にあるマッサージチェアでくつろぎ始める。

「そういや、メルカリでこのマッサージチェアー出そうって思ってなぁ〜」

とお父さんは言っていた。

お母さんにも、会いましたが...

というわけで、メルカリ「ウチの実家」はかなり実家感にあふれた企画なのだ。

設定は、60代後半の夫婦が暮らす家。2人には現在40歳の息子と34歳の娘がいるが、2人とも2003年前後に実家を巣立っていったという。

お父さんがいた「床の間」以外に、「居間」「台所」「兄妹の部屋」があり、中に置かれているものの中には、メルカリでの販売価格が表示されているものも。ちなみに、先ほどお父さんが気持ちよさそうに座っていたマッサージチェアーは4万8000円だった。

居間にはコタツが置かれていて、ミカンと、チラシで作ったミカンの皮入れがその上に乗っている。周りには懐かしのオモチャや「ヨン様」のうちわなんかがごちゃごちゃと置かれていた。

ここではミカンを食べてもいいし、スーファミで遊んでもいい。

キッチンには、お母さんが居た。

「あらおかえり。ほら、このマグカップ昔お土産で買ってきてくれたでしょう?」

と思い出を語り始める。唐突なことで「え...あ...そ、そうでしたよね」とぎこちない返事をしてしまう記者。

なんだろう......記憶喪失になったことをバレない様に取り繕う息子のような気分にもなってきた。

だとしたら、冷蔵庫に貼られていたこの手紙や、「マッサージけん」は、僕が書いたものなのだろうか......。

ちなみに、この冷蔵庫を開けるとドリンクがズラリと並んでいる。

急に生活感が無くなるが、これは「#メルカリでできたウチの実家」というハッシュタグと共に「ウチの実家」内で撮影した写真をSNSに投稿すると、お母さんが無料でプレゼントしてくれるドリンクだった。

兄よ、黒歴史ノートは読ませてもらった!

残る兄妹の部屋も、2人の人物像がハッキリわかるような部屋だった。

妹の部屋には、プリクラ帳にプロフ帳、メイクするのに使っていただろう道具たちや沢山のつけまつげ、ラインストーンでビッシリのガラケー、チェキ、浜崎あゆみのポスターなどがあった。

妹はギャルにあこがれていたのだろう。伝説的ギャル雑誌「egg」もあったし。

兄の部屋には漫画やCD、ビックリマンシール、ミニ四駆、キン消しの山、昔のiMacに古いMacbook、ゲームボーイ、バーコードバトラー、MD、ギター、モー娘。のポスターなどなど。

オモチャや機械で遊ぶのが好きな、モー娘。ファンだったのかもしれない。

そんな彼の部屋で、気になりすぎるモノを見つけた。

「絶対に見るな」と書かれた、怪しい箱である。こんなの、開けないわけがない。

中には、ノートが入っていた。

勝手に読んでおいて悪いが、こっちまで恥ずかしくなってくるような"ポエム帳"であった。

きっと兄の「黒歴史」に違いない。必見である。

すべての部屋を見終わった記者は、"帰省"を終え、会社に戻ることにした。

帰り際、お父さんが「またいつでも来いよ」と言ってくれて、じんわり心が温かくなった。

ところで、メルカリが「ウチの実家」を実施する狙いは「自宅や実家にある不要品の価値を可視化」すること。

同社の調査によると、日本の家庭に眠っている国民一人あたりの"かくれ資産"は平均約53万円。大掃除で捨てられる可能性のある不用品の資産価値は、国民一人あたり約8万5000円に上るという。

展示を通して、実家にある捨てようと思っていた不用品が誰かにとっては価値があると認識してもらえるきっかけになったらと、実家にありそうな古いモノを集めた空間を作り上げた(同社マーケティングディレクター・千葉久義さん)

大掃除で捨てようとしていたものに、意外な値段がついていることが分かるかも?

時間がある人は、ぜひ"帰省"してみてほしい

Jタウンネット

「実家」をもっと詳しく

「実家」のニュース

「実家」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ