【法律相談】死後に不倫メール発見 慰謝料を請求できるか

12月2日(土)7時0分 NEWSポストセブン

夫の不倫が死後に分かったら?

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 親族が急死した際、交友関係を確認するためにメールをチェックすることもあるだろう。しかし、亡くなった夫のメールをチェックして、不倫メールが見つかった場合、相手に慰謝料を請求できるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。


【相談】

 姉の夫が急死。1か月後に姉が夫のスマホを確認したところ、部下との不倫メールが発見されてしまったのです。文面を見ると3か月前に別れたようですが、姉の怒りはすさまじく、相手に慰謝料を請求すると息巻いています。ただ、証拠はメールしかありませんし、それでも姉は請求できるのでしょうか。


【回答】

 配偶者の不倫の相手が、不貞配偶者の相手方配偶者に対して負う不法行為責任は、請求時点で不倫行為が継続している必要はありません。また、不貞配偶者が死んで不倫がなくなっても、生前の不倫相手の責任が、当然になくなるものでもありません。


 相手が結婚していることを承知の上で関係を持てば、「(不倫をした)第三者は、故意または過失がある限り、配偶者を誘惑などして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両者の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫または妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務がある」というのが最高裁の判断となります。


 相手に配偶者がいることを知りながら肉体関係を持てば、それだけで不倫相手の配偶者の権利侵害の不法行為になり、慰謝料支払い義務を負います。しかし、結婚生活が破綻している相手との関係では不貞にはなりません。


 亡夫の部下ですから結婚は承知でしょうが、夫婦の状態について受けていた説明は注意点です。他にも亡夫が自分の地位を利用するなど悪質な手段で女性を不倫に誘い込んだ場合は微妙です。不倫相手が上司から圧力をかけられ、不倫関係をもったとすれば妻への不法行為になっても、慰謝料の額は僅かなものになるでしょう。


 逆に、亡夫の強制や甘言で騙されたことがあり、部下の女性が恨みを持っていれば亡夫から受けた精神的苦痛に対する慰謝料を主張するかもしれません。その場合、相続人である妻子が相続放棄しない限り、請求の相手になります。


 なんにせよ、慰謝料請求の気持ちが強固であっても、まずはメール内容の分析などから不倫内容の実態を確認することが大事です。


【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。


※週刊ポスト2017年12月8日号

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