吉野家新業態のカレー専門店「もう~とりこ」1号店オープン! したけど、最初の出店場所はココじゃない方がよかったかも?

2024年12月2日(月)23時30分 ロケットニュース24

大手牛丼チェーンの「吉野家」は2024年12月1日、新業態のお店をオープンした。吉野家は牛丼に続くサブブランドとして、牛かるび丼・スンドゥブの専門店「かるびのとりこ」をすでにオープンしており、関東で5店舗を展開している。

それに続くお店として、カレー専門店「もう〜とりこ」を台東区浅草に誕生させたのである。実際に行ってみたところ……。新業態は歓迎するけど、その1店舗目は浅草じゃない方がよかったのでは〜……。その理由をお伝えしよう。

・薄れた存在感
吉野家は昨年2月にかるびのとりこの1号店を、埼玉県幸手市にオープンした。

ぶっちゃけ吉野家は牛丼チェーンの元祖にも関わらず、店舗数で「すき家」に、個性で「松屋」に差をつけられているように感じる。

しかも松屋は「松のや」や「マイカリー食堂」などのサブブランドの展開を上手くやっているのに、吉野家はかるびのとりこをオープンするまでの10年間、新業態に着手していなかったのだ。

業界で薄れてしまった存在感を取り返すためにも、5店舗まで増えたかるびのとりこに続けとばかりに、カレー専門店をオープンしたのではないだろうか。なお、12月19日には横浜市にからあげ専門店「でいから」のオープンも控えている

・ビーフカレーのみ
お店は浅草のドン・キホーテの並びにある。昨日開店したばかりなので混み合っているのかな? と思ったら、スムーズに入店することができた。平日昼間だが、とくに混んでいる様子ではない。

注文は卓上のタブレット端末で行う。メニューは大きく分けて「手仕込みカレー」と「スペシャルカレー」。手仕込み……、どこかのカレー屋で聞いたことある言葉だな

手仕込みカレーとはベースとなるカレーソースのことを指す。ビーフカレー・スパイシービーフカレー・バタービーフカレーの3種のカレーソースが基本。このお店はビーフカレーの専門店なので、チキンもポークもない。ちなみに牛肉と玉ねぎは吉野家の牛丼と同じものを使っているそうだ。

ご飯の量は200g〜1kgまでの6段階、辛さは5段階から選ぶ。それから付け合わせを6種の中から2種をチョイスすることになる。

このほか「じゃがごはん」というカリフラワー+ブロッコリーのみじん切りに、マッシュポテトを合わせたライス代わりのものも用意されている。

・バタービーフカレーは意外と辛い
私が注文したのは、「あいがけカレー」(ビーフ+バタービーフ:税込1023円)と「5種野菜サラダ」(税込165円)だ。付け合わせには、「玉ねぎのアチャール」と「食べるラー油」を選択している。注文を完了したら、まずサラダが出てきた。

サラダはすべて自家製のドレッシングがかかっている。

少しして、あいがけカレーも登場。ご飯を挟んで左がバタービーフカレー、右がビーフカレーである。

まずはバタービーフカレーから頂いてみると、意外と辛味がきいていて後味がピリリとしている。私は辛いものが苦手なので、辛さゼロで頼んだのだが、それでも体感的にはゼロではなかった。

バターのカレーというと、松屋のごろチキ(ごろごろチキンのバターチキンカレー)が脳裏に浮かぶ。その味と意図せずに比較してしまって、余計に辛い気がしたのかもしれない。

ビーフは濃厚でコクが深くて、バタービーフよりもこちらの方が好みの味。次に頼むときはビーフカレー一択になりそうだ。

それで付け合わせに食べるラー油を選んだのは、間違いだったかも。というのは、ラー油とカレーソースがお互いに打ち消し合ってしまうため、味の相乗効果を得られなかったからだ。

基本のカレーソースがもったりとしているので、フライドオニオンとか紅生姜とか福神漬けなど、食感がアクセントになるものを選ぶ方がベターかも。

・1号店は浅草じゃなかった方が……
それでですね、このお店に入ってとても気になることがありました

というのは、浅草界隈は割と年配の方が多く、私の訪ねた時間も70〜80代と思われるお客さんが見受けられた。皆さん、タブレットでの注文に苦戦して、結局お店の人に口頭でオーダーを伝えている状態

メニュー構成もやや複雑で、ベースのカレーを3種から選んで、ご飯の量と辛さを選んで、トッピングを選んでっていうプロセスにつまづいてしまう。「玉ねぎのアチャールってナニ?」といった風に。

タブレットもメニュー表も文字も小さくて読めないし、しまいにはあるおじいさんが怒り出しちゃったりして……

吉野家の新業態は歓迎するけど、新ブランドの1号店は浅草ではなく若者の多い渋谷や池袋などの街、もしくはかるびのとりこのように郊外でもよかったのではないかな〜

年配のお客さんが来店する度に、スタッフ1人が付きっ切りになってメニューの説明をしている様子を見ていると、オーダーの負担が大きすぎる気がしてしまった

選択の多さはかえって客に迷わせてしまうので、「初心者セット」的にものを用意するなど、対策を講じた方が良いかもしれない。

いずれにしても元祖牛丼チェーンの吉野家には、これからもがんばってほしい!

・今回訪問した店舗の情報
店名 もう〜とりこ 浅草中央店
住所 東京都台東区浅草2丁目10-13
時間 9:00〜22:00 土日祝8:00〜22:00

参考リンク:PRTIMES
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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